洋書で英会話

100冊以上読んできた経験と知識をもとに、英語の小説や雑誌、実用書などから、すぐに使える素敵な表現や文法をご紹介します。

loud? loudly?

2015年09月24日 | 英語表現

今回は少し前にご紹介したWonder ( R.J.Palacio著)の引用文の

補足をお届けします。

 

まず始めにどんな表現だったかの復習を♪

 

自己紹介の時に口ごもってしまったAugustが

先生に「もっと大きい声で」と言われたことを話しているシーン

~今回は先生の言葉の部分から引用します♪~

 

 "Can you speak up, honey?" said Ms. Petosa.

「もう少し大きな声で話せるかしら。」とペトサ先生が言った。

※「~先生」と呼ぶためにteacher が使われることはありませんので

ご注意を!!Mr. Mrs. Ms. が「先生」の意味を表します。

 

"My name is August," I said louder, forcing myself to look up.

(※forcing などの用法については

Is that it? それだけ?(Sushi&Beyondより)を参照してください。)

 

まず、新しく引用した先生の言葉の部分の解説から~

speak up でここでは「大きな声で話す」という意味です。

up だから 反対語はspeak down?と思いたいですが、

speak down は「へりくだって話す」や

speak down to +人 で

「(人)に対して偉ぶって話す」という、

また別の意味になりますのでご注意を!

 

speak up には「自分の意見を話す」という意味もありますが、

ここでは「大きな声で話す」という意味で解釈します。

そうなる理由は

引用文の前の部分の文脈が関わっています。

 

先生のこの言葉の前にはどのような場面があるか

少し遡ってさらに引用してみます。

 

"My name is August," I said, and yeah, 

I kind of mumbled it.

(※kind of は 「どちらかというと」 

mumbleは「口ごもる」というような意味です。

まとめると:

(「僕の名前はオーガストです。」と僕は言った、そして、そう、

ちょっと口ごもりながら言ってしまった。)

 

"What?" said someone.

(「何て(言ったの)?」と誰かが言った)

 

この後にくるのが

先ほど紹介した先生の言葉、

"Can you speak up, honey?" です。

 

ここでもし「自分の意見を言ってちょうだい」と解釈してしまったら・・・

生徒たちが順番に自己紹介をしているシーンなのに、

急に意見の話になったら、文脈から外れてしまって、

何の話かよくわからないことになってしまいますよね!

流れから考えて、

「もうちょっと大きい声で」となるほうが絶対に自然です。

 

知らない単語が気になってその意味を調べる場合にも

前後の文脈は大事です♪ 

 

 

今回は声のボリュームに関する表現で使われている

loudについても少しだけ補足します。

【どのように】話すか、は

動作の説明にあたりますので、副詞が担当します。

loudは一見すると形容詞として捉えてしまいそうになりますが、

副詞としても使うことができる単語ですので、

口語的な使用法ですが、

louderと比較の形にすると「より大きな声で」と

【どんな風に】言ったのかを伝えることができます。

 

もとから副詞の形をしているloudの類語のloudlyは

loudと同じく「大きな声(音)で」という意味を伝える単語です。

この二つの単語、使用法はほとんど同じですが、

話言葉ではカジュアルな表現として loudがよく使われます。 loudlyは丁寧な表現に使われます。

 

ちなみに「小さな声で」という表現も色々ありますが、

よく使われる表現に

in a low voice というフレーズがあります。

しかし、やっかいなことに、

ここで「小さな」を表しているlowには

「低い」という意味もあります。

ということは、in a low voiceで

「低い声で」という意味でも解釈できます。

どちらで解釈するべきか・・・

カギは文脈にあります。

コメント
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