1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 人間には『忘れる』という凄い特技が。どうせ先で、忘れる、薄れる、のなら、早いうちにリセットを。

2024-10-24 11:37:42 | 法話

【10月25日投稿分】


拙僧法話読者の高校生が「住職の法話を読んでたら、住職は家庭環境ズタズタ(嫁姑戦争、親夫婦の不和、離婚、再婚など)の中で子供時代を過ごされたんですね。その環境下で最も学んだ事って、何でしたか。僕は今、住職が歩んだ同じ様な家庭環境のど真ん中で、悪戦苦闘しています」と。対し、拙僧「んっ、そうさな、最も学んだ事っていえば『リセットして、心を切り替える』という事かな。この教訓は拙僧のその後の人生に、多大な影響を与えたかな。だから、おかしな言い方に聞こえるかもしれんが、そんな環境を与えてくれた親には、感謝しとるよ」と。「リセットして切り替える、という心になった具体的なきっかけ(出来事)って、何かあったんですか」と、この読者の高校生が。


対し、拙僧「両親が離婚した9歳の時、父の弟である叔父さんが拙僧に『ヒロ(博文が拙僧の本名)よ、お前の家庭は色々、様々あって楽しそうだな。毎日が退屈しないだろ。俺の家庭なんてさ、平々凡々で何もない。退屈で、退屈で、つまらんぞ』と笑って拙僧に。言われた時は『何言ってんだ、叔父さん』と思ったが、暫く日を置いて考えると『なるほどな、そういう考え方もあるよな』と、その言葉には目から鱗が落ちたよ。その叔父(現在86歳)さんが陰で『あいつ(拙僧の事)が、可哀想過ぎる』と泣いてくれていたと、後になって聞いた時は、有り難くて胸が熱くなったよ。この事が考え方の変わる大きな分岐点なったかな」「そうなんですね。僕にもそんな叔父さんが1人いるにはいます。その様な言葉はまだもらってはないですが、事あるごとに、僕に気を遣ってくれてます」「そんな人が1人でもいるという事は、有難く、心強いよな」と。


続けて拙僧「因みに、リセットといえば、五輪柔道を三連覇(アトランタ、シドニー、アテネ)した野村忠宏さんは、試合前は国内大会であろうと、怖くて眠れなかったそうだよ。『会場が潰れてくれないかな。選手は全員、計量で落ちろ』と思ってたそうだ。じゃ、いつ気合が入るかといえば、試合会場で畳に上がる瞬間に、リセットされて、心が切り替わるんだって。窮鼠猫を噛むは、人それぞれなんだね」と。


続けて拙僧、この高校生に「嘗て(2013年調査)、発展途上国ながら、世界1幸福を感じている国民の国として、ブータン(インド周辺の国)が有名になった事があったでしょ。実はあれ、1位じゃなくて、北欧諸国に続いて8位だったんだって。そのブータンの国民が一様に、幸福を感じる要因として『雨風がしのげる家があり、食べる物があり、家族がいるから幸せ』と言われてた。が、そのブータンが2019年の調査では、幸福度が156カ国中、95位まで転落。それ以降は毎年、ランキング外に。その理由としては、スマホの普及が最大の要因であったと。情報鎖国だった国(状況)がスマホを手に入れた事によって、他国の情報が入ってくる様になり『なんなんだ、私達の生活水準の低さは』と、若者達を中心にそうなっていったらしいよ。他(国、人など)と比べる事により、幸福度が下がるは仕方がない事だよね。日本人の幸福度が低いは、他と比べたがる気質(国民性)があるからだそうだよ。北欧諸国の人が幸福度が高いのは、他人と自分を比べたがらない、横並びを嫌う性質があるからだと。まあ、でも、このランキング(幸福度)の決め方には、甚だ疑問はあるけど、その疑問の中にあっても教訓になるは『隣りの芝生は青く見える』という諺がある様に、他と比べる事によって、心に何かしらの作用が起こるという事かな」と。


最後に、この高校生に「拙僧の息子(次男)は非常に内気な気性で、小学生までは『おはようございます』の挨拶も出来ないくらい、恥ずかしがり屋だったんだ。18歳になると、それも少しは克服出来ていたが、何せ、持って生まれてきた性格だからね。その息子が東京の大学(理科大)に行くことになり、その息子から『父さん、俺、何のバイトをするがいいと思うね』と問われたので『そうだね、まあ、何でもいいが、人間としての幅を広げたいと思うなら、自分の不得意とする分野の職種を選んでみたらどうだ。自分が居心地がいいと思う場所より、居心地が悪いと思う場所の方が、新たな物を得る確率は高いと思うよ。バイトだから、ずっとその仕事をしなきゃならん、って訳じゃないだろ』と息子に」と。


続けて「息子は拙僧のこの言葉(助言)で、大学院卒業まで中華料理で有名な『銀座アスター』で6年間バイトを。テーブルでは、お客さんに配膳された料理の仕分けから、料理の説明まで、息子が最も不得意とする分野の仕事を。親が子供を厳しく育てるには、限度があるんだよな。どうしても、可愛いという感情が邪魔をするんでね。息子は間違いなくこの6年間で、社会に育ててもらったと思う。因みにこの息子だが、拙僧からの仕送りはなく、全て奨学金とバイトで6年間を。その返済は、就職後に全額自分で。『手伝おうか』と申し入れたんだが『いいよ。自分でやる』と息子が。10年以上掛かったんじゃないかな。今はお寺の仕事を手伝いながら、設計と統計の仕事を、掛け持ちでやってるよ。まあ、今後の参考になりそうなら、参考にしてちょうだい」と、この読者高校生に。


【おまけ】

読者の若者が「住職、知ってますか。文化庁が実施した2023年度の『国語に関する世論調査』によると、1ヶ月に1冊も本を読まない人が6割を超えたと。読書離れが急速に進んでいるという事を」と。「知ってるよ。その数字は大人の分でしょ。小学生は約12冊、中学生は約5冊、高校生は約2冊、1ヶ月で読んでるそうだね」と返すと「住職の投稿法話は長文でしょ。私は誤った理解をせずに済むから好きですが、これだけ長文離れ(読書離れ)が進んでくると、読む人も限られてくるんじゃないですか」「だろうね。拙僧の投稿法話を読む人が20歳以下が結構に多いのは、それ(本を読んでる)が理由なのかもね。書店が潰れていくはずだわ。短文だと色々、様々、支障が。読解力、推察力不足の読み手が自分勝手な解釈をして、それが誹謗中傷に繋がっている様で。人差し指1本で、全く知らない人を寄って集って自殺に追い込んだ事例が、これまでにも少なからずあったでしょ。誹謗中傷をしてこないのなら、勝手な解釈もそれはそれで、自分の心の中のだけの問題だから、面白い読み方だと思うけど。拙僧は、読んでくれる人だけでいいので、長文は続けますよ。何人かぐらい長文書きが、SNSの中にいてもいいでしょ、と思う」と。


【付録】

拙僧はこれまでに法話の本を3冊、世に出して頂きました。そのご縁がきっかけで、テレビ(約半年、週1回)、ラジオ、新聞、雑誌などや、教育委員会、学校、幼稚園、病院、老人ホーム、デイサービス、町内会老人の集い、倫理法人会、他宗寺院、葬儀斎場、社員研修などへの講演(北九州在住の拙僧が、遠方では九州南部、関西、関東、北陸、東北まで)にも呼んで頂き、方々で法話交流を。あらゆる話とまでは言えませんが、様々なジャンルである程度(仏教仏事系の他にも、癒し系、漫談系、人生系、目から鱗系、子育て系など)の話が出来るのではと。何かのお役に立ちそうでしたら、時間調整の許す限り、集いの大小問わず(参加者数人でも)足を運ばせて頂きますので、お気軽に、facebook、X、Instagram のメール(コメント欄)で、お声を掛けてくださいませ。勿論、この様なお話でいいなら、でございますが。拙僧も今年で62歳。これより先の残された時間を、1人でも多くの人のお役に立てれば、との思いです。『今、自分に出来る事を、今やる』ですね。


約10年間でSNSに投稿した3000話の長短法話を下記で読む事が出来ます。


金剛寺ブログ    :https://blog.goo.ne.jp/junko-0808

金剛寺ツイッター  :https://twitter.com/kongouji093

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                   拙僧が持つグループ「出会うは運命、出会ってからは努力、最後は感謝」

金剛寺インスタグラム:https://www.instagram.com/tentokuzan_kongouji/?


【追伸】尚「法話が長い」と不快感を示されておられる方々には、大変心苦しく申し訳ないので、拙僧の法話が目に入らない様に『ブロック』をさせてもらっております。楽しみにされている方々もおられますので、ご理解頂きまして、それでどうか、ご容赦くださいませ。


次回の投稿法話は、11月1日になります。