株式会社インターネットは、人間の声をもとにした音声合成エンジン「VOCALOID 2」を採用したソフトウェア音源として、歌手で声優の中島愛(なかじま めぐみ)の声をサンプリングした、「VOCALOID2 Megpoid」(メグッポイド)を6月26日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は15,750円前後の見込み。対応OSはWindows XP/Vista。
クリプトン・フューチャー・メディアの「初音ミク」(キャラクター・ボーカル・シリーズ)と同様に、バーチャルボーカリストとして使用できるソフトウェア音源。初音ミクと同じく、ヤマハのサウンドテクノロジー開発センターが手掛けた音声合成エンジン「VOCALOID 2」を使用。インターネットでは第1弾として、2008年に歌手・Gacktの声をサンプリングした「がくっぽいど」を発売しているが、それに続く第2弾となっている。
中島愛は、オーディション「Victor Vocal & Voice Audition」でグランプリを獲得し、マクロスシリーズ最新作「マクロスF」の歌姫(ヒロイン)の1人、ランカ・リー役でデビュー。初々しい声優としての演技と、透明感のある歌声を披露。歌が重要な要素となる同作品で、シェリルと共に存在感を発揮し、第3回の声優アワードでは歌唱賞も受賞した。
Megpoidのイラストを担当したのは、「究極超人あ~る」や「機動警察パトレイバー」、「鉄腕バーディー」などで知られる、漫画家のゆうきまさみ。
なお、ソフトにはサンプル曲データとして、中島愛のオリジナル曲も収録予定。初回出荷限定版には、未発表写真を使ったブロマイドも同梱する。また、初回版/通常版ともに、ユーザー登録者を対象に、作成したボーカルパートと伴奏パートや音素材をミックスできるソフト「OPUS Express for Windows」を無償でダウンロード提供するという。
「VOCALOID 2」は、「VOCALOID EDITOR」を用いて、バーチャル・キーボードをマウスでクリックして音程を確認しながら、ピアノロール形式の画面に音符を書き込みメロディを入力。音程や音の発音の長さを視覚的に確認して入力/編集できる。
メロディに合わせて日本語/カタナカ/ローマ字のいずれかで歌詞を入力。音量、ピッチ、明るさ、口の開き具合、ビブラートなどが調整できる。「ジェンダーファクター」のコントロールも可能で、女性的、男性的、幼い声などに変化させることもできる。最大16人のシンガーを設定可能で、コーラスや合唱も可能。個々のシンガーの声を変化させることでバリエーションを増やした合唱もできる。
作成したボーカルデータはWAVファイルで書き出し可能。音楽製作用、映像編集用ソフトなどで読み込み、活用できる。ReWireやVSTiをサポートするシーケンサやDAWと併用することで、ボーカルトラックと伴奏の正確な同期も可能。MIDIキーボードを用いてリアルタイムで歌わせることもできる。