宮田八郎さんが西伊豆で亡くなって6年になろうとしています。ずっと見れなかった録画した彼の番組をやっと見れました。そこに描かれている宮田さんは、僕の知らない姿でした。
宮田さんのことを知ったのは、事故で亡くなってからです。事故のあったその日、シーカヤックの仲間から「西伊豆で2名がシーカヤッキング中に行方不明に、使用艇はファルトボート2人艇」と第一報。その後、次々に情報が入ってきて、高名な登山家で、山岳レスキューのエキスパートと情報が入ってきた。
その頃にはすでに夜になっていた。残念ながらアウトだ。僕の知る限り、シーカヤックの深刻な遭難で、夜を越して翌日に生還した例は・・ゼロだ。海の神様は、夜のうちに全ての命を奪い去る。
宮田さんは山岳遭難で100名以上の命を救ったという。これは・・、すごい。例えば海難レスキューの専門家は海保の特救隊隊員(海猿)だけど、多くは遺体回収だけして、生きた人を生還させる経験なく最前線を去る(隊員としての寿命は短い=引退)ことも珍しくないと聞いた。
「海で死んではいけない」というのは単純なお約束。そこから逆算すると、何をして、何ができないといけないか答えがでやすい。スキル(熟練)が高いに越したことはない、テクニックも欲しいところ。装備もしっかり。
コロナ禍以降、シーカヤックの深刻事故(死亡事故)の報告を聞かなくなった。代わりに、1年に1人はいた日本一周挑戦者の話が出なくなった。チャレンジャーがいなくなった、ということでしょう。これは大きな問題だと思う。
山では誰かをあてにしてはならない 宮田八郎
僕は彼女の死を肯定したい だってあんなに力一杯生きた人を僕は他に知らないから 宮田八郎