jogo式Canoe Life

カンボジアに想う


 カンボジアに関する本を乱読している。カンボジアの人たちと接して、どうにも理解できなかったのが、何でこの国で醜い内戦やポルポトを出現させてしまったのか、ということだった。
 手に入りやすい本や資料を読んだが、それでも分からない。カンボジアをコーチシナの視点から描いたものや、ベトナム、中国、そしてアメリカに絡めて書いたもの。日本人の新聞記者が書いたもの。。。
 さっぱり伝わってくる物がなくてガッカリした。そして、気が付いた。全ての本が、カンボジア人以外によって書かれたものだったのだ。外国人はそれぞれ自分の背景や立場を持ち、その視点から本を書いていた。一般のカンボジア人が、普段何を食べ、夫婦の何気ない会話や、たわいもない動作や風習について、気持ちの至らない人達が書いたものだったのだ。
 そこで、カンボジア人の書いた本を一冊読んだ。プノンペンで医師だったハイン・ニョルの書いた「キリングフィールドからの生還」だ。この本は、カンボジアに興味のある人だけでなく、人間自体に関心のある人にはぜひ読んでもらいたい。人間の無常、本能、欠点、はたまたサバイバルについて、考えさせられる一書だ。ハイン・ニョル氏はカンボジアに見切りをつけて、アメリカに亡命した。しかし、人生とは皮肉。1996年にロスの中華街でアジア系ギャングに襲われ、射殺されてしまった。3人組ギャングの目的は、氏の身に着けていた金のネックレスとロレックス。あのポルポト時代を生き抜いたつわものでさえ、アメリカでは生き残れなかったのだ。
 この本を読んで、少しだけカンボジアの必然が見えてきた。さらにカンボジア人の書いた本を読んでみよう。
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