◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

3月16日(土)

2013-03-16 05:36:16 | Weblog
●小口泰與
うぐいすの音色つむぐや偕楽園★★★
露天湯の春光ゆるる大あくび★★
春暖炉竹百幹のうねりかな★★★

●多田有花
春耕の音高らかに野に響く★★★★
春耕は、鍬を振るう耕しもあるが、この句は、耕運機。野に高らかにエンジンの音を響かせ、田を耕してゆく。耕運機にも生き生きとした働きがある。(高橋正子)

心地よき疲れの後の朝寝かな★★★
夕暮れの光に染まり梅林★★★

●河野啓一
土匂う花苗植えてふんわりと★★★
お手前のみどりの香たち春の午後★★★
桜便り東と西より来るらし★★★

●桑本栄太郎
春愁や夢の中まで仕事せる★★★
妻留守のラーメン啜る春の風邪★★★
春一日ラジオ聴きつつ眠りけり★★★

●小川和子
枝先まで小花連ねて雪やなぎ★★★
丘陵へ日は麗かに影を差す★★★
丘陵の四方へ春の香かすかなり★★

●小西 宏
雨吸って黒き球場芝萌える★★★
池の泥掻いて昼餉の雪柳★★★
夕暮れの逆光淡し梅の苑★★★

●川名ますみ
初ざくら写してポケットにしまう★★★★
「しまう」がいい。写し撮った初ざくらをうれしく、また大切に思う気持ちが一読伝わってくる。瀟洒な句だ。(高橋正子)

ケイタイに一輪だけの初ざくら★★★
歩き出す撮ったさくらをポケットに★★★
コメント (3)
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