1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 政治家の仕事はバランスを取る事。どちらかが上がれば、どちらかは下がる。全員が納得する様な政策などはない。

2024-10-08 17:16:50 | 法話

【10月10日投稿分】

                                                           

読者の若者(10代男性、社会人)が「SNSの中で、自民党総裁選の真っ只中『誰が選ばれると思いますか』の問い掛けに、住職は『石破さんじゃないですか』と答えて、方々から『何でや、どうしてや、あんな信用出来ん人間を』と散々文句を言われてましたけど、何故、石破さんが選ばれると、そう思ったんですか、住職は」と問い掛けが。


対し、拙僧「誰になると思いますか、と問われたから、そう答えただけなんだけどな。石破さんを推しているとは、一言も言ってないんだけどな。結構『アンチ石破』さん達から反論がきたよね。『そんなに嫌われてるんだ、石破さんは』と、ほんと、驚いたよ。その辺は、まあ、いいんだけどね。自民党の総裁は、拙僧は、石破さんを本命に、高市さんか、林さんになるのかな、と予想していたけどね。そう思ったは、ちょっと話は逸れるけど、選挙の時、定期的に次の様な問い掛けを受ける事があるんだよ。『2世議員が出馬する事に、文句を付けるつもりはないんですが、親の地盤まで受け継ぐは、どう考えても不公平だと思いませんか。これから政界に打って出ようとする優秀な人間(才能ある者)を、潰す事になりかねないでしょ。親の地盤以外の場所から出馬せよ、と党がその様に規定すれば済む事ですもんね。そう思いませんか、住職は』という声が。拙僧の周りでは結構、こういう意見を持ってる人が多いんだよね」「私もそう思います」と、この読者の若者も。


続けて、拙僧「確かにそうした意見は、至極真っ当な意見だとは思うが、そう簡単な話ではないかもしれないよ。代議士を選ぶのは、地元を愛している、地元を活性化してほしい、と願う地元有権者の人達でしょ。人間は大なり小なり『自分にとって都合が良いか、悪いか。自分にとって利潤があるか、ないか』で、その是非を判断するからね。『当選後は即、力を発揮してもらわにゃ困る。我々は今現在の生活(おまんま)が大変なんだ』と思っている人達が、有権者さん達にて。『この人は初出馬(政治経験なし)だが、有能な、優秀な人材だから、長い目で育ててやってください』なんて事を言われてもくさ、『そんな悠長な事を言ってる暇はない。同じ初出馬なら、代議士の2世の方が、学力が、能力が、優秀であろうがなかろうが、蛙の子は蛙、少なくとも親の仕事(背中)を長年、身近で見てきた分だけ、政治手腕(実践)に期待が出来る』と、特に地元有力者さん達(有権者)がそう思うは、至極当然の流れにて。つまり『門前の小僧、習わぬ経を読む』という事だね。


更に続けて拙僧「確かに、君の言う様に不公平だと思うよ。が、その不公平をブチ破って、2世を蹴散らしてこそ、じゃないかな。が、2世を蹴散らして議席を勝ち取った人間も、何期か当選したら、将来は、自分にも2世というものが出来るんだけどね。この地盤問題は、政治家だけの問題ではない。地元有権者の欲も絡んでくるから、そう簡単に片付く問題ではないと思うよ。地盤を受け継いだ田中真紀子さんの例を出したら悪いが、2012年、68歳の時、田中王国と言われた新潟5区から出馬して、落選されたでしょ。親の威光があっても、大臣にまで上り詰めた人でも、落選する時は、落選する。落選の陰に何があったかは、知らないけどね。理想は、確かに一律公平だけど、その公平の土壌が確立されてない以上、ぐだぐだ文句言っても始まらん。その状況下で戦うしかない。因みに、嘗て、郵政民営化を争点に小泉純一郎元総理が、小泉チルドレンを各地の地盤に落下傘部隊として投入。83人もの新人を当選させたが、現在はその大半が姿を消したと。そう考えるとね、地元に根付くというは、そう簡単な話ではないのかな、と思うよ」と。


すると、この若者が「なるほど、そういう事か、住職が『総裁は、石破さんかな』と思った理由は。つまり消去法、それ(即戦力)だったんですね」と。対し拙僧「国内政治だけなら、どこの党がトップに立っても、誰が自民党総裁(総理)になっても、ある程度は無難に熟すだろうけど、こと、外交ばっかりは」と返すと「そうか、問題は外交ですもんね。総理になった途端、海千山千の諸国元首と対峙する事に。そう考えたら人選が、絞られるといえば、絞られますよね。だけど、石破さん、なんやらかんやらで、今、クソ味噌に叩かれてますね。聞こえてくるは、嫌味ばっかりで、聞いていてヘキヘキする。まだ、始まったばっかりだっていうのに。まるで、文句言いの人達は、日本が悪い方に向かうのを、望んでいるかの様な物言いだもんね。子供達もその様子を見てるっちゅうねん。仮に失敗したとて、日本が潰れる訳じゃあるまいし。現に、これまで誰が総理になっても、この国は潰れてないし。ほんと、しばらくの間は、黙って見とれや、と思いますよね」と。


最後に拙僧、この読者の10代若者(男性、社会人)に「歴史を見ても、もし、もう少し早く生まれていたならば、もし、信長公、秀吉公、家康公がこの世に存在していなかったならば、天下を狙えただろう武将は、何人もいただろ。また、もし、もう少し都(京都)に近い所に領土があったならば、上杉謙信公、武田信玄公は、天下人になれたやもしれん。が、この『もし』と言われるものは、残念ながら、この天下人と言われた人達以外の諸公には、与えてもらえなかった『もし』だもんね。秀吉公が『天下人は、天が決める』と言われたとか、言われなかったとか、これは、とても意味深い言葉だと思うよ。天下人には手が届かなかったものの、力ある諸大名は皆、自分の持ち場、持ち場で、それなりの成果を上げ、後世に名を残しておられるがな」と。それに対し、この若者が「という事は、この度は、石破さんに白羽の矢が立った、という事なんですね」「と、思うよ。ただ、歴史の中では『豊臣家を滅ぼす為だけに、この世に出てきた』とか『天は時折、それに相応しくない人物に、天下の流れを委ねる事がある』とか、酷い言葉を投げられた小早川秀秋公(関ヶ原で裏切り)の例も。そう言われない様に、頑張らないといけないよね、石破さんは」と。


続けて拙僧「文句を言っても、どうにもならん社会の仕組みに、文句を言ってもどうにもならん。自分に与えられた環境を、どう活かすかを考えた方がいい。関ヶ原の後、120万石から30万石に減らされた上杉家を、家老の直江兼続公は、家来の給料を一律3分の1に減らし、誰1人リストラせず、家臣(武士)に百姓をさせ、60万石まで石高を増やしたは有名な話。この時の兼続公の政策を、江戸時代中期ごろ、上杉家中興の祖と言われた上杉鷹山公がそれを手本にして、上杉家を立て直したとの事。この時、鷹山公が言われた『為せば成る。為さねば成らぬ何事も。成らぬは人の為さぬなりけり』は、あまりにも有名な言葉。世の中を自分の思い通りに作り上げたい、と思うのなら、2世がどうのこうの、地盤がどうのこうの、と妬む前に、自分がやれる事を精一杯やって、頭(トップ)を取るしかない。拙僧が若い頃にね、父(先代)から1度だけ、こんな言葉を言われた事があったんだよ。『茶の道具、あるならあるで、茶を立てよ。ないならないで、茶を立てよ』とね」「どういう意味ですか」「ここまでの拙僧との会話から、意味は自分で考えな」と。


更に続けて拙僧、この読者若者に「大正2年生まれで、多くの奉公人さんを雇っていた海沿いの、大きな庄屋の娘であった女性は、4歳の時に両親を海難事故で1度に亡くし、その歳で丁稚奉公に。その12年後、奉公先の家の息子(拙僧の爺様)と結婚を。第二次世界大戦時に満州に渡り、5人の子供を育てあげ、帰国後は、夫(拙僧の爺様)が起業した会社と、息子(拙僧の父)が住職で座るお寺をを支えた。60歳の時、長年の無理が祟って脳内出血で倒れ、左半身が不随に。医師から『2度と左半身は動かん』と言われながらも、懸命にリハビリ(わが寺の本堂を這って、お百度参り)を繰り返し、何とか歩けるまでに回復を。その後は、身体不自由な状態でお寺の炊事(法要での檀家の接待)を、他界する82の歳まで勤め上げた。これは、母親なき拙僧を育ててくれた婆様の話にて」と。


続けて拙僧「この婆様には拙僧、幼い頃から事あるごとに『博(拙僧)ちゃん、文句言い、講釈言いは、動かんと相場が決まっとるんだよ。建設的な意見を持たない、自分から動こうとはしない、ただの文句言いの文句は、雑音でしかない。特殊技能を必要とする仕事以外は、人が出来ている仕事は、必ず自分にも出来る。そこには上手、下手があるだけ。その上手、下手も、時間と周囲の支えが解決してくれる。将来、親になったら、これは覚えときな。躾(しつけ)はするものじゃないよ、躾(しつけ)は見せるものだよ。親は、まず動け、だよ』と度々拙僧に。波乱万丈の人生を歩んできた婆様の言葉だったから、拙僧にとっては、何よりも説得力があった。今日、君と会話した内容は、政界だけの話じゃない。どの分野の仕事(生き方)にも当てはまるもの。だけどくさ、君がこんな質問をぶつけてくれたお陰で、10日前に石破さんの話を書いた時の様に『石破バッシング』がまた、わっさわっさ、と拙僧のところに、やってくるんだろうな。が、しかし、バッシングする人が多いという事は、期待してる人もそれなりに、おらっしゃるという事、かもね」と。


【付録】

拙僧はこれまでに、約10年間でSNSに3000話の長短法話、また、法話の本を3冊、世に出させて頂きました。そのご縁がきっかけとなり、テレビ(約半年、週1回)、ラジオ、新聞、雑誌などや、教育委員会、学校、幼稚園、病院、老人ホーム、デイサービス、町内会老人の集い、倫理法人会、他宗寺院、葬儀斎場、社員研修などへの講演(北九州在住の拙僧が、遠方では九州南部、関西、関東、北陸、東北まで。尚、檀家は千葉県にも)にも呼んで頂き、方々で法話交流を。あらゆる話とまでは言えませんが、様々なジャンルである程度(仏教仏事系の他にも、癒し系、漫談系、人生系、目から鱗系、子育て系など)の話が出来ると思いますので、何かのお役に立ちそうでしたら、時間調整の許す限り、集いの大小問わず(参加者数人でも)足を運ばせて頂きますので、お気軽に、facebook、X、Instagram のメール(コメント欄)で、お声を掛けてくださいませ。勿論、この様なお話でいいなら、でございますが。拙僧も今年で62歳です。父親の他界年齢を基準にすれば、あと僅かに10年。これより先の残された時間は、1人でも多くの人のお役に立てれば、との思いです。『今、自分に出来る事を、今やる』ですね。


下記で拙僧の過去の法話を読む事が出来ます。興味がございましたら、是非。


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                   拙僧が持つグループ「出会うは運命、出会ってからは努力、最後は感謝」

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【追伸】尚「法話が長い」と不快感を示されておられる方々には、大変心苦しく申し訳ないので、拙僧の法話が目に入らない様に『ブロック』をさせてもらっております。楽しみにされている方々もおられますので、ご理解頂きまして、それでどうか、ご容赦くださいませ。


次回の投稿法話は、10月15日になります。