今朝の「時事通信」を報じたYAHOOニュースは、「トランプ米大統領は1日、北朝鮮の金正恩労働党委員長と当初の予定通り12日にシンガポールで会談すると明言した」と報じました。
同ニュースは、「ホワイトハウスを訪れた金英哲党副委員長から正恩氏の親書を受け取った後、記者団に語った」
「トランプ氏は、『会談は非常に成功するプロセスになるだろう』と述べる一方、『12日の会合は始まりだ』と指摘。非核化の実現に長期間を要する可能性を示唆した。 トランプ氏は、正恩氏の親書について、『非常に素晴らしい書簡だ』と評価した」と報じました。
この間、米朝は12日に予定されている首脳会談に向けて、シンガポール、板門店、そしてニューヨークで実務者間やハイレベル会談が行われていました、
また、南北閣僚級会談が1日、板門店で開催され、「板門店宣言」の具体化が協議され、14日に将官級の軍事当局者間の会談等が合意されました。
ロシアのラブロフ外相が9年ぶりに訪朝し、金正恩委員長と会談しました。 その中で、金正恩氏は、「朝鮮半島の非核化に関する意思に変わりなく、一貫しており確固としている」と語ったと、朝鮮中央通信が報じました。
こうした、一連の動向のなかで、米朝首脳会談の最大の焦点は、「非核化」の課題です。 この点について、私は、5月31日付、「しんぶん赤旗」の報道に注目していました。 同紙は次のように報じていました。
「【ワシントン=池田晋】 米ロスアラモス国立研究所のヘッカ―元所長らは28日、北朝鮮の核事業の巨大さと米朝間の信頼醸成の欠如のために、非核化作業の完了には10~15年程度が見込まれ、段階的な措置が必要とする報告書を公表しました」
「トランプ大統領がこれまで主張してきた短期間での核放棄に警鐘をならす内容。 北朝鮮の核の国外搬出についても『危険』と指摘しています」
「ヘッカ―氏は、北朝鮮の核関連施設をこれまで4回訪れ、同国のウラン濃縮施設を視察した唯一の米科学者とされる核問題の専門家。 中央情報局(CIA)で分析官などを務めたカ―リン氏らも作成に協力しました。 『北朝鮮非核化の工程表』と題された報告者は、非核化の対象を22項目に分類した上で、①凍結(1年)、②縮小(2~5年)、③廃絶(6~10年)――の3段階に分けて工程を提示。 核実験、中・長距離ミサイル実験、プルトニウム・高濃縮ウランの製造などの凍結を、最初の最重要課題にあげています」
「トランプ大統領は、非核化の方式をめぐって極めて短期間の『一括方式』が望ましいとする一方、最近になって、物理的な理由から『段階的措置が少し必要かもしれない』と柔軟な態度も見せ始めています」
「また、政権内の強硬派ボルトン大統領補佐官が主張する北朝鮮核兵器の国外搬出について、報告書は『甘く、危険な』考え方だと批判。 製造当事者の北朝鮮技術者に解体させるべきだと指摘しています」
日本共産党は、米朝首脳会談の成功を心から期待しています。 そのためには、「約束対約束、行動対行動」の原則を生かし、信頼関係を醸成し、段階的に確実に北朝鮮・朝鮮半島の非核化を前進させるために日本を含む関係国の大きな努力、国連をはじめ世界的協力が必要だと考えています。