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受験参考書の思い出・数学編

2009-03-06 20:22:34 | 受験
前回は英語の参考書の思い出を書きましたが
今日は数学について書いてみます。

私は文系だったこともあり
数学は得意ではありませんでした。
でも何故か好きな教科のひとつだったんです。
いわゆる「へたの横好き」と言うやつですね。

どんな教科でもそうでしょうが
特に数学と国語は
生まれ持った「センス」が物言うと思いませんか。

例えば数学は、答えはひとつだけです。
しかしその答えに至る方法は、何種類もあります。
数学のセンスのある人は、問題をざっと読んだだけで
答えを導くのに一番てっとり早いやり方がひらめくみたいですね。

私のようにセンスのない人は
「こう解くのかなぁ…あれ、違うみたい。じゃ、こっちかなぁ…。
 んーと、これでここの数字がわかったから、こっちに当てはめて…。
 あ~めんどくせ。もひとつ同じようにして数字だして、両方あわせて
 できた~!」

などと、計算用紙が真っ黒になるくらい計算しまくって答えを出すのですが
いわゆる数学人間と呼ばれる人の計算式をみたら
すっげえシンプル!美しい!
え?こんな単純な式で解けるの?と目からウロコです。
私のやりかたなんてまるで
最寄り駅から目的地へ行くのに
電車1本で済むところを
途中下車して地下鉄に乗り換えて
また途中からバスに乗り換えて
またまた元の路線の電車に乗るようなもんです。

こんな私が持ってた参考書は
今でも高校生のベストセラー「チャート式数学Ⅰ」。
当時は1種類しかなかったチャート式ですが
今は赤だの青だの黄だの
レベル別に色分けされています。
うちの息子の高校は、青チャートを授業に採用しています。

でもねえ
チャート式って、正直言って、私はダメでした。合わなかったよ。

数学できる人には、いいと思います。
だから参考書の定番になってるんだしね。
だけど、問題の解説が、なんか不親切な感じしたんですよ。

解き方の途中式が載ってるんですけど
その途中式の途中が(変な表現ですみません)
いきなり飛んじゃってたりするんです。

だから
「なんでこの式の次がこうなるの?え~、どうしてこの式から次はこんな数字が出るの?」
と、説明が書いてないので考えなければなりません。
う~ん、う~ん、と考えてる時間がかなりロス。
わかんないからちょっと休憩、と
寝転んだり音楽聴いたりコーヒー飲んだり
結局時間だけが過ぎてゆく。

しかも
チャート式って、独特のニオイがしませんか?
あのニオイがどうも苦手で、私の中では
「せっかく起こった勉強意欲を、わざわざ減退させてしまう参考書」と位置づけられています。
まあ、今もニオイがあるのかどうかは知りませんけど。

その他に使った参考書は「なべつぐのあすなろ数学」。
これ、絶版ですが、非常に人気のあった参考書です。
今でもオークションで高値で取り引きされてるみたいですよ。
著者の渡辺次男先生は「大学受験ラジオ講座」も担当されてました。
確かねえ、参考書が袋とじになってたんですよ。
ハサミで切り開いて問題やった記憶があります。
ユニークでしたね。
ラジオ講座でのおだやかな語り口も覚えています。

ですが

私、これも合いませんでした(泣)。

今では何故合わなかったのかすら覚えてません。
最初の方で投げ出してしまいました。
一体何が起こったのか謎のままです。

「なんだよ、結局数学の参考書が理解できなかったのか」
と思われるでしょうが
いえいえ
私が大好きだった参考書があります。
それは

矢野健太郎「基礎をかためる数学Ⅰ」「解法のテクニック数学Ⅰ」

なんですよ。
矢野先生は言わずとしれた有名な数学者で、数学の著書も多いですが
この本は、マジよかった!
とくに「基礎をかためる数学Ⅰ」は
私のような文系人間には、これ以上ないくらいわかりやすい参考書でした。
この参考書のおかげで数学嫌いにならずにすんだようなもんです。
「解法のテクニック」は
今も書店に並んでいますが
書名は同じでも、矢野先生でなく
ちがう人が書かれた本になっているので
内容も違うんだろうなと憶測しています。

定番のチャート式や
熱烈なファンがたくさんいる「あすなろ数学」も
合わなかった経験から
参考書や問題集というものは
評判がよくても自分に合うかどうかわからないのだという
当然と言っちゃ当然のことを
実感した高校時代でした。
だからアマゾンのレビューなんかも
まるっきり信じてしまうものではないということですね。

ところで
今はチャート式って中学生用もあるし
英語とかもあるんですね。
息子が中1の時、チャート式中1英語を買ってやったんですが
登場人物が何人かいて(犬もいた)
ちょっとマンガ仕立てになってたのにびっくりしました。
だってチャート式って
解説が不親切な「ついてこれる奴だけついてこい」のイメージだったんで
そのあまりにユルい設定とのギャップがさぁ。