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寛容

 「世界大百科事典 第2版」によれば、

 寛容【かんよう toleration】
寛容とは、広義には、自己の信条とは異なる他人の思想・信条や行動を許容し、また自己の思想や信条を外的な力を用いて強制しないことを意味する。しかし、思想史に即して考えれば,それらが社会的にとくに問題になるのは宗教および政治の局面においてであり、しかもこれら二つの局面は深くかかわりあっていることによって、寛容は政治的・社会的自由の源流となった。

【宗教的寛容】
 異なった宗教・宗派を容認するという意味での寛容の概念が、ヨーロッパの思想史上にはじめて登場したのは、ストア哲学のヒューマニズムにおいてであろう。

 「寛容」という言葉が、宗教と深く結びついているのを初めて知った。より詳しい記述は次のよう。(「日本大百科全書(ニッポニカ)の解説)

「寛容(かんよう) tolerantiaラテン語
 特定の宗教、宗派やその信仰内容・形式を絶対視して他を排除することなく、異なった立場をも容認すること。寛容される側からすれば信教の自由に相当する。寛容は単に個人の徳目(心の広さ)ではなく、むしろ社会的な次元にかかわり、宗教と政治ないし国家との接点で生じてくる問題である。歴史上、寛容もその反対の非寛容も多くの実例があるが、一般に同一の社会(地域)内に複数の宗教が並存するようなところでは寛容の傾向が強く、いずれかの宗教が優位にある場合、非寛容への条件が与えられているといえよう。アジア地域では概して異宗教が共存することが多く、寛容が通例であった。これに対し、古代ローマ帝国の遺産を受けて成立した中世以後の西欧では、キリスト教会が唯一の正当性を主張し、異端や異教徒への非寛容が続いた。西欧において近代的な寛容(信教自由)の原則が定着するのは、ほぼ啓蒙(けいもう)主義の時代(18世紀)以後のことである。[田丸徳善]」
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