jogo式Canoe Life

台所篭り

 シカトロシーズンが始まり、2-3時間、台所を占有することが多くなった。魚を捌き、シンプルだけど手の込んだ料理を作ることが多い。
 以前はアウトドア料理だからなんていって、よく言えば大胆、悪く言えば手抜きで時間のかからないものを作ってた。ある時、図書館で、老舗料亭の料理長先生が書いた本を手に取り、感動。これで、心が変わりました。
 例えば、刺身。シンプルだけど、本気で作ったら、本当に手がかかる。なるべく捨てる部分も少なくして、魚の命をもらうのだから感謝しながら、丁寧に丁寧に手をかける。いわく「刺身は生きています」「しめ鯖は干物ではありません」など、目がぱっと開くような一文がちりばめられていて、いい加減な料理がきなくなった。
 以前はめんどくさいと思うこともあった魚の処理が、楽しくなってきた。そして、台所が居心地のいい場に。FM放送を聴きながら、待ち時間は好きな本を読んだり、思索にふけったり。リラックスできる場所になってきたのだ。
 便利であること、無臭で清潔で安全であること、時間がかかないこと、こういったことに慣れすぎると、気が付かないうちに失っているものもあるかもしれない。僕はちょっと不便、ちょっと面倒くさいを楽しみたいと思う。
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