ジョンソンカフェを通り越し、狭山入間縦貫道路(狭山市と入間市を結ぶ都市計画道路)に出て稲荷山公園を目指す。
ミカンのたわわな稔りに豊穣を知る。だが、このお宅、無住のようなのである。
2018年日本の空き家数は848万9千戸と過去最多となり(総務省統計局平成30年住宅・土地統計調査)、2033年には1,950万戸を越すと言われている。空き家問題の根深さが見て取れるが、もっと卑近な問題として「このミカンは誰が食するのか?」ってことが気になってしょうがない。う~んっ、やはり鳥さんたちの食材となってしまうのかな。
縦貫道路を稲荷山公園駅方面へと歩いて行く。公園駅を下車してすぐ前に正門があるが、狭山市駅方面から歩いてくるとそこまで行かずに入ることができる。
北側の芝生広場から起伏のあるコースを辿りBBQガーデンまで歩く。さらに、隣接する住宅街を抜けて北斜面へと向かう。
北斜面では、季節外れの花を付けたヤマツツジや、うっすらと秋を纏い始めたユリノキを撮り、展望台の辺りに差し掛かった。
ギンモクセイかな? おや、鋭く尖った鋸歯が見られるではないか。では、ヒイラギかな。
いや、ヒイラギの花であればくるっと花被片がそっくり返っているはずなのだが、モクセイの花のように平開している。
帰宅後、Googleレンズに問うと、「ヒイラギモクセイ」だという。すなわち、ヒイラギとギンモクセイとが自然交雑した種が存在するというのだ。天の配剤か、自然の悪戯か。
稲荷山公園北斜面の展望台、そのすぐ右側にその木は立っていた。
何度も、何度も、ここに佇んだものだが、いままでこの花の時期に立ち会うことがなかったなんて不思議な気がする。
ヒイラギでもあり、モクセイでもある。ある意味、数奇な人生を背負っているともいえるのだろう。
ちなみに、こちらがヒイラギの花と葉である。
葉には、棘状の鋸歯が4~5対ほどみられる。花の形状から雄花と思われるが、銀国政とは大きく異なり、花被片は大きく反り返っている。
ギンモクセイ、アーカイブを探したが見当たらない。撮っていなかったのだろうか? 代わりに、雰囲気だけでもと思いウスギモクセイ(薄黄木犀)を掲載してみた。葉には鋸歯がなく全縁となる。花冠は白色で4深裂して平開しており、反り返りは見られない。
秋は、まだ里には下りてこないのだろうか?
ヒイラギモクセイとは、神の悪戯なのであろうか?