
■■■■■■■■■高度外国人材の時代■■■■■■■■■
■「働き手がいない」
●日本の少子高齢化は、かってないほどのスピードで進んでいる。
まず,国立社会保障人口問題研究所の人口資料を見て欲しい。
「人口動態、将来はこうなる、推計人口」
(項目) (現在) (10年後) (50年後)
(総人口) 1億2709万人 1億2254万人 8808万人
(65歳以上) 3387万人 3677万人 4529万人
(26,6%) (30,0%) (38,4%)
(15~65歳) 7728万人 7170万人 4529万人
働き手人口 (60,8%) (58,5%) (51,4%)
(0~14歳) 1595万人 1407万人 898万人
出生率 (1,45%) (1,44%)
(平均寿命) 男性 80,75歳 84,95歳
女性 86,98歳 91,35歳
●このままいくと、約40年後の2065年にはーー
・日本の総人口は,現在の12800万から8808万人に、
・15歳から65歳の現役年代人口は,7728万から 3381万に、
激減するという。
国の経済活力や、国際競争力も大きく低下すると予測される。
●当然,就労人口がへる事による税収減と、高齢者が増える事による
社会保障費の増加で、日本の国力(GDP)と活力の低下が予測され
る。加えて高齢化に伴う介護人材の深刻な不足が危惧される。
その対策として、外国人技能労働者の導入など、今までにない発想の
転換が求められている。
では,ここで法務省入国管理局が発表した在留外国人の現状を見てみよ
う。
■「在留外国人の上位10ヶ国ランキング]2016
(順位)(国名) (在留人数) (昨年対比)
1位 中国 69万5522人 4,5%増
2位 韓国 45万3096人 1,0%減
3位 フイリピン 24万3662人 6,1%増
4位 ベトナム 19万9990人 36,1%増
5位 ブラジル 18万0923人 4,3%増
6位 ネパール 6万7470人 23,2%増
7位 米国 5万2768人 8,3%増
9位 ペルー 4万7740人
10位 タイ 4万7647人 5,0%増 ●
以降 その他 34万0299人 9,9%増
●現在日本に居移する外国人数は、288万2822人、
この1年で、15万633人増加「した。
年間で増えた外国人の数はーーーー
・2013年 3万2789人
・2014年 5万2789人
・2015年 11万0358人
ますます増加の傾向にある。
●日本の人口を安定さすためには、年間約20万人の外国人を受け入れ
るべしという意見もある。そうすると足元2%の外国人比率が、50年
には6%、2100年には13%に高まる。それにより、税や社会保障制度
の安定性は、グンと増すという。
しかし 政府は、当面、欧州の様な移民政策はとらない方針だ。
それは保守的な世論の大勢や、日本の雇用が、移民を許さないと見て
いるからだ。
●私どもの知る限りでは、都心のコンビニの従業員は、ほとんど外国
人女性である。近隣のファミリマートの経営者に聞いたところ、新聞
の案内求人広告や、掲出広告では、応募者は、ほぼ集まらないという。
致し方なく前にいた外国人従業員の紹介などで、採用しているという。
●景気指標である「平均有効求人倍率」は2,59、空前のスコアで
ある。総じてどの業界でも応募者が少なく求人が多いという人手不足
である、当然の事コンビニでは、中国や韓国など、外国人滞在子女が、
店頭に立つということになる。
●いま総じて人不足と言われているが、私ども生活者の至近に目につ
くのは、新聞を賑わす宅配便の人たちや、介護士の事である。しかし
被災地の復興や都市の復旧にに当たる建設現場の技能者の人たちも、
全く足らない状態らしい。
しかもこれは、一時的なことではなく、慢性的な現象だという。
■「求む 高度外国人」
●そこで日本政府は、高度外国人材を導入するための検討を始めた。
いままで頑なに純血主義を守ってきた政府としては、相当の革新と
言える。
その概要は、まず「専門的な技能や優れた経営手腕]を持った期待の外
国人を対象に門戸を解放したいという
・「高度な専門的な技術活動」
・「高度学術研究活動」
・「高度経営、管理活動」
である、
●学歴、職歴、年収などのポイントを設定し合計70点に達したら高度
人材と認定して優遇処置を受けられるようにする。高度人材の認定
偶者も働きやすくなる、
●特に永住許可は、原則10年の在留が必要だが、高度人材は(5年の
滞在で認める。さらに、法務省は3年の短縮化を検討中で、特に80点
以上の外国人には、世界最速の居住1年での永住資格の資格申請を認
める。
●従来までの「高度外国人材」と認定した件数、累計は6298人(16年)
政府は、来る20年までに1万人の目標を設定しているという。
■「高度人材ポイント制」 (高度学術研究分野の事例)
・(学歴) 博士号30点 修士号20点
・(職歴) 7年15点 5年10点 3年5点
・(年齢) 29歳15点 30~34歳10点 35歳~39歳5点
・(年収)7~800万円25点 6~700万円20点 5~600万円15点
・(加算)研究実績20点以上の合計点数で認定される.
■「日本で働く高度外国人材の就業実情」2016
(順位) (職種) (就業人数) (昨対増減)
1位 ●外国語教師、IT技師 15万4021人 39%
2位 ●外国料理の調理師 3万8600人 22%
3位 ●会社社長 2万0772人 71%
4位 ●小中高の教師 1万0772人 7%
5位 ●大学 教授 7666人 -2%
6位 ●宣教師、僧侶 4359人 6%
7位 ●演奏家 舞踏家 2077人 -67%
8位 ●研究所 研究員 1616人 -23%
9位 ●日本の資格を持つ医師 1340人 32%
10位 ●報道記者 キャメラマン 233人 3%
11位 ●日本の資格を持つ弁護士 147人 -13%
(出所 法務省在留外国人統計2016)
●マッキンゼー社によると、製造業や農業など人手や人力を要する仕
事は、これからはほぼ50%ロボットが、代行する時代がやつて来ると
いう。ただ、意思決定や創造的な仕事は、高度な人材の導入か、育成
が不可欠という。
高度な人工知能(AI)ロボットの登場で、日本の仕事の5割は代替
えできる時代がちかじか来るというが,それが何時なのかが定かでな
いだけに、当面は高度外国人材の獲得が、大きな課題とされる
●聞くところではアジアを主体に、優秀な人材の争奪戦が始まって
いるという。タイやインドの「高度人材」を韓国の企業が触手を伸ば
していると聞く。日本としても高度外国人のために「働きやすい環境」
をいち早く整えるか、また語学検定など在留資格を取りやすくするか、
早急な取り組みが求められる。
■「小説 [団塊の世代]の明察」
●40年前、堺屋太一さんは小説「団塊の世代」で、団塊世代の人た
ちが定年を迎える日本を予測して大胆な仮説を立て、大きな話題を
呼んだ。それによると、日本経済は好景気を保つが、20世紀末には
成熟化で少子高齢化が到来、日本の国家財政は,社会保障で破綻する
時が来ると警告した。
●にもかかわらず当時の政府の専門家筋は、逆に日本経済は大きく
伸びて人口過剰になると判断した。そして郊外団地を開発し 地方か
ら都会を目指す多くの団塊世代を受け入れてきた。
団塊世代が高齢化した今、全国的に子供のいない 郊外の住宅団地が
増え、疲弊した郊外団地が空虚な姿をされしている。 政府の大きな
誤算が明確になってきた。まさしく堺屋さんの予言が的中し、再び
注目を浴びている所以である。
●わずか40年で、日本のが逆行する。しかも科学の進歩で 人の仕事
さえ,そのあり方が変わってくる。「当たり前」が、変わる時が来た。
どちらにしても労力の時代から知力の時代へ、大きくシフトする事は
確かな様だ。
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