私が仕事のことを書くのはヒジョーに珍しいのですが
せっかくボージョレ・ヌーボー解禁なので
売る立場からの視点で書いてみます。
今日は前日です。
ボージョレ・ヌーボーがうちの店に配送されてきましたよ。
「11月20日午前0時以前の販売禁止」
と書いたステッカーが箱にどーーんと貼られてます。
これはルールだから守らなくちゃいけないのよね。
なんぼお得意さんでも、ダメ。売らないですよん。
毎年「今年のヌーボーはできがいい」と報道されますが
こう毎年毎年同じこと言われると
ほんまかいな?と思ってしまいますね。
まあそのことはあとで書くとして。
ボージョレ・ヌーボー
大半の方は
スーパー・コンビニ・ディスカウントストアでお買い上げになるのではないでしょうか。
うちは酒屋なんですが
ボージョレ・ヌーボー置かない酒屋とても多いですね。
なんでか?そりゃ売れないからですわ。
ボージョレ・ヌーボーが一躍脚光を浴びたのは
1990年です。
この年のヌーボーはすごくおいしかったんです。
うちのような田舎の酒屋でも
何人ものお客さんが「おいしかったからまた買いに来たよ!」
とリピートされたくらいです。
メーカーは
前年の実績から判断して輸入量を決めていますから
この突然のバカ売れにうれしい悲鳴だったことでしょう。
しかしヌーボーはあらかじめ契約しておいた量しか入手できませんから
いくら追加注文があっても、なんともならなかったんですね。
その次の年は
各メーカーも前年よりはるかに大量のヌーボーを輸入。
各酒屋もたくさんのヌーボーを仕入れました。
ところが
全然うれましぇ~ん。
日本人が熱しやすく冷めやすいというのを実感した出来事でありました。
もうメーカーも問屋も酒屋も、不良在庫となったヌーボーの山を見て
「二度と仕入れんぞ」と思ったことでしょう。
まあバブル崩壊という背景もありましたしね。
うちなんか、次の年の年末に棚卸ししたら
まだ1箱ありましたよ。
すでにヌーボーの意味なしですがな。
どうやって処分したのか覚えてません。
つか、記憶に残したくなかったんでしょうね、あの悪夢は。
あの一件でボージョレ・ヌーボーを扱わなくなった酒屋は多いです。
その後、規制緩和でスーパーがワインを販売できるようになったこともあり
あちこちの酒屋は廃業したりコンビニに転換したりで
ますますヌーボーを扱う酒屋は減っていきました。
ヌーボーは新酒なんだから
早いうちに飲まなきゃ意味ないですしね。
寝かせて熟成するわけじゃないし。
ということは
早く売っちゃわないとだめなんですよ。
だから
ただでさえ顧客が減ってきている酒屋は
置きたくないんですよ、ヌーボー。
残っちゃったらどうしようもないもん。
だからみんなスーパーで買う。
この悪循環になってしまってます。
もちろんそんな酒屋ばかりじゃなくて
樽ごと直輸入して量り売りする店とか(いいなぁ~。いつかやってみたい)
店主がソムリエの資格とっちゃって、自らフランスへ行って買いつけてくる店とか(神ですね。パチパチ)
当たり前ですが「売れる店は売れる、売れない店は売れない」なんですわ。
うちの店は
おかげさまでボージョレ・ヌーボーだけは毎年早々に完売させていただいてます。
現在、予約で仕入れの半分以上いきました。
ありがとうございま~す!
去年のヌーボーはユーロ高のせいで
どこも価格跳ね上がりました。
あの1991年の悪夢再びか、と危惧したものの
消費者も、流行としてでなく
新鮮でおいしいとか、秋の風物詩といった感じでとらえてくださるようになったんで
販売数に変動なしで安堵したものです。
ああ、それで
最初に書いたんですが
毎年「今年は出来がいい」と繰り返されてるのはホンマか?について。
これ、あながちウソではないんですよ。
というのはですね
ブドウって、秋に収穫するんですが
その前の、夏の気温が高かったり
日照時間が多かったり(要するに、雨の日が少ないってことね)すると
糖度が増すらしいんです。
「らしい」とあやふやな書き方をするのは
私がブドウを栽培したことがないからですよ。
ここんとこ地球温暖化で
フランスも例外ではなく
夏はむちゃくちゃ暑いそうです。
去年だっけ。ヨーロッパを異常熱波が襲って
気温50度とかになってたの。
多治見の46度がひれ伏すくらいのトンデモ温度じゃないすか。
しかしブドウの出来はすごくよかったんですよ。
だから
ここんとこずっと
「出来はいい」はずなんです。
でも
「今年は100年に一度の出来」っていうフレーズを
何度も聞いたことがあるのも事実です。
私まだ半世紀も生きてないんですが…。
まあ
「100年に一度」と表現されるくらい素晴らしいのが
頻繁に訪れてくるくらいブドウの出来がよくなってきてるんだと
好意的に解釈してください。
私は売る立場なんで
「何回100年に一度が来てるんじゃボケ~~~!」
とは言えませんので。
いよいよ解禁です。
いつもはヌーボーを飲まない方も
今年は売り場であれこれ選んでみたらいかがでしょうか。
お店の人、喜びますよ~。
早く売っちゃいたいんだもん
せっかくボージョレ・ヌーボー解禁なので
売る立場からの視点で書いてみます。
今日は前日です。
ボージョレ・ヌーボーがうちの店に配送されてきましたよ。
「11月20日午前0時以前の販売禁止」
と書いたステッカーが箱にどーーんと貼られてます。
これはルールだから守らなくちゃいけないのよね。
なんぼお得意さんでも、ダメ。売らないですよん。
毎年「今年のヌーボーはできがいい」と報道されますが
こう毎年毎年同じこと言われると
ほんまかいな?と思ってしまいますね。
まあそのことはあとで書くとして。
ボージョレ・ヌーボー
大半の方は
スーパー・コンビニ・ディスカウントストアでお買い上げになるのではないでしょうか。
うちは酒屋なんですが
ボージョレ・ヌーボー置かない酒屋とても多いですね。
なんでか?そりゃ売れないからですわ。
ボージョレ・ヌーボーが一躍脚光を浴びたのは
1990年です。
この年のヌーボーはすごくおいしかったんです。
うちのような田舎の酒屋でも
何人ものお客さんが「おいしかったからまた買いに来たよ!」
とリピートされたくらいです。
メーカーは
前年の実績から判断して輸入量を決めていますから
この突然のバカ売れにうれしい悲鳴だったことでしょう。
しかしヌーボーはあらかじめ契約しておいた量しか入手できませんから
いくら追加注文があっても、なんともならなかったんですね。
その次の年は
各メーカーも前年よりはるかに大量のヌーボーを輸入。
各酒屋もたくさんのヌーボーを仕入れました。
ところが
全然うれましぇ~ん。
日本人が熱しやすく冷めやすいというのを実感した出来事でありました。
もうメーカーも問屋も酒屋も、不良在庫となったヌーボーの山を見て
「二度と仕入れんぞ」と思ったことでしょう。
まあバブル崩壊という背景もありましたしね。
うちなんか、次の年の年末に棚卸ししたら
まだ1箱ありましたよ。
すでにヌーボーの意味なしですがな。
どうやって処分したのか覚えてません。
つか、記憶に残したくなかったんでしょうね、あの悪夢は。
あの一件でボージョレ・ヌーボーを扱わなくなった酒屋は多いです。
その後、規制緩和でスーパーがワインを販売できるようになったこともあり
あちこちの酒屋は廃業したりコンビニに転換したりで
ますますヌーボーを扱う酒屋は減っていきました。
ヌーボーは新酒なんだから
早いうちに飲まなきゃ意味ないですしね。
寝かせて熟成するわけじゃないし。
ということは
早く売っちゃわないとだめなんですよ。
だから
ただでさえ顧客が減ってきている酒屋は
置きたくないんですよ、ヌーボー。
残っちゃったらどうしようもないもん。
だからみんなスーパーで買う。
この悪循環になってしまってます。
もちろんそんな酒屋ばかりじゃなくて
樽ごと直輸入して量り売りする店とか(いいなぁ~。いつかやってみたい)
店主がソムリエの資格とっちゃって、自らフランスへ行って買いつけてくる店とか(神ですね。パチパチ)
当たり前ですが「売れる店は売れる、売れない店は売れない」なんですわ。
うちの店は
おかげさまでボージョレ・ヌーボーだけは毎年早々に完売させていただいてます。
現在、予約で仕入れの半分以上いきました。
ありがとうございま~す!
去年のヌーボーはユーロ高のせいで
どこも価格跳ね上がりました。
あの1991年の悪夢再びか、と危惧したものの
消費者も、流行としてでなく
新鮮でおいしいとか、秋の風物詩といった感じでとらえてくださるようになったんで
販売数に変動なしで安堵したものです。
ああ、それで
最初に書いたんですが
毎年「今年は出来がいい」と繰り返されてるのはホンマか?について。
これ、あながちウソではないんですよ。
というのはですね
ブドウって、秋に収穫するんですが
その前の、夏の気温が高かったり
日照時間が多かったり(要するに、雨の日が少ないってことね)すると
糖度が増すらしいんです。
「らしい」とあやふやな書き方をするのは
私がブドウを栽培したことがないからですよ。
ここんとこ地球温暖化で
フランスも例外ではなく
夏はむちゃくちゃ暑いそうです。
去年だっけ。ヨーロッパを異常熱波が襲って
気温50度とかになってたの。
多治見の46度がひれ伏すくらいのトンデモ温度じゃないすか。
しかしブドウの出来はすごくよかったんですよ。
だから
ここんとこずっと
「出来はいい」はずなんです。
でも
「今年は100年に一度の出来」っていうフレーズを
何度も聞いたことがあるのも事実です。
私まだ半世紀も生きてないんですが…。
まあ
「100年に一度」と表現されるくらい素晴らしいのが
頻繁に訪れてくるくらいブドウの出来がよくなってきてるんだと
好意的に解釈してください。
私は売る立場なんで
「何回100年に一度が来てるんじゃボケ~~~!」
とは言えませんので。
いよいよ解禁です。
いつもはヌーボーを飲まない方も
今年は売り場であれこれ選んでみたらいかがでしょうか。
お店の人、喜びますよ~。
早く売っちゃいたいんだもん