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2024年12月24日(火)
岩殿山山頂より富士山を望む
中央高速道路を山梨県に向かって走り大月に差し掛かると見えてくる露岩が特徴的な山、岩殿山。 その風貌からも興味を引くが、大月市が選定する秀麗富嶽十二景の一座、岩殿城があった歴史などもあり、是非登ってみたかった。
中央高速、大月ICを下り甲州街道を少し東京方面に戻る。 JR大月駅の先で高月橋を渡り桂川を越えるとすぐ左に岩殿山公園駐車場がある。 駐車場にトイレはないので、甲州街道沿いのコンビニに寄ってから向かった。
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駐車場から一番近い強瀬登山口、その先の岩殿ルート登山口からの登山道は現在崩落のため通行止め。
南から北へ山麓をグルッと回った先の畑倉登山口から登山開始となる。
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畑倉登山口へは車道を歩いて20分程。 朝の富士山がちらりと見えた。 朝はいい色になったろうなぁ。
車道は途中から歩道が無くなるので注意してゆく必要がある。
畑倉登山口前にも6台くらいの駐車場があった。
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鬼の岩屋 (7:55)
登山口から急なトレイルを少し登ると鬼の岩屋。
大月にも「桃太郎伝説」があるそうだ。 この岩屋もそのひとつ。
岩殿山のトレイル崩落がひどいらしいという話はYAMAPでも読んでいたが、
急なトレイル、崩れやすそうな岩質、小粒の砂利が表面を覆っているようなトレイルは本当に歩きにくい。
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踏みしめるように30分ほど登り岩殿山山頂。(8:33)
標高は 634m、スカイツリーと同じだ。そしてこの山頂に岩殿城本丸があったそう。
岩殿城は武田二十四将のひとり、小山田信茂が城主として守っていた。 織田・徳川に対抗していた武田勝頼は躑躅ヶ崎館(11/25訪ねた武田神社)から韮崎に新府城を構え反撃するつもりだった。が、織田・武田勢の勢いが強く、高遠城(4/14訪ねた五郎山、仁科五郎の話)も陥落すると武田勢は増々衰退し、ついには勝頼自ら新府城に火を放ち岩殿城に逃れようとする。 この時真田昌幸が作った岩櫃城(11/10訪)に逃れる案もあったが、岩殿城を選んだ勝頼は小山田信茂に裏切られ、天目山の南、野田(現:景徳院12/2訪)にて自刃、武田家滅亡となる。
ここがその現場か。。。そんな気持ちも持ちつつの登山であった。
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秀麗富嶽十二景の一座ということもあり、素晴らしい眺め。
富士山左手前は鹿留山・杓子山、右手前は高川山、その右奥に三ツ峠山。
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山頂から少し下ると展望台がありそこからの眺めも素晴らしい。
更に下るとここは馬場跡。 木々は桜かな?
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岩殿城の色々な施設跡を見ながら下って行き、天神山、稚児落し、の方まで縦走してゆく。
トレイルはどこも細かく滑りやすい砂利面、さらに大量の葉が被った所もあり、注意が必要。
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兜岩あたりから岩を登る、下る、クサリ場が何か所か。(9:22)
巻道がある場所もある。
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このようにホッとするトレイルも少し。
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木が生えておらず絶壁の脇を通るような場所も。
振り返ると中央手前が岩殿山。 その背後左に百蔵山、その右に扇山。 こちらも行ってみたい。
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天神山を通過し、山頂下に祠があり広場のようになっていたので、(10:00)
切り株に座り休憩。 奥に見える山は黒岳、雁ヶ原摺山、らしい。
ここから見えるのか!?
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とうとう稚児落しを見渡す場所にやって来た。(10:20)
200mの断崖絶壁だそう。 柵も何もないので本当に用心しながら。
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稚児落し上部。 左に寄らないよう注意するが、右も結構危なげ。
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稚児落し通過後。 まだ安心はできない。
この稚児落しという怖い地名はその後の小山田信茂一家の話から来ている、と言われている。
勝頼を裏切った小山田信茂は織田家臣になる策略があったようだが、織田はそれを許さず処刑。
さらに岩殿城に攻め入り、逃げた側室や子らがこの断崖絶壁まで来た時に子供が泣いてしまった。
その泣き声で織田勢に見つからないよう子供を投げ落とした、とされている。
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稚児落しからは大月駅方面へ下山。
このトレイル、本当に下りが怖くてへっぴり腰。
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稚児落しから30分程下ると一般道に出て、あとは駐車場までずっと街歩き。
桂川、新浅利橋から振り返り、右が岩殿山、左のピークが天神山、写真左端に稚児落しの岩面が見える。
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桂川沿いを歩いて行き、岩殿山。
実はこの岩殿山の露岩を稚児落としと呼ぶのだと思っていたが、間違いだった。
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途中おいしそうなうどん屋さんがあり、待ち人もいなかったので入ったら大当たり!
美味しかった~! きっと有名店だったのだと思う。 まさに下山めし!
うどんもいただき、12:00ごろ駐車場に戻った。 この後はまだ武田勝頼の足跡を追って(逆回りだが)韮崎の新府城に行ってみる。
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韮崎 新府城本丸跡地
こちらにもようやくやってきた。 実は山に登る以前から来たいと思っていた場所だった。
七里岩という行程差 130mほどの断崖の上にある台地に作られた城だ。
写真奥の方向(南東)には富士山がそびえる。
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本丸跡北西の端には武田勝頼ほか武将たちの名前が刻まれた霊社、霊位、が祀られている。
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その奥にそびえるのは八ヶ岳。 眼下は桃の農園。
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南には鳳凰三山を望む。
こんなに素晴らしい場所に築城したものの、自ら火を放ち、自刃へと追い込まれた勝頼は無念だったろうなぁ。
まぁ、戦国時代は同じようにたくさんの人々が無念の死に追いやられたのだ。。。
戦いはイヤだねぇ、いけないねぇ。
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その後私は家に帰らず、ここ松本に来た。
クリスマスだというのに、この24~25日しか自由時間を取れないので、泊りで翌日も山に登る。
続きは来年になってしまうでしょう。
今年もこんな調子でのブログアップでしたが、読んでいただいた皆様、ありがとうございました。
体力の衰えを感じつつも、今年も何とか一年登り続けられました。
新年もまたよろしくお願いいたします。