JUNSKY blog 2015

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靖国神社の展示

2006-09-20 22:38:30 | 旅行記
   写真はロケット推進特攻機「桜花」

靖国神社の遊就館について幾つか書いてきたが、改めて展示内容を振り返る。
(但し、展示品の写真撮影不可ということで、写真はない。)

軍事博物館の性格であることは、前に述べた。

 一方で、歴史博物館でもある。
武器・武具については、古い鎧から近代兵器まで展示してあるが、パネル展示としては、明治維新前後からの歴史に重点を置いている。

 私も“尊敬する”坂本龍馬が大きな絵と伴に取上げられ、積極的な扱いを受けている。彼の本意とは関わり無く、坂本龍馬は靖国神社の宣伝役にもなっている訳だ。
 維新の功労者として、扱われているからである。

 いまや、明治維新そのものに様々な疑問が投げかけられている時代であるが、靖国神社では明治維新は正しいものと位置づけられている。
 従って、江藤新平は「征韓論」に敗れて下野という、既に毛利敏彦氏などによってその一面性が否定された話も、事実として押し通している。
 西郷隆盛や江藤新平は、靖国神社には祀られていないということだ。

 パネルは、次に19世紀から20世紀前半に掛けての欧米諸国によるアジア諸国の植民地支配の実態を詳しく描いてゆく。 それは確かに事実の一つの側面ではある。

 アジア諸国が、植民地支配に抗してそれぞれ欧米と戦い、「アヘン戦争」の結果に見られるように次々に敗北して完全に支配されてしまった様子を紹介する。

 前にも書いたが、この欧米列強のアジア支配を打破するために「わが国は、アジア解放のために、斯く戦えり」というのが、展示のスタンスである。

 そして日清戦争(第6展示室:以下⑥と表記)・日露戦争(⑦)・満州事変(⑧)と順に描いてゆく。パネルだけではなく、当時の戦意高揚のニュース映画なども活用して紹介する。
 日露戦争は、ロシアとの全面的戦争ではなく、朝鮮半島をめぐる利権の争奪戦と言う局地的な戦争であったことがわかる。
 
 シナ事変(⑩)をへて、中心的展示はなんと言っても、靖国神社の言う「大東亜戦争」であり、展示室11から15に至る大規模な展示となる。

 最後に、この無謀な戦争で死に追いやられた若き前途あった人々の「写真」と「遺品」を展示してある。その量は大したもので、展示室16から19の壁を埋め尽くすように写真が掲げられている。
 この方たちは、軍国教育のもと、真実や世界の情勢を知らされることなく、誤った国策と、軍部の拙い戦略と戦術によって、特攻攻撃などの無茶な作戦の犠牲になった人々である。もちろん、ここに掲げられたのは、極一部ではあろうと思うが、それでもこれだけ多くの若者を犠牲にする、戦争と言うものの怖さと残酷さを思わずにはいられない。
 なお、ここには空襲などで犠牲になった一般国民は、対象とされていないようである。


   (写真は艦上爆撃機「彗星」)
 これらの、展示室に囲われるように、中央に大型展示室があり、各種特攻兵器や艦船や航空機の模型が展示されている。
 前回写真を載せた「人間魚雷・回天」や特攻ロケット機「桜花」などが展示されている。

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