goo

「騎士団長殺し」

 村上春樹の「騎士団長殺し」を読んだ。
 読書量がガクンと落ちた私にとって、上下1000ページを超える長編を果たして最後まで読み通せるのか少々心配ではあったが、それが杞憂に終わるほどの面白さが詰まった一作だった。

 私はハルキストなどではないが、村上春樹の書く日本語は美しいと思ってきた。平易でいて含蓄に富む。特に比喩の多様さには舌を巻くばかりだ。今作では、さらに濃密さが増し、平板な記述などどこにもない。それでいて1000ページを全く長く感じさせない、それどころかもっと読んでいたい、と感じさせるのだから、恐れ入るばかりだ。
 
 このブログをほんのたまにしか更新しなくなり、表現力が著しく衰えてしまった今の私には、これくらいの感想しか書けないのはまったくもって残念至極だ。
 
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする