東南アジアの旅を始めたばかりの頃、下川裕治さんの著書を読みまくりました。バックパッカーのレジェンドとか、貧乏旅行作家などと言われてますが、バンコクへ逃避するように旅する姿は微笑ましく、羨ましく。
僕が強烈に影響を受けたのは初期の著作で、奥さんから逃げるように(別居→離婚)バンコク、そしてタイ語学校(ユニオン=タイ語学習の名門校)で勉強する日々を綴った本でした。日本人にとって外国語、特に英語以外の言語を学ぶって、敷居が高く、イメージしずらい。その事を一気に吹き飛ばしてくれる内容で、影響を受けました。
気が軽くなった僕は、東京のタイ語学校に通うようになったのは、25年前の話です。おかげで、今でも街中でタイ人が歩いていると(日本で)気軽に声をかけ、友達になることが多い。自分の中に新しい視点が生まれる、きっかけになってることは間違いないと思います。
人間は放っておくと、ないはずの境界を認知のバイアスで作っていきます。国境のようにいつの間にか境界が当たり前になってしまう。 猪子寿之