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子供の柔道に求めるもの



 柔道は競技スポーツになった時点で、勝利第一主義に陥ってしまっています。試合に勝つこと、強いこと、オリンピックの金メダル。自分の娘に対して、こう言うことは全く期待していません。大体ひ弱な娘ちゃんにこんなこと無理です。ですが武道や柔道に中に内在する精神性、これには触れて欲しいと思っています。
 礼儀。他者や柔道に対する敬意。柔道場に入る時一礼。道場に対する神聖性、自分を高める場への敬意。稽古の前と終わりには正座をし、正面に、そしてお互いに礼。正面には先達や嘉納先生、さらに古くは戦場で命を落としつつも柔術の発展に尽くした先輩たちへの礼。お互い礼は、この時共に汗を流し高めあったな仲間への礼。山下泰裕先生が言った言葉「柔道では相手は敵ではない、自分を高めてくれる仲間、パートナーだ」と。
 謙虚。強くても驕らず、謙虚に稽古に励むこと。柔道は世界化する過程で、ここが軽視されてきてしまったけど、そもそも武道はこの辺りを重視してる。世界化を拒み、日本の精神性を手放さなかった一部の武道は、例えば試合に勝ってその後ガッツポーズなどしようものなら、その場で退場です。昨今の世界の格闘技は中指を立てたたり、相手を挑発する態度が当たり前になっているけど、僕は嫌いです。
 受け身。これは自分を守る技。怪我をしない、自分へのダメージを最小限にする。決定的(社会生活や柔道ができなくなるような)な損傷を負わない。もう立ち上がれないような、今後も闘えないような傷を負ってしまってはダメだ。これは人生でも言えること。それを体で体現するのが受け身。僕は過去に交通事故や山での滑落で、受け身のおかげで助かったこと、しかもほぼ無傷で済んだことがあります。受け身のおかげです。
 僕が柔道から学んだ最大のことは、必勝の法則。それは・・、決定的(死んだり障害を負う)な負け方をしなければ、次のチャンスがある。ずっと戦い続ければいい。そうすればまぐれで勝てる時がいつか来るかもしれない。その時は必ず来る。挑戦を持続させることが勝利の法則と柔道から学びました。だからずっと気楽にやってきましたが、これがいいように思ってます。
 娘ちゃんにも柔道に触れ、何かを感じ取ってもらえればと小さな期待を持っています。

道は人間形成の中でゴールがない 谷亮子

 


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