1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 諺に「立つ鳥跡を濁さず」と。供養の負担を子孫に過度に掛けるから、墓を潰したり、遺骨をゴミ置き場に捨てたり、と。先人の責任大にて。

2022-05-26 07:59:30 | 法話
昨今、家の継承者の男の子がいるのに、お墓を潰したり。葬式もせず、病院から直接火葬場に遺体を持って行き、火葬場に遺骨を捨て置きしたり。火葬場からは一旦、家に遺骨を持ち帰るが、埋葬許可証を抜いて(住所氏名が記載されてるから)電車や野原、とんでもないのになると、家庭生ゴミ置き場に捨て置きしたりと。

【追伸】
上記の行為自体だけを見ると「産んで育ててもらっておきながら、親に何という仕打ちをさらすねん」となるが『そうされても仕方がない親』を含め、人がそう動くには、そう動くだけの理由がある。その1つの要因として、子供にとって負担になっているという事かな。例えば、今、わが寺では、次の様な整理をして、子供の負担を少しでも失くそうという取り組を。ある家庭の場合、両親はわが寺の納骨堂に。が、この両親の子供は2人とも女性。年忌法要の度にわが寺に足を。嫁いだ先の菩提寺の納骨堂に移骨すれば、お盆参りも、彼岸参りも、1つのお寺に足を運ぶだけで済む。「足を運ぶは、負担ではないから、2つのお寺の縁があってもいい」という子供さんもおられるが、孫さんの代になるとそうはいかない。「何で2つのお寺に足を運ばにゃならんのか」と、いつかは負担になって、親の遺骨を火葬場に置き捨てるという行為に繋がってくる。子孫にそんな親不孝をさせる事によって、命の流れに感謝の出来ない子孫が育ち、昨今の様な日本に。先に生まれた者の責任は大きい。そうさせない様にしておく事が親の役目。諺の『立つ鳥跡を濁さず』とは、そういう意味にて。因みに、もう1つ、大きな理由があるとしたら、信仰団体の増え過ぎもまた、そうかな。日本における全ての宗教法人数(神道、仏教、キリスト教、諸教)は、総数にして約18万法人。「わが宗でないと救われん」などと勧誘(信者の奪い合い)し、代々世話になってきた菩提寺を裏切らせる、という行為をさせてきた結果が、この国の今を作り上げてきたかな。宗教界の責任は、非常に大きいわな。