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音 と 団扇 の話

2011-06-24 19:20:12 | スローライフ

一応、理系のつもり。だけど、やることなすこと、支離滅裂。文才ないし、文系ではもちろんない。

根本のところが分かってないのに、 妙に理屈っぽい って嫌われるタイプの典型だと思う。

音が聞こえるってどう言うこと?

音は空気中を音波として耳に伝わる。真空中では伝わらない。音を伝える物質は空気である必要はない。水(液体)でも、鉄棒(固体)でも良い。糸電話での糸でも良い。但し、糸はピンと張っていなければならない。ピンと張っていないと振動が伝わらないのだ。

音波は鼓膜を震わせ、耳の中の器官を通して、脳に至って音として感じられる。骨伝導もある。一括りに説明するのは本当は難しい。

 

SPの話の中で低音を出すのは難しいと書いた。ピアノの基音 A0 27.5hz を再現するのはかなり困難。パイプオルガンの最低音は至難の業だ。

本当の超低域の音を出すには大型のSPが必要とも書いた。

かと言って、どんな小型SPでも、小学校にあるオルガンと大聖堂のパイプオルガンの音は聞き間違えようがない。パイプオルガンらしい音?を聞いて、人は十分区別できるのだ。

 

音は、通常、空気の振動となって伝搬される。 

誤解も招くことを承知の上で、団扇で音を説明する。

あまりに暑いので、団扇を作った。

一つは大きな団扇、もう一つは小さな団扇。材料は極薄い紙製。団扇の骨はない。

団扇の根本を摘んで、軽く振ると風が起きる。おーッ。涼しい。当然だが、大きな団扇から送られる風は小さな団扇より多い。

もっと涼しくしようと、早く振る、あれ、大きな団扇はよれよれになり、手元部分が振れるだけで、他はあまり動かない。風量は一向に増えない。その点、小さな団扇を早く振ると風の量は増える。

空気は軽いが重さはある。(空気に重さがないなら、台風でも、家は飛ばされない。車は箱形で良い。)ヤワな紙スコップで空気を素早く掬おうとするとスコップが変形し、空気はそこからこぼれてしまう。

それなら、紙スコップが変形しないように丈夫にすれば良い理屈だ。紙の厚さを増やす。竹ひごで補強する。いっそ、紙の代わりのアルミ板にすれば良いる。スコップはどんどん頑丈になる。その代わりどんどん重くなる。

スコップを動かすのには力がいる。重いスコップを動かすにはそれだけ力が必要になる。

小さな団扇を力一杯、懸命に振っても起こる風は僅か・・・・・無駄に疲れるだけだ。

 

以上、団扇の風を、音に置き換えて貰いたい。

大きな重い団扇が大口径のSPユニット、即ちウーファーである。小さな軽い団扇がツィターに当たる。

小さな団扇であっても、団扇からの風が左右に逃げないように(空振りしないように)、その周囲を囲えば、風は効率よく前に送られることになる?・・・・・蛇足だが、団扇を囲うホーンは効率を高めるには効果的なのである。

(かなり強引、無理無理説明・・・・ご容赦を!)

大口径のSPユニットを箱に入れずに机の上に置き、パイプオルガンの重低音の信号を入れる。さぞや、地を這うような低音が出ると思いきや、ぴーぴー・ガーガー

ラジカセの低音の方がよほどましだろう・・・・、多分そう、比較したことはないので・・・・・

なぜそうなるのか?

音は振動板から空気の振動として周囲に広がる。振動板の表からも裏からも出る。問題は、両者の音の出る方向が正反対(位相が180度違う)でなのだ。

光は直進するが、音は回り込む。正反対の音がぶつかり合えば、打ち消し合う。完全に打ち消し合えば、音は出ない理屈だが、実際にはゼロにはならない。

この影響の度合いは波長が長い方ほど、つまり、低音が強い影響を受ける。結果として、出る音は高域に偏ることになる。

*SPと書く場合はSPユニットが箱に組み込まれたSPシステムを指し、SPユニットと書く場合は、ウーファー、ツィターなどの単体を指すことする。 

だから、SPユニットの振動板から出る前の音と後ろの音が混じらないよう遮断しなければならない。

部屋の壁に孔をあけてSPユニットを取り付けるのが無限バッフルである。

これは現実的ではないので、通常は、SPユニットはSPボックスに入れられる。SPボックス内に閉じこめられた音は、圧力となって暴れる。本来の音でないものが音となる、箱鳴り?と言う思わしくない現象を生む。もっとも、SPユニットを支えるフレームは振動板の反作用として振動するのも、箱鳴りの原因の一つである。

SPボックスは、余計な振動をしないように、不要音を吸収するため、内部に吸音材を貼ったり、板材体の厚みを増やしたり、補強したりして、箱鳴りを減らすべく工夫されている。

箱が大きければ大きいほど無限バッフルに近づく。SPユニットが本来、持っている特性に近づく。

丈夫な振動板持つ大口径のウーファーを無共振の厚いコンクリートの壁に取り付け、周波数の乱れを電気的に補正しつつ、強力なアンプで駆動すれば、理想的な低音再生ができる理屈である。

無限バッフルは理想にしても、大型密閉箱に入れるのが望ましい。

しかし、大きくなる>重くなる>大きくすると頑丈にしなければならなくなる>重くなる の連鎖が始まる。

 

小型密閉箱は箱内の空気密度が上がったり下がったりする。エアースプリングが効いて、振動板が動きにくくなる。音となる変換効率が落ちる。

折角出ているSPユニットの裏側の音を利用ができないかと言う発想も自然に生まれて来る。

SPユニットの裏側から出る位相を180度変えることができれば、前に出る音圧は2倍になる理屈である。

理屈どおりにはならないが、低音増強法としては幾つかの方法がある。

・バスレフ

・バックロード・ホーン

・音響迷路