goo blog サービス終了のお知らせ 

jogo式Canoe Life

読書



 日本では、「オッペンハイマー」、「マンハッタン計画」と聞いただけで萎縮し、忌み嫌われているように感じる。でも、オッペンハイマーがどんな人物で、マンハッタン計画とはどのようなものだったか、そしてどうやって目的(原爆作成)を遂行していったのか、正確に知っている人は少ないだろう。僕もその一人だった。
 原爆や原発について断片的な情報は知識として知っていたけど、それが1つ1つが繋がっていなかった。この本(上下巻800ページ)を読んで、かなり知識同士が繋がって、頭の中で構造化できたように思う。物理学の世界のイギリスードイツーロシアーアメリカの関係やポジショニング。フリーマンダイソンやアインシュタイン、湯川先生や朝永先生がどうかかわるか。広島と長崎に投下された原爆は、ほとんど未実験で不発の可能性だって十分にあったこと(原爆の実験はたった1回、ニューメキシコのトリニティでしか行われてなかった)。原爆にも2種類(プルトニウム型とウラン型)あり、広島長崎には、この別々の2種類が投下されたこと(ほとんど実験だったとも考えていいのか?)。
 また、若き研究者として見いだされ、原爆の研究所、ロスアラモスの所長に抜擢され、そこで卓越したリーダーシップを発揮。わずか3年強で原爆を作ってしまった。しかし後年、倫理的、政策的考えから「水爆」の作製に反対。これをきっかけに研究や国の兵器研究から完全に外されるという波乱万丈の人生。
 僕はこの本を、優れた1リーダーの人生記として読みました。天才的リーダーはどのような環境で育ち、成長し、成熟するのか。危機をどう戦い。乗り越えるのか。しかし、天才の末路は厳しい。そして家庭も犠牲にする。その悲惨さ、悲しさ。。
 とても読み応えのある1冊でした。

主主義の世の中ですが、決定的な瞬間に多数決をとっている暇はありません。 久慈未穂
 
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「書籍 映画 テレビ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事