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白楽天山

 今年の祇園祭で白楽天山の粽を買うことができなかった妻は、その代わりにお守りを買って来てくれた。「学業成就・無病息災」のお守りである。
 そのお守りの包みに、白楽天山の謂われが書かれてあり、なかなか面白いので以下に写してみる。

「中国唐代の詩人白楽天が、道林禅師に仏法の大意を問い、道林禅師が『諸悪莫作 衆善奉行』(善いことをせよ。悪いことはするな)と、はぐらかすような答をした場面を表しています。白楽天は半ばあきれて『そんなことは3つの子も知っています』『さよう。しかし、80の老翁でも行いがたいことなのだよ』。白楽天は道林の徳に感服して帰ったといいます。この問答が山のテーマで、山上には道林禅師と白楽天が立っていますが、脇役の白楽天が山の名になっているのが特徴です」

 もうちょっと上手く書き表したらもっと心を打つ場面だと思うが、それでも十分深く感じ入ることのできる問答だ。

 ちなみに探したら3年前に私が行った祇園祭で撮った写真の中に白楽天山があったので、貼っておく。



 後ろ姿なのが残念・・。
 
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ぼっちゃん刈り

 「ぼっちゃん刈り、なめんなよ!」
バスの中で、ぼっちゃん刈りの同級生を「昭和の臭いがする」などと生意気なことを言っていた小学生を一喝したら、
 「なんで?」
と聞き返された。
 「それは、俺が小さい頃はぼっちゃん刈りだったからだ」
と碌でもない理由を言ったところ、
 「えええっ、塾長もぼっちゃん刈りだったの?」
 「そうだ、俺が子供の頃はぼっちゃん刈りばっかだった」
 「そうなの?」
 「そう。その頃の俺の写真見せてやろうか」
 「見たい、見たい」
とはしゃぎだしたから、
 「分かった。探して見つかったら見せる。可愛いから驚くぞ」
 「はははは、うそだあ」
 「嘘の分けないだろう。絶対見せてやるから」
とは言ったものの、一年ほど前に伯母から貰った古い写真のカラーコピー、どこに行ったことやら・・。確か塾舎のどこかにしまったはずだが・・。どこだったっけ・・。
 ちょっと探してみたけれど、見つからなかったので、「まあ、いいや。そのうち出てくるだろう」と諦めかけていたところ、一昨日突然見つかった。かなり色褪せてはいるが、カラー写真。


 ぼっちゃん刈りにベレー帽被ったスーツ姿。ネクタイまで締めている。手に持っている物を見ると、七五三のときの写真か・・。よく見ると、左足のズボンの裾がまくれ上がっているのは何故だろう・・。今から50年も前の写真か・・。きっと母は側にいただろうが、とうに亡くなっているので、どこで写した写真なのか訊ねる人がいない。それどころか、ぼっちゃん刈りの少年が本当に私なのか、定かではない・・。でも、伯母が私だと言ってくれたのだから、きっとそうなのだろう。

 「ぼっちゃん刈り、なめんなよ!!」
同じセリフを吐きながら、小学生に写真を見せたら、大爆笑!!!!
いくら中入試の息抜きにいいかも、と思って休憩時間に見せたと言っても、ちょっと笑いすぎじゃない? 
 「どうだ、可愛いだろう?」
と訊いたら、またまた大爆笑・・。本当に失礼な奴らだ。

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「赤い糸」

 NHKラジオの「ことばおじさんの気になることば」がいつの間にか「ことばの宝船」に変わって、「ことばおじさん」の梅津正樹アナウンサーも「ことばのご隠居」という杉原満アナウンサーに変わっていた。だが、「ことばのご隠居」が、語尾だけご隠居さんらしくしているのが変な感じがして、前の方が良かったぞ、と思うことがとくあって、途中でスイッチを切ってしまったことも度々だった。
 ところが、昨日は話の内容が面白くて、初めて最後まで聞いてしまった。それは、男女を結ぶ「赤い糸」にまつわるもので、西洋の言い伝えだとばかり思っていた「赤い糸」伝説の発祥の地が、中国もしくは日本だという内容で、「運命の赤い糸」など信じていない私でも、ついつい聞き入ってしまった。以下にその概略を、NHKのHPから引用してみる。

「赤い糸」の由来
「運命の赤い糸」と言いますが、この由来ご存じですか?"赤い糸"は、中国や日本の伝説から生まれたようです。まず、中国の故事の「月下老人」。中国・唐の時代、韋固(いこ)という青年が旅の途中、月光の下で本を読む老人に出会った。老人は、大袋に寄り掛かり、傍らには赤い縄が見えた。青年が「赤い縄は何に使うのか」尋ねると、老人は「夫婦となる男女の足を繋ぐもの。私が一度繋げば夫婦の縁は変わらない」と答えた。そこで、青年は、自分の相手について聞いてみた。老人は「老婆が抱いている3歳の女の子だ」と言った。青年は、まさかと思ったが、その後、ことごとく縁談は破談になり、十数年後にやっと美しい娘と結婚した。その相手は、老婆が抱いていた女の子だったという話。ここから「月下老人=男女の仲を取り持つ人・仲人」ということばもできました。ただ、中国の話は、「赤い縄を足に繋ぐ」。日本では、「赤い糸が小指に結ばれている」とされます。伝承されるうちに変わったとも考えられていますが、日本の「古事記(三輪山伝説)」にも関係がありそうなのです。あるところに大層美しい娘がいて、夜毎に通う身なりの立派な男がいた。そのうち、娘は身ごもり、両親が尋ねると、相手の素性を知らないという。そこで、部屋に赤土をまき、男の着物の裾に糸を通した針を刺した。翌日、糸を辿ると、遠く神の社まで続いていた。ここから、男が神の化身であることが分かったという話。この時、赤く染まった糸が繋がっていたので「赤い糸で結ばれる」と言われるようになったとの説もあります。いずれにしても、千年以上前の伝説からできたことばが今も使われているのです。

 私の赤い糸は妻に結びつけられていたのだろうか。妻のことは小学生の頃通っていた塾で初めて知った。それから高校3年になるまでさほど気にもしたことがなかったが、ある日突然気になり出して、電話をしてつきあい始めた。今改めて振り返ってみると、唐突だったようにも思えるから、それは赤い糸で結ばれた二人の運命だったのかもしれない。
 などと、昔話をしたくなったのも、「赤い糸」のなせる業かもしれない・・。 
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小野道風

 「"おのどうふう"ってどんな人?」
高3生の女の子が訊いてきた。
 「おの?どうふう?」
 「みちかぜかも・・」
 「みちかぜ?・・・、ああ、"おののとうふう"のことか。」
 「そうかも・・、三蹟って書いてあるけど・・」
 「藤原佐理、藤原行成と小野道風で三蹟・・。でも、小野道風を知らないの?本当に?」

 「三蹟」という歴史的人物であることは知らないにしても、愛知県の出自と言われている小野道風はこの近辺の人間なら誰でも知っているものだと思っていただけにびっくりした。
 「それじゃあ、小野道風とカエルの話も知らないの?」
 「何、それ?」
 「道徳の時間に習わなかった?」
 「知らないよ、そんなの・・」

 そこで私の記憶に残っている逸話をかいつまんで話してみた。私のあやふやな記憶ではピンとこないかもしれないので、ネット上でオリジナル版らしきものを見つけてきた。

 「ヤナギニ 蛙」
昔、ヲノノタウフウトイウ 人ガ アリマシタ。
小サイ 時カラ ジノケイコヲシテ ヰマシタガ 思フヤウニ ウマク カケナイノデ 、ヤメテシマハウカト 思ヒマシタ。
アル 雨ノ日ニ タウフウガ、庭ニ オリテ 池ノ ソバヲ 見ルト、 一ピキノ 蛙ガ シダレヤナギノ 枝ニ トビツカウトシテ ヰマシタ。
トンデハ 落チ、 トンデハ 落チ 何ベンモ クリカエシテ ヰマス。
トウトウ ヤナギノ 枝ニ トビツキマシタ。
タウフウハ コレヲ 見テ、コンキヨクスレバ、ナニゴトモ デキナイ コトハナイト 気ガ ツキマシタ。
タウフウハ、ソレカライッシンニ ジヲ ナライマシタ。
ズンズン ウマク ナッテ、ナダカイ カキテト ナリマシタ。

 昭和16年2月の文部省発行の教材『ヨイコドモ』の下巻にあり、2年生が使用したと言われている。「倦まず弛まず、根気強く努力することの重要性を説いている」典型的なお話だ。小野道風ほどの世に知れた能書家でも、懸命に努力して地位を築いたんだな、と子どもたちが分かってくれることを願って採用されたのだろう。
 私も小学校の頃、大嫌いな道徳の時間で読んだように思う。が、その時は、「花札のあの絵のことか・・」としか思わなかったような気がする。


 きちんとこの物語の趣旨を理解していたら、今頃もう少しまともな人間になっていたかもしれない、と些か後悔の念が浮かんでくる。
 だが、小野道風の知名度の低さには驚いた。他の塾生たち、小学生から高校生まで何人かに訊いてみたが、一人も知らなかった。不思議で仕方なかったが、これだけ今の子どもたちがこの話を知らないと言うことは、努力の大切さを説く題材として彼とカエルの話は使われていない、と言うことなのだろう。
 今では、花札なんてものを知っている子どもたちもあまりいないだろうから、この先小野道風に光が当たることはないように思う。少し残念な話だが、偉人にも流行り廃りがあるようだ・・。

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Kent

 一応、塾長と公言している手前、最低限の身だしなみは整えなければならない。と言っても、堅苦しいことの嫌いな私であるから、ネクタイなどは締めずにワイシャツとジャケットといういで立ちで毎日塾長を務めている。しかし、ジャケットと言ってもUNIQLO だし、ワイシャツも形状安定シャツとかいう形のくずれにくい、一枚2,000円くらいの安物を着古しているだけだが、さすがに着崩れし出すと、買い換えないわけにはいかない。そんなシャツが多くなったため、先日、隣の市にあるイトーヨーカ堂へ買いに行ってきた。
 私にとっては普段着のようなものなので、シャツの色や柄などまったく気にしていない。ただ白っぽければそれでいい、くらいの感じで選んでみたのだが、タグを見てびっくり!!何と「Kent」とある。

 

 「Kent」と言えば、私が中学生の頃は一大ブランドだった VAN JACKET の兄弟ブランドで、VAN よりもワンランク上の服を扱っていたはずだ。VAN でさえ簡単には買えない頃だったので、Kent は私にとって憧れのブランドだった。それだけに、高校に入学して通学用に Kent のステンカラーのコートを買った時には、まさに天にも昇るくらい嬉しくて、毎日自慢げに着ていったのを覚えている。
そう、このコート・・。


 要するに、アイビーとかトラッドとか、流行りものに敏感だった頃の私にとって、Kent は神のようなブランドであった、と言っても決して過言ではないだろう。それなのに・・。
 このシャツは皆定価が2,990円、これでも「何でこんなに安いの?」と唸ってしまうが、イトーヨーカ堂の売値は1,990円、もうこれは安いとか高いとかいう次元を超えて、Kent を崇め奉っていた私にとっては屈辱的な値段である。どういう経緯でこんな安売りブランドになってしまったかは、VAN JACKET の HPにその一端が書かれているが、何故そこまでしなければならなったのか、悔しささえ感じるほどである・・。
 企業の興亡など日常茶飯事で驚くことではないかもしれない。しかし、若かった頃に憧れていた物に、あまりに無残な姿で再会すると、一企業の浮沈というより、ピカピカだった頃の自分を否定されたようで、悲しくも辛くもある。いくら売れないからと言って、己の築き上げてきたイメージをズタズタにしてしまうような暴挙だけはして欲しくなかった。こんな形で Kent というブランド名を残すよりも、スパっと捨てて欲しかった・・。
 私の勝手な思い入れなのは十分わかっているが、それでもやっぱり残念すぎる・・。


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キミの名は?

 これは何だ?


 竹皮細工の一種なんだろうか?塾舎の物置きで見つけた。そう言えば昔これでよく遊んだものだ。
 今の子供は見たことがあるのだろうか?

 一人の女子高生に「これ知ってる?」とたずねてみた。「何、これ?」やはり知らないようだ。じゃあ、教えてやろうと思って、「この中に小指を入れてみてくれ」と頼んだところ、「いいよ」と気軽に引き受けてくれた。



 私がもう一方の端を持ち、ぐっと引っ張った。「指を抜いてみて」と言いながらも引っ張り続けていると、「抜けない!!」と女子高生が困ったように言った。


 「抜けないだろう」と、私は自慢気に言ってみたものの、ただそれだけのこと、これ以上は何もない・・。
 要するに、指を入れた相手が指が抜けなくなって、少しばかり困る、というのを楽しむためものなのだ。本当にそれだけの物。今だったら、小学生でも欲しいと思わないようなものだが、昔はこれが「バカ受けグッズ」だったように思う。その片鱗は確かに見受けられた。女子高生の他にも、何人かの指を挟んでやったら、皆ちょっとは驚いた顔をしてくれたので、まだまだイケるかも、と私としてはまんざらでもなかった・・。
 しかし、どうして指が抜けないんだろう。細かく見てみたら、少しその構造の妙が分かった。上の写真でも分かるように、指を入れただけの状態では、竹皮の編み込みに少しゆとりがあって、隙間も見える。だが、端を引っ張ると、編み込みの部分がきゅっと締め付けられて隙間がなくなり、中の指に密着して締め上げる。と言っても指には痛みなど走ったりはしない。ただ軽く締め付け感がするだけだ。これだけで指が外せなくなるのだから、不思議な気もする・・。
 ではいったい何という名前の物なのだろう。少し検索してみたが、それらしきものは見つからなかった。もう過去の遺物なのかもしれない。でも、呼び名がなくては色々不便だ。ならばいっそのこと、自分で命名してやろうと思って、いくつか考えてみた。
 「抜けん蛇ろう!!」
 「スネークフィンガー」
 「指、食べちゃうぞ!!」
 「UBバスター」
 「指切り、御免」
うまくないなあ・・。
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フランス語

 毎晩、塾生をバスで送っていくと最後は11時半近くになる。それから家に帰ろうとするのだが、ホッとした気持ちでラジオを点けると、NHK教育ではフランス語講座が始まる。私は大学でフランス文学を専攻した者であるから、一応フランス語は読めるはずなのだが、ラジオ講座を聞いているとまるで分からない。もともと耳が悪いからリスニングは得意ではない、などと自分に言い訳してみたりしても空しくなるほど、フランス語を忘れてしまっている。いくらなんでもこれでは情けない・・、とラジオ講座を聞くたびに思う。だが、塾に着いて、家に帰るともう完全に忘れてしまっていて、翌日になるとまたラジオを聞いて、がっかりする、ということを繰り返してきた。
 しかし、今日はどうしてだか、家に帰ってもフランス語をもう一度勉強しなおさねば、などと向学の志に火がついたようで、自室の奥にしまいこんであった大学で使ったフランス語の教科書を引っ張り出してきた。これを少しずつ写していって、フランス語の基礎をもう一度身につけよう、と思ったのだが、今さら鉛筆を使ってノートに書き込んでいくのも面倒だから、PCに入力していった方が今の私には勉強が続けられるような気がする。時にはこのブログで勉強の成果を書き込んだりするのも励みになるかな、と虫のいいことも考えた。
 で、実際に教科書の最初のレッスンから写し始めようとした。しかし・・、

 LESSON は当然英語であって、フランス語ではLEÇON と表記するのだが、その「Ç」をどうやったら入力できるのかが分からない(今はコピペしてみた)。他にも「é」や「à」・「û」などの入力方法も判らない。これではきちんとしたフランス語の文章を書き表すことができない・・。困った・・。
 だが、困った時にはやはり Google。検索したら思った通りに見つかった。そこで以下にその手順を書き写してみる。

 「Windowsでのフランス語アクサンの入力方法」
1.フランス語を入力できるモードの設定(PCにより画面の表示が違うようなので、あくまでも参考程度・・)
 手順1:「スタート」をクリックして、「設定」を選択。
 手順2:さらに「コントロールパネル」を開く。
 手順3:「キーボード」のアイコンをダブルクリックで開く。
 手順4:開いたウィンドウの左上にある「言語」のタグをクリック。
 手順5:言語を示す欄に、おそらく「日本語」しか表示されていないと思います。そこで、「追加」のボタンを押します。
 手順6:小さなウィンドウが開いて、日本語と表示されている欄の右の▼ボタンをクリックします。プルダウンしていくと、いろいろな言語が出てきます。
 手順7:「フランス語(カナダ)」を選択することをお勧めします。
  (理由)「フランス語(標準)」はキー配列がフランス式に設定されてしまうので、JIS配列キーボードが生かされません。
  (注意)これは便利だというのでいろんな言語をさまざま追加してしまわないこと。次に述べるような「言語の切り替え」操作は設定された操作をするごとに、設定言語が順番に切り替わっていくので、たとえば5ヶ国後設定してしまうと、日本語からフランス語、フランス語から日本語への切り替えに5回のキー操作をその都度行なわなくてはならなくなりますから、大変です。
 手順8:「OK」ボタンを押すと、手順5の画面になって、日本語とフランス語がともに選択されていることが示されます。
 手順9:その画面の下にある「言語の切り替え」のチェックボタンを設定します。これは「Alt+シフト」あるいは「Ctrl+シフト」いずれか、自分の使いやすいほうを選択してください。
 手順10:最後に「OK]ボタンを押して完了。
 (確認)ワープロソフトを立ち上げてみてください。手順9で設定したキー操作をすると、あら不思議、画面右下の入力モード表示が「Fr」に変わりましたね。同じ操作をすると、今度はもとの日本語モードに切り替わります。

2.アクサン入力の実際
 もちろんJIS配列の標準キー操作は生きていますから、フランス語特殊記号を入力する場合の方法についてのみ、説明します。(フランス語入力モードになっていることを再確認!)*表中「+」というのは「押しながら」の意

「é」・・・・・右下の「め」のキー
「à, è, ù」・・右側にある「け」を押してから各母音字のキーを押す
「â, ê, î, ô, û」・・「@」のキーを押してから各母音字のキーを押す
「ë, ï, ü」・・・・・「シフト」+「 [ 」のキーを押した後、各母音字を押す
「ç(小文字)」・・・「 [ 」のキーを押してから「c」のキーを押す
「Ç(大文字)」・・・「 [ 」のキーを押してから「シフト」+「c」のキーを押す
「'(アポストロフ)」・・「シフト」+「ね」
「oe の合字」 残念ながらWordでは「記号と特殊文字」から選択するしかありません。

 なんとか指示通りにできたようなので、LEÇON 1 を以下に写してみる。

   Ⅰ
― Bonjour, Monsieur. Comment allez-vous?
― Très bien, merci; et vous?
― Pas mal, merci.

― Au revoir, Monsieur.
― A bientôt, Madame.

   Ⅱ
― Qui est-ce?
― C'est Paul.

― Qui est-ce?
― C'est Jacqueline.


Qu'est-ce que c'est?
― C'est un citron.

Qu'est-ce que c'est?
― C'est une orange.

Qu'est-ce que c'est?
― Ce sont des cerises.

  Ⅳ
Où est Henri?
― Il est à Paris.

Où est Jeanne?
― Elle est à Marseille.


今日はここまで。あ~~あ、疲れた・・。
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夏の思い出

 夏期講習は無事完了したが、息をつく暇もなく、新学期が始まった。とは言え、午前中から授業をする必要はなくなったため、時間に余裕が少しはできた。そこでこの夏の一番の思い出、家族で出掛けた旅行の写真をデジブックにまとめてみようと思う。
 ひょっとしたら家族4人で旅行するなんてことはこれが最後になってしまうかもしれないから、その思い出をあだやおろそかにしたくはない。なんだかとりとめもなく撮りまくった写真だが、私にとっては一枚一枚が大切な思い出につながるものだ。そんなことを考えていると少しばかり切なくなってしまうが、いつかこの旅行のことを思い出したときにいつでも見られるようにしておこう・・。

















 何とか完成・・。2GBのSDカードだからいくらでも撮れる。途中何度か電池がなくなって困ってしまったが、充電したり、電池を売店で買ったりして結局こんなに撮ってしまった。我ながら少々呆れる。だが、これだけ雄大な景観を前にしたら、どうしたって気持ちが高揚する。できたら、もう一度行きたいなあ・・。
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詩仙堂

 京都に4年住んでいた(大学には5年籍を置いていたけれど)時に行った場所で、もう一度行くとしたならどこへ行く?
 そう聞かれたら、私は「詩仙堂」と答える。JR東海・京都キャンペーンポスターの写真と文を集めた「そうだ 京都、行こう」(淡交社)の中で、詩仙堂はこう書かれている。

                「ある日突然、
                戦うのがイヤになりました。
                花や虫たちと、
                暮らすことにしました」
                ・・・と戦国時代の武将、
                石川丈山はこの庭を作ったそうです。



18歳で関が原の戦いに従い、家康の信頼厚かった武将石川丈山が、その後31年間の隠遁生活を送った山荘である詩仙堂の名の由来は、日本の三十六歌仙にちなんで中国の三十六詩人を選び、彼らの肖像画を住まいに掲げたことによるという。私が訪れたのはもう30年も前のことだ。その日は、どういうわけだか訪れる人も少なく、ゆったりと居室の中に座ることができた。開け放された庭をぼんやりと眺めているうちに、私の心はゆっくりと静謐に包まれた。少しの刺激にでも敏感に反応して絶えずさざめいていた当時の私の心が、どうしてあれほどまでに安穏になれたのだろう、今もって不思議だ。瀬戸内寂聴は次のように書いている。

 詩仙堂は参詣者であふれていて、世をすねた人の隠棲の跡にしては静かさが乱されていたが、次第に人々が帰って行き、どこからともなく黄昏が滲みでてくるにつれ、漸く幽邃な世外らしい雰囲気が漂ってきた。さっきまで人々に占領されていた縁側近い座敷に坐ると、さつきの刈りこみの樹々が、低く庭の向こうにつらなり、海に向かっているような感じになる。鹿おどしが、ゆったりと鳴り、秋の終わりという感じがひしひしと黄昏の中からせまってくる。(「京の道」より)

 私が訪れたのはちょうど今頃の季節だったように思う。梅雨の合間のからっと晴れ上がった日に訪れた詩仙堂は、前夜までの雨に洗われた庭の緑が眩しく光り、思わず目を背けるほどだった。誰と行ったんだろう。一人で行くような私ではない。誰と同道したのかさえ判然としないほど時間が経ってしまった。それでもあの日の照り返しだけは、そして明鏡止水とも形容すべき己の心の穏やかさだけは、はっきりと覚えている。「もう一度あの部屋に座って、あの時の心持ちを味わいたい・・」、なぜだか最近よく思う。
 詩仙堂に行き、己の心に浮かび来るものどもがふっと消え去るまでただ端座していたい。時間の経つのも忘れて・・・。そうしたら、

     空を見てゐたら
     心が澄んで
     わいせつになつた
     蝶や蜻蛉も
     同じ按配のやうだ   高見順「扇情的な空」

この詩の心が分かるかもしれない。
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「ソクラテスの唄」

 金曜日、高校生の授業を終え生徒をバスで送っていく間に最後に残った三年生の男子生徒と話していたら、倫理の授業を聞いていると頭が痛くなると言った。「私が私であるために・・なんて先生が言い出すもんだから、訳が分からなくなって・・。今はソクラテスの思想を勉強してるんですけど」と教えてくれた。すると私の頭に、突然昔懐かしいCMソングが頭に浮かんできた。

 ♪ソ・ソ・ソクラテスかプラトンか。
  二・二・ニーチェかサルトルか。
  みんな悩んで大きくなった。♪

野坂昭如が歌っていたサントリ-ウイスキーのCMソングだ。私が大きな声で歌い出したら、「何ですか、それは?」とその高校生が聞き返した。まあ、30年以上昔のCMソングを17、8の子供が知っているわけがないから、少しばかり説明してやったが、私にしてもこの後どんな歌詞が続いているのか思い出せなかった。その辺りは適当にごまかして、「これで哲学者の名前が暗記できただろう。覚えて置いて損はないよ」などと煙に巻いてやったが、自分としては続きが思い出せないので気持ちが悪い。そこで、ネット検索をしてみたら、続きとそれに続く2番の歌詞まで分かった。

 ♪(女性 声のみ)大きいわ、大物よ。
  (野坂)俺もお前も大物だ。♪

これでは、歌詞とは言えないかもしれないが、野坂ならではの言葉だ。そして2番の歌詞は、

 ♪シェ・シェ・シェークスピアか西鶴か。
  ギョ・ギョ・ギョエテかシルレルか。
  みんな悩んで大きくなった。
  (以下同じ)♪

こちらは文学編とでも言うのだろうか、ギョエテはゲーテ、シルレルはシラーのことである。(CMの最後には「とんとんとんがらしの宙返り」というフレーズが入っていたと注釈があったが、私はまったく覚えていない。)1番の哲学編と合わせて、重要人物の名前の暗記には便利な歌だ。「デカンショ節」の、デ=デカルト、カン=カント、ショ=ショペンハウアー、よりも実用性は高いように思う。

(あれこれ検索していたら、当時このウイスキーを買うとおまけについていたグラスが今でももらえる酒屋を見つけた。「哲学グラス」。欲しい!!)

 こんなふうにCMソングがためになることも時々ある。これももう随分昔のCMで覚えている人なんていないかもしれないが、私の記憶が正しければ、「美酒爛漫」という清酒会社のCMに吉永小百合が起用されていて、彼女をメインにした画面のバックに、与謝野晶子の短歌にメロディを付けて女性が歌っているものが流れていた。

  ♪やわはだの あつきちしおに ふれもみで さびしからずや みちをとくきみ♪
   (柔肌の 熱き血潮に 触れもみで 寂しからずや 道を説く君)

その会社のHPを調べたら、吉永小百合がCMに出ていたのは昭和46年1月から昭和53年12月とあったから、たぶん私が高校生の時に何度も見たCMなのだろう。とにかく吉永小百合がきれいで、ただただため息をついていた覚えがあるが、このCMを通して与謝野晶子の密やかな熱き思いが私にも伝わったようで、それ以来彼女の短歌のいくつかが私の愛吟するものとなった。このCMがなかったら、与謝野晶子の短歌をさほど気にせずに今まで過ごしてきたかもしれない。そう思えば私にとって忘れられないCMである。  



 YouTube で検索してみたが、どちらのCMも見つからなかった。残念・・・。
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