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2019年8月6日(火) 4:53a.m.
男体山山頂からのご来光に万歳三唱
今回で10回目となる男体山登山は、かねてより夜間登拝で実行したいと思っていた。 平素、男体山の登山は限られた期間(今年から 4/25~11/11) 、朝6時に登拝門が開門され、社務所にて受付後(登拝料 500円)登頂できることになっている。 それが 7/31~8/7 は「男体山登拝大祭」として夜中の12時に登拝門が開門されて登山開始することができ、登山者は山頂にてご来光(4:40頃)を拝むことができる、ということになっている。 「祈りの霊山」なので、これも修験道の一環、なのだろう。 私も色々な祈りや決意を込めて登らせていただきたい、という気持ちだった。
登拝祭は1週間と期間が短いため、自分の都合や天気を見ているとなかなか実行が難しい。 私は夏休み中なので他の方よりはずっとチャンスが多いのだが、深夜登ることを考えると特に、体調を整え、天気が良く、ご来光を望める日に登りたいものだ。 今年は男体山には既に4月に一度登っているので、無理することなく来年に持ち越しても良かったのだが、この 8/5~6 はこの上ない良い機会となりそうだったので、勇んで決行した。
登山開始前に仮眠をした方が良いと思い、よく眠るために昼間は軽く戦場ヶ原を散策。 夕ご飯は幸いにも yukoさんのお宅で大変美味しく、楽しくいただくことができた。 大変にありがたいことだった。 8時過ぎに二荒山神社中宮寺に向かうと第二駐車場には既に車が停まっていたので「第一駐車場は満車?」と思ったがなんと一台目。 平日とはいえちょっと意外。 23:30から受付が始まるとのことなので仮眠をしたが、第一駐車場は本当に真っ暗で、車道からも離れているためグッスリと快眠。 普段はどうかわからないが、この日はそれ程暑くなかったことも幸いだった。 起きた時間にも満車状態ではなかったような気がする。
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23:30過ぎに境内に向かい手続きを済ませる。 普段は 500円の入山料だがこの日は 1,000円。 普段は白いお守りだが、この日は金色。 その他に記念品と「登拝之証(神橋拝観券、中宮祠宝物館拝観券付き)」を頂ける。
23:50くらいになると登山者は上の拝殿前にお呼びがかかり、お祓いを受けることができる。
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その後、太鼓の音と共に登拝門をくぐって登拝開始、という具合である。
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さて、私も参ります!(0:08)
と、この後登山中の写真はありません。 私のことだから撮れそうな場所では撮ったと思うのだが、きっと撮れそうもない程暗かったのでしょう。 「でしょう」というのは、周囲を撮るには暗かったでしょうが、歩く範囲は心配になるほど暗くはなく、ヘッドランプが問題なく有効だったということだ。 これは2年ほど前?に購入した 220ルーメンの物だが、一番明るいレベルにもしていなかった。 また、登山者はそれほど多くはなかったが、大抵前後見える範囲で人がいる、という状態ではあった。 何度か人の気配もない状況になったが、長い時間ではないし、一本道の男体山だから困ったことにはならなかった。 6合目の先から8合目途中までのガレ場ではどの岩を登るか、右か左か、あたりで慎重に見極める必要はある。(ルートを示すマークはあるのだが。。。)
混雑する日には自分のペースで休む場所を見つけることができるか(得に岩場)、上から石が落ちてきたりしたらイヤだな、と思ったりもした。 夜間登拝はヘルメット持参が良かったかも、と思った。
降るような星空の中を登ってゆけるのは素晴らしかった! なかなか良いペースで登っていたが、7合目辺りからは疲れと眠気も出てきて、座れそうな岩があると座って休んでいた。 それ程食欲はなかったが、必ず飲み物と少しの食べ物を口にしていた。 さらには目を閉じて少し眠っていたかもしれない。 ぐっすり眠ることはなく、少しの間でも目を閉じて休むと回復して、また歩き出せたのは良かった。 ただ、もちろんこの辺で辛さは感じていた。 陽が無いのは幸いで、暑さは感じなかったが、登りでは汗もかいていた。 辛くても9合目を過ぎたザレ場に来れば「あと少し!」と頑張ることができた。
こんな調子で、 4:11山頂到着。 写真を撮っていないが、普段と変わらないタイムで登ることができた。 日の出に間に合って良かった。
山頂に着くとそのまま奥宮に参拝。 山頂もそれ程混雑していなかったので、空いている所にザックを置きダウンとレインウェア上着を着た。 気温は寒くはなかったが、私は汗をかいていたので汗冷え防止のためだ。 若者は半そでショートパンツのままの人もいた。 さすがに神剣の周りには人が多く見えたので、そちらには行かず、少し休んでから撮影をする。
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日の出前。(4:25)
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左下の明かりが日光市街地。
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左奥が日光白根山。 右奥に燧ケ岳。
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4:43 雲が紅く輝いてきた。
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4:48 水平線の雲の中からご来光。
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陽の光が輝き始めると奥宮神職の方が 拡声器片手に神剣の方まで来られ、
万歳三唱の音頭を取ってくださった。 この瞬間に立ち会うことができ感無量。
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その後も少し写真を撮ったり、コーヒーを入れてパンを食べたりして休憩。
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ひとつ上の写真からこの写真を撮るまで一時間もたっている。
何していたんだろう? 寝ていたわけではない。
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山頂奥宮はこの時期山頂限定のお守りやバッジ、飲み物やみそ汁なども売っているようだ。
私も限定お守り、バッジを購入した。
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奥宮も扉が開かれ、6時にはお供えがされる。
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早朝に拝見する二荒山大神様。
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そして影男体。
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男体山ファミリー。
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太郎山神社にも参拝する。
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早朝の景色を目に焼き付け、そろそろ下山する。
なんと2時間も山頂に滞在した。
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後は下るだけだが、安全に。(6:23)
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こんな時間に下るなんて不思議だ。
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コバノイチヤクソウ。 茎は紅いのだが。。。
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ミヤマアキノキリンソウ
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リンドウ。準備開始。
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上の方に富士山が見えるのだが。。。
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奥の方に浅間山、榛名山が見えているのだが。。。いや、肉眼では本当に見えていたのだけど。
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ヤマハハコもつぼみ。
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これから登る人、暑いだろうな。
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タマガワホトトギスがあちこちで咲いていた。
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9:40 無事下山。
登りはあれ程眠くなったのに、下りはさほど眠さを感じなかった。
やはり太陽の威力だろうか。
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下山後、ザックを車に置いてから再び本殿社務所に向かい、10回登頂を記念して番付札を奉納させていただいた。
10回目だと言うと、記念の升もいただけた。 ありがとうございます。
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家への帰路も外環道などの渋滞を考え、沼田IC から関越道で戻った。 途中片品村の「花咲の湯」に寄り入浴、1時間強睡眠(枕、毛布が用意されている)、花豆アイスを頂き、たくさんの地元野菜を購入して帰路に着いた。
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今まで登頂した10回のお守りと、今回購入した奥宮限定バッジ、お守り。
10回目の男体山登頂を無事夜間登拝で終えることができ、とても嬉しい。 思えば登山が好きになったきっかけは奥日光に来るようになったこと。 始めは美しい森、湖、川、湿原、花を撮影することで喜びを感じ、満足していた。 が、その美しい風景を形作った源は火山。 奥日光の父とも呼ばれる男体山に登ることは夢のような話だったが、こうして6年の歳月をかけ10回も登れたことは本当にうれしい。
登山を始めようなどとはまったく思っていなかったころ、そんな森や花を、興味があったスノーシュートレッキングを、一から教えてくれたのはベー太さんだった。 「男体山に登ってみたら?」と背中を押してくれたのもベー太さんだった。 今思えばガイドさんにきちんと自然の中での歩き方、接し方を教わってから山に登り始めたことは、とても良いステップを踏んでいたのだと感じる。
更にはベー太さんのツアーや自身の blog活動などをきっかけに、山登りが好きでたくさんの知識を持ち、共有してくれる仲間と知り合うことができた。 その皆さんから教えていただいたこと、一緒に歩いてきた山での経験、は今となってはかけがえのないものだ。
最近は諸所の事情などからあまりご一緒することが無くなってきているが、感謝の気持ちは変わらない。 今後も時にはご一緒させていただきたいと思っている。
色々見たり、調べたりしていると、登りたい山は数多く、撮影したい風景、出合いたい花も留まることはない。 しかし進みゆく年齢を止めることはできず、限界を感じる事も多いこの頃。 だが、できる努力は惜しまず、健康に注意して、今後も登山を、撮影を続けてゆきたいと思う。 健康、体力のバロメーターとして、きっとまた男体山に登るだろう。