事業仕分けで、「世界一のスーパー・コンピューターは必要不可欠か?」が問われたようだ。
世界一のコンピューターを実現することだけが自己目的化していて、これに多額の国家予算が投入されていることに疑問を呈したものである。
確かに、世界一でなければ、どういうリスクが生じるのか?という点は疑問である。
円周率の計算を競い合ったからと言って、国民に何の福利があるのか?と言われれば確かにそうなのである。
こういう開発は技術者の自己満足的な『競争』となっている傾向もあるかもしれない。
宇宙飛行士・毛利衛さんが館長をやっている「日本科学未来館」も槍玉に上がったらしい。
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事業仕分けで「日本科学未来館」について説明する毛利衛館長
=13日午後、東京都新宿区
事業仕分け 科学予算バッサリ、毛利館長も防戦
朝日新聞 2009年11月13日23時33分
政府の行政刷新会議は13日の「事業仕分け」で、学校での理科教育の充実から、次世代スーパーコンピューターまで、科学技術関連事業の大幅な削減を求めた。前政権までは「技術立国」を掲げて巨額の国費を投入してきたが、仕分けでは「聖域」なくムダ削減に取り組む姿勢を示した。
3日目の作業で「廃止」としたのは、小学校の理科の授業に支援員を派遣している文部科学省の事業など9事業で総額305億円。予算の大幅縮減も26事業に上った。
先端技術関連では、独立行政法人・理化学研究所が開発を進める次世代スパコン(概算要求額約270億円)について「来年度の計上見送り」を含む予算の削減を求めた。今年度分を含め計545億円の国費を投入してきたが、蓮舫民主党参院議員らが「財政難のなかで大金をかけて世界一の性能にこだわる必要性があるのか」などと指摘した。
世界最先端の大型放射光施設「スプリング8」の運転経費の補助(同約86億円)や、深海研究「深海地球ドリリング計画」に対する補助(同約108億円)なども投資効果を再検討する必要があるなどとして「予算削減」とした。
慢性的な赤字運営の「日本科学未来館」(東京)も取り上げられた。宇宙飛行士の毛利衛館長が「経営努力で入場者数は増えている」などと訴え、23億円の概算要求に理解を求めたが、仕分け人はコスト削減の余地があるとして予算縮減と財団法人の運営の見直しを求める結論を出した。
財源の少ない自治体に国税の一部を「地方の財源」として配分する地方交付税については、「制度の抜本的見直し」を求めるにとどめた。
ただ、総務省の政策評価、行政評価・監視は「今まで以上に力を発揮してもらう」として、事業仕分け3日目になって初めて「前向き」の判断が示された。(朝日新聞・松田京平)