ある時期、悪しざまに罵られた花、それがセイタカアワダチソウである。そう、花粉症の原因物質として忌避された過去を持つのだ。
この草本自体は虫媒花なので花粉症は引き起こさないとされ、ありもしない罪を着せられてしまったのである。
とはいえ、根と地下茎からはアレロパシー物質を分泌して競合する植物の生育を妨げ、巨大なコロニーを形成したがため見た目で判断されてしまったのだろうか。
最近、それほどのコロニーを見かけかくなったように思うが、一つの説として、自らが分泌するアレロパシー物質による自家中毒であれよあれよという間に少なくなったのだとか。
そう、そのセイタカアワダチソウが我が家の坪庭に侵入してきた。たった1本だったので駆除はせず、目の前でしっかりとその素顔を観察しようと思っている。
多数の頭花が寄り集まってる。ほころぶとともに、ほわほわした細い糸状のナニモノかが辺りを支配し始める。
いつも不思議に思っていたこのナニモノかは、筒状化の雌しべの花柱なのだという。もちろん、G先生に問うたわけなのだが、知識の乏しい藤四郎には偉大な先達の知恵が詰まった百科事典のようなモノといえよう。
ちいさな花が放射状に散らばっている。タニガワコンギクが咲き揃ってきたのだ。
おまけで頂いた花だけど、こんな野菊が一鉢あるだけで秋の空気感が漂い始めるようだ。
新たに三つの花がキバナノホトトギスに添えられた。去年でさえ、一度にこれだけの花を付けることがなかったのにである。
この裏側にもう一本茎が伸びている。ここにもいくつかのつぼみが萌しているが、こちらはまだ一つも咲いていない。まだまだ楽しませてくれるようだ。
あらかた花が咲き終わったので、花柄を摘み取り、小庭へと下ろしてしまっていた。
また、来年のお楽しみ、なんて思っていたわけだが、ひょっとしたらまた咲いてくれるのかな。