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2019年5月5日(祝・日)
雨晴海岸より立山連峰を望む
石川県羽咋郡(はくいぐん)の宿でぐっすりと休み、私はみんなより少し早く起きて朝風呂へ。 この日もとても良いお天気。 今回のゴールデンウィーク前半はあまり天気に恵まれませんでしたが、後半は良く晴れ本当にラッキーでした。 ただ、自分が見たい景色以外それ程調べる間もなく来てしまったので、ササッとネットを見て急ごしらえの観光ルートにとりあえず出かけてみる。 車で海沿いを走るとそれだけでも良い気分!
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宿泊したホテルに飾ってあった写真から場所を尋ね、訪れた機具岩(はたごいわ)。
時期によってはライトアップされ、海に沈む夕日と共に美しい姿を浮かび上がらせるそうです。
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機具岩から海岸沿いを更に10分程北上した増穂浦には「世界一長いベンチ」があります。
美しく続く砂浜沿いの小高い丘の上に、全長 460.9メートルものベンチがあり、
1989(平成元)年、世界一長いベンチとして、ギネスブックに掲載されたのだそうです。
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世界一長いベンチから南下して巌門に向かいますが、その途中夫婦岩。
この辺りの海岸線は、この後行く巌門も含め 29キロ余り奇岩怪石が連なり「能登金剛」と呼ばれています。
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巌門に到着です。 こちらではこの透き通った海と荒々しい岩壁を遊覧船から見ることができます。
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この日海はとても静かで快適な海上廻りができそうでしたから母にも良いと思ったのですが、
母は「絶対に乗らない、上から見ているから大丈夫」と。w 娘が手を振っています。
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船は色々な岩を見ながら、奥に見える穴の開いた岩、洞門に近づきます。
岩の岸壁に松がとても良い雰囲気を与えています。
写真左奥に橋が見えますが、「幸せのがんもん橋」という名前です。
海岸線には遊歩道が設置され、美しい海を陸からも見ることができます。
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船は洞門に近づいてきました。 内部へと進みますが、遊覧船は通り抜けることはできません。
小舟なら通り抜けられます。 奥には大洞窟があり義経主従が隠れ場所としたと言われています。
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向こうに見える陸と碁盤島との間を通り抜けてゆきます。
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すると福浦漁港が見えてきます。 福浦漁港はかつて福良津と呼ばれ8~10世紀には中国大陸との交易で栄え、また藩政時代には北前船も寄港した良好としてにぎわったそうです。
能登を走っているとどこでも目についたのが風情のある真っ黒でつややかな瓦屋根。 能登瓦というのだそうですが、特徴は厚く釉薬が塗られ、高温で焼成されることで、能登の厳しい自然にさらされても半世紀はゆうに保つというその耐久性です。 海からの塩分を含んだ風雨、豪雪などに耐えうる素材だそうです。 陽の光にキラキラと輝き連なる屋根瓦は「いらかの波」そのもので、5月5日のこの日に改めて歌詞の意味を感じ入りました。
また、写真右の方に見える白い小さな建物は旧福浦灯台で菜種油を使いランプをともしていたのだそうです。 現存する木造灯台としては日本最古の物で石川県の重要文化財に指定されています。
趣ある漁村が大きな風力発電に見守られている姿も興味深いです。 ちょっと撮影に寄りたかったなぁ。
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船着き場に戻ります。 奥に見える砂浜、写真右の方が長いベンチがあった辺りです。
その奥に美しい三角錐の山が見えますが、能登富士と呼ばれる高爪山だそうです。
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20分程の船旅でしたが、まったく揺れることはなく快適で楽しかった~!
このあと海岸線の遊歩道を歩いてみます。
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洞門を上から眺めています。
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洞窟を経て陸側から洞門を見ています。
海辺の岩場にはカニ、小魚、イソギンチャク、ナマコなども見え楽しいです。
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洞門近くの船着き場です。
遊歩道各所にお土産屋さんがあり、飲み物、焼いた貝類やソフトクリームなども楽しめます。
また、長いベンチがあった増穂浦など、この西能登には冬場たくさんの小貝の殻が打ちあげられ、
特に桃色のさくら貝は「幸せを呼ぶ貝」として親しまれ、お土産屋さんでも小瓶に詰められ売っていたり、
アクセサリーや飾りになっていました。
私たちは地元の塩を使用した塩ソフトクリームを頂きました~。
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次に向かったのは 千里浜。 まずはお昼時でしたので腹ごしらえ。
「いい道の駅 のと千里浜」に向かいました。
敷地内には千里浜の砂を使ったサンドアートが展示されています。
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小さな道の駅のようだったのでレストランはいっぱいかと思いましたが、すぐに座れました。
左がのとししミートパスタと サラダ、右がアサリのうどん。
能登というとお米という気がしますが、うどんも良く食べられているようです。
「のとしし」は能登のイノシシのことですが、どこでもイノシシ問題は深刻なようで、私も少しですが貢献してきました?
こちらの道の駅では地元の野菜をふんだんに使ったお料理や、生鮮野菜の販売など、まさに「いい道の駅」を感じられました。
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お腹がいっぱいになったら日本で唯一、普通車で走行できる「千里浜なぎさドライブウェイ」を走ってみます。
走行できる区域に柵があったり、標識があったりするのかと思いましたが、何もありません。 みんな低速で安全運転。 天気などによる通行規制がない限りいつでも走行でき、好きな所で停まって渚で遊んだりもできます。 これにはびっくり!
夏には海水浴もできる浜ですが、さすがにその時期には安全のためにロープが張られ、交通標識も立てられるのだそうです。
「千里浜はなぜ普通車でも走行できるのか」ということですが、砂のきめが細かく海水を含むととても固く引き締まるのだそうです。 なので「走行するのは色の濃い部分にしてください」ということ。 このような性質からサンドアートにも適しているのですね。
千里浜なぎさドライブウェイ 、動画見てみる?
千里浜での食事、ドライブが思いのほか早く終わり、「どうしようか~?」となりました。 時間は午後1時半ごろ。 早く金沢に帰って金沢観光とも思ったのですが。。。ここは能登半島横断して東側にゆくことになりますが、「もう一度氷見の方に行って立山が見えるか、行って見ても良いですか?」とお願いしました。 多少冷たい視線は感じましたが、皆さんドライバーには勝てません。w
けれど行ってみると1時間弱で着きました。 「道の駅 雨晴(あまはらし)」。 ただこちらも小さな道の駅で、天気が良く大渋滞で駐車場に入れない。 ドライバーは皆さんを道の駅で下ろし、少し離れた駐車場を探しに行きましたが、幸いすぐに見つかりました。 良かった~! けど、近くに臨時駐車場もあったようです。w
駐車した場所から歩いて道の駅に向かうと、道の駅すぐ前には海岸線沿いに氷見線。 おぉ~! 電車いる!!
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薄くはありますが、雲はかかっていません立山連峰! そして氷見線の列車!
よいタイミング~!! これは観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール」でしょうか。
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列車が通り過ぎるとこのような風景。
雨晴海岸は大伴家持(おおとものやかもち)にも愛された風光明媚な海岸です。
奥に見える女岩(めいわ)と共に見る海からの立山連峰は日本屈指の景勝地と言えるでしょう!
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女岩を基準に北側。
女岩すぐ右側が毛勝山と思われます。 毛勝山より北側(写真左)には後立山連峰が望めるようなのですが。。。
白馬鑓ケ岳、白馬岳、雪倉岳、朝日岳など望めるようですが、よくわかりません。
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女岩南側(写真右側)にはすぐ隣に毛勝山、釜谷山、猫又山など続き、
鉄塔の上にそびえるのが剱岳、前剱、剱御前、という感じでしょうか。
四季を通してくっきりと素晴らしい眺めを得ることはなかなか難しいようです。 冬でも毛嵐などがあるようで。 激しい波に毛嵐という風景もここの特長だそうですけどね。 しかし、春先にこれだけ見えればとてもラッキーだったでしょう! 来て良かった~!!
海上から 3,000m級の山々を望むことができるのは世界でも唯一この雨晴から氷見にかけての海岸だけ、と言われているようですから、世界屈指の景勝地、に訂正させていただきましょう!
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道の駅の前はこのような感じ。 踏切すぐわきにあるのは「義経岩」です。
義経一行が雨宿りをして晴れるのを待った、と言われる岩屋があります。
雨晴の地名はそこから、とも言われているそうです。
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楽しい一日を終え夕食をとった後、みんなをホテルに送ってから私一人金沢駅前のレンタカー屋さんへ車を返しに行きました。
午後8時まで借りられたのでとても便利でした。
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ホテルは「尾山神社」のすぐ近くで、神門が美しかったのでみんなで散歩に出かけました。
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神社の神門としては異色の和漢洋の混用。 このステンドグラスのような窓がきれいです。
神社の説明には「ギヤマン張り」と記されています。
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夜のお参りになりましたが、翌日ももちろん参拝させていただきます。
この日も一日大満足となりました。