超空洞からの贈り物

様々なニュースや日常のレビューをメインに暗黒物質並に見つけ難い事を観測する、知識・興味・ムダ提供型共用ネタ帳です。

1枚で12TBも記録可能な世界最大容量のDVDディスク誕生?

2009年05月27日 20時59分39秒 | Weblog
だれでも普通にDVD-R感覚で使えるようになるみたい...

写真に動画に音楽に、もう毎日のように次から次へとデータが増えてきては、HDDの空き容量が減ってくるわ、データを焼いてHDDから消していこうにも、今度はどんどんとメディアもかさんでくるわで、まさに悲鳴を上げんばかりの状態の人って、けっこう多いんじゃないでしょうかねぇ?

でも、そんなあなたに朗報ですよ。なんてったって、これからは1枚のDVD-Rディスクさえあれば、一気に12TB(テラバイト)までデータ保存できちゃうんですから! ではでは、ちょこっと複雑ですけど、続きにて、この革新的な研究技術の詳細に迫ってみようと思います。

オーストラリアの研究者チームが開発に成功したという、新たなマルチレイヤー(多層)構造のDVDディスクには、なななんと1立方センチメートル当たり1.1TBという超大容量データを記録可能なんです! これがどれだけスゴいかっていうと、現在の一般的なDVDディスクの記録容量は、1立方センチメートル当たり、各層で51MBくらいに過ぎないとのことで、もうまったく比較にならないレベルの超大容量化になっているのが分かると思います。新開発のDVDディスクで、もし最高10層に及ぶマルチレイヤー構造が実現すれば、たった1枚のDVDディスクに、実に12TBものデータを保存することだって可能なんだとか。

どうやらこの新技術には、特定のスペクトルや偏光のレーザーにのみ反応する電子が含まれた、ゴールド製のナノ粒子を多用することで、同じエリアにでも、複数の異なる種類のデータを多層構造で記録できてしまう仕組みなどが関係しているようですね。レーザー反応を変えさえすれば、同じエリアに保存されていても、スムーズに別のデータを読み出せるようになるため、理論的には次々とマルチレイヤー化を進めることが可能。これにより、ホログラフィック技術を駆使したDVD大容量化プロジェクトをも上回る、驚異的な記録容量アップも夢ではないんだそうです。

あくまでも現在は実験が成功しただけの段階で、特殊な書き込みおよび読み出しシステムなどが要求されるため、まだまだ製品化には程遠いとのことですが、将来的には、DVD-Rのような、1度だけ大切なデータを書き込んでおいて、半永久的に保存可能なメディアとして、ごく一般的に使える技術にまで持っていくビジョンで、着々と計画が進んでいますよ。ちなみに難点としては、この研究技術だと、DVD-RWのような、何度でもデータの書き込みを繰り返せるような仕組みのメディアを作成するのは難しいようですね。まぁ、1枚のDVDディスクだけで12TBも書き込めるんだったら、そこまで望む必要はないのかもしれませんけど...

どれくらいの値段で利用できるようになるのかなど、まだ気になる点は多いですけど、これでもうHDDを続々と増設したり、部屋中がCD-RだのDVD-Rだので埋め尽くされたりする生活とも、きれいさっぱりお別れできそうですよね。求む、早期の低価格実用化というところでしょうか。

Adobe Reader/Acrobat、四半期ごとにセキュリティ更新を提供

2009年05月27日 20時29分08秒 | Weblog
米Adobe Systemsは、Adobe ReaderおよびAcrobatのセキュリティアップデートについて、今後定期的にリリースすることを、同社Adobe Secure Software Engineering Team(ASSET)の公式ブログで明らかにした。

 Adobe Reader/Acrobatのセキュリティアップデートは、今夏から四半期ごとにリリースされる予定。リリース日については、マイクロソフトの月例セキュリティ更新プログラムと同じタイミング(米国時間の第2火曜日)になるとしている。日本法人では、日本での対応については現在検討中としている。

 Adobeでは、Adobe Reader/Acrobatのエンジニアは2月以降、ソフトウェアセキュリティを主要プロジェクトとして取り組んでおり、プログラム開発ライフサイクルのセキュア化や、インシデント対応プロセスの改善を行っていると説明。4月に指摘されたAdobe Reader/Acrobatの2件の脆弱性についても、セキュリティチームのブログで随時対応状況を公表するとともに、5月12日には各プラットフォーム用の修正版が提供できたとしている。


やっと、対策に重い腰をあげたとおもったら…
日本では、検討中かいな。。。

いま一番攻撃を受けてるのに。
危機管理能力なさすぎ。
シェアの低下を招くのは確実。

MS、タッチスクリーン有機EL搭載プレーヤー「Zune HD」

2009年05月27日 20時25分52秒 | Weblog
米Microsoftは、タッチスクリーン式の有機ELディスプレイを装備したポータブルメディアプレーヤー「Zune HD」を今秋に米国で発売する。6月2日~4日まで米国サンフランシスコで開催されるゲーム関連イベント「E3」で披露される。価格や機能の詳細などは明らかにしていない。また日本での発売については「現時点では予定はない」としている。

 480×272ドットのタッチスクリーン式有機ELディスプレイを装備したポータブルメディアプレーヤー。HD解像度のビデオ再生機能も搭載し、Xbox 360向けのビデオサービス「Xbox LIVE Video Marketplace」にZune HDからアクセスし、コンテンツを購入/再生できる。

 米国のデジタルラジオサービス「HD Radio」に対応するほか、無線LANやWebブラウザ機能も装備。Zune music storeの楽曲のストリーミング再生なども行なえるという。ブラウザはタッチスクリーンを使って操作可能。HDMI出力を備えたドッキングステーションも別売され、Zune HDに収録した映像をテレビなどに720pで出力できる。

すごい魅力的なんですけども…
日本でも発売してくれませんかね?

初デートで「また会いたい」と思われるための5つのポイント

2009年05月27日 20時24分38秒 | Weblog
一回目のデートで失敗しては、二回目のデートを実現することはできないことから、「また会いたい」と思われることは、初デートの重要なポイントのひとつです。そこで、今回は「また会いたい」と思われるための5つのポイントをまとめました。

【1】女の子の話をよく聞くこと。
まずは相手の女の子について知ろうとする姿勢を大切しましょう。女の子の休みの過ごし方や趣味など、嫌がらない範囲で聞いてはいかがでしょうか。なお、事情聴取のようなやり取りにならないように、女の子の返答に対して、しっかりとリアクションするように心がけましょう。

2】自分の話は小出しにしておくこと。
一回目のデートで、自分の魅力をすべて知ってもらおうと、全力でアピールする男性もいるかもしれません。しかし、このような場合、一方的な男性の自慢話になり、女の子に「もっとこの人について知りたい」と思ってもらえない可能性があります。「この人は、もっと何かある。」「もっとこの人について知りたい。」と思って貰えるように、自分に関する情報は小出しにした方が良さそうです。

【3】次回のデート内容を提案してみること。
次回のデート内容について提案しましょう。女の子が提案したデート内容に興味を持てば、二回目のデートも約束できるかもしれません。デート内容という観点から、「次、会う時も楽しみ」と思わせることがポイントとなります。

【4】身だしなみを整えること。
当然ながら、身だしなみを整えていない男性は、いくら面白い話を披露したとしても、嫌われる可能性があります。身だしなみを整えることは、「また会いたい」と思われるための前提条件と言えるでしょう。

【5】ちょっと物足りないくらいで解散すること。
「もうちょっと話をしたい。」と思えるタイミングで、敢えて解散しましょう。過剰な満足度は「飽き」に繋がります。「ちょっと物足りない。」くらいでデートを終えることで、飽きることなく、次回も新鮮な気持ちでデートできるのではないでしょうか。

初デートにおいて、みなさんはどのようなことを意識されているでしょうか?

エスカレートする北朝鮮の挑発…次の手はあるのか?

2009年05月27日 18時44分31秒 | Weblog
北朝鮮は25日に核実験を実施したと発表、27日には兵器レベルのプルトニウム抽出のため、寧辺の核施設を再稼働させたとの情報も伝わった。国連安全保障理事会が追加制裁を科した場合などに、北朝鮮が取り得るさらなる挑発行為についてまとめた。

 <大陸間弾道ミサイル実験>
 北朝鮮は4月29日、国連安保理が科した先の制裁を謝罪しなければ、核実験と大陸間弾道ミサイルの発射実験を実施すると警告した。

 人工衛星名目で4月5日に行われたロケット発射は、米国本土への攻撃を可能にする長距離ミサイルの実験だったとみられている。

 <さらなる核実験>
 弾頭に搭載可能な小型の核兵器を開発するために、北朝鮮は実験を重ねる必要がある。専門家によると、さらに複数回の実験が必要だが、他国から技術供与を受ければ、開発期間の短縮も可能だという。

 しかし、わずかなプルトニウム備蓄が実験によりさらに減少することや、プルトニウムを製造する寧辺(ニョンビョン)の一部施設が解体されていることから、北朝鮮にとっては極めて危険な賭けにもなる。

 <国境での銃撃戦>
非武装地帯での銃撃戦は、韓国と北朝鮮の双方で多数の兵士が絡む広範囲な戦闘に発展する可能性が高い。

 米国主導の大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)に韓国が参加を表明したことを受け、北朝鮮が韓国に戦闘を仕掛ける可能性は高まっている。PSIは、大量破壊兵器の取引が疑われる船舶を臨検するもの。

 北朝鮮はかつて、黄海沖で引き起こした韓国との軍事衝突で死者を出しているが、同様の衝突を再び起こす可能性はある。北朝鮮は黄海沿岸で短距離ミサイル増強に努めており、海上衝突には同ミサイルが使用される可能性もある。

 <全面戦争>
 全面的な戦争は考えにくい。専門家は、全面戦争が金正日政権に終えんをもたらし、朝鮮半島で大規模な破壊が引き起こされるだけでなく、おそらく飛び火した日本でも大きな被害が出る恐れがあると指摘。その場合、既に世界的な景気低迷で痛手を受けている同地域に、新たな経済危機をもたらすことになる。

 在韓国米軍司令官は、有事の場合、米韓両軍は北朝鮮を直ちに制圧できると語っている。

 <拘束中の米ジャーナリストの命運>
 北朝鮮は、「敵対的な行動」を取って入国したとして、3月から拘束している2人の米国人ジャーナリストについて、6月4日から裁判を始める方針。アナリストは、北朝鮮が2人を人質として利用しているとみており、その命運は北朝鮮が米国に対し、敵対的な態度を増長させるかどうかによるという。

オーロラが照らし出す巨大な大気波

2009年05月27日 18時39分48秒 | Weblog
オーロラ内部の荷電粒子の観測から、巨大な大気波の実像が明らかになった。大気波とは大気中にできる波の総称で、地球上空でクラッシュする大気波は、人工衛星を危険にさらす可能性もある。

 大きな運動量を持つ強風が、山などの地形、あるいは雷雨やハリケーンなどの大規模な大気擾乱(じょうらん)に衝突すると、その“爆発”によって見えない“衝撃波”が発生し、時速数百キロで全方向に広がっていく。その波動は数百キロ上空の成層圏まで到達し、海岸で砕ける波のように電離層と衝突することがある。

 ただし、大気波は「波打ち際」で止まらない。微弱な波動が電離層内部に達し、その際に発生した熱による電気的な乱れが、人工衛星の動きと機能に影響を与える恐れがあるのだ。

 巨大な大気波が観測されたのは今回が初めてではない。しかし、これほど正確なデータが得られた例はなく、波動が大気の上層部で確認されたこともなかった。

 今回、画期的な観測結果が得られたのは、新モジュール式インコヒーレント散乱レーダー(AMISR:Advanced Modular Incoherent Scatter Radar)と呼ばれる新しいレーダーシステムのおかげだ。このシステムは最近アメリカのアラスカ州とカナダの北極付近に設置されたもので、これを使えば最前列でオーロラ(北極光)を観賞できる。

 太陽から放出された荷電粒子が地球の磁場に衝突して極地に流れ込むと、大気との相互作用によって色の光が生じる。これがオーロラの揺らめきだ。オーロラの荷電粒子をAMISRで追跡すれば、目に見えない大気波の実像をつかむことができる。空気中を漂うほこりに光を当てることで、そよ風を“見る”ことができるのと同じだ。

「このレーダーによって波動の立体写真を撮ることができる」と、研究結果をまとめたマイケル・ニコルズ氏は説明する。同氏はカリフォルニア州にある非営利独立研究機関スタンフォード研究所(SRI International)で大気の研究をしている。

「その写真から波動が広がる方向を読み取り、エネルギーが蓄えられるプロセスや場所に関する情報を得ることもできる。このようにして宇宙天気に関する理解が深まれば、電力網などの地球上のシステムやGPSなどの衛星通信システムが受ける影響もわかるだろう」

かつての捕鯨場にセミクジラ復活の兆し

2009年05月27日 18時38分58秒 | Weblog
かつての捕鯨場でタイセイヨウセミクジラ特有の鳴き声が検知された。この希少種の未来を照らす明るいニュースだ。

 タイセイヨウセミクジラの鳴き声が録音されたのは、グリーンランド南端フェアウェル岬沖合の、かつて捕鯨が盛んに行われていた海域である。

「この海域に生息するクジラは、確認済みの個体数を上回る可能性が大きい」と、今回の研究でリーダーを務めたオレゴン州立大学のデビッド・メルリンガー氏は語る。

 1800年代後半、フェアウェル岬沖の捕鯨場でセミクジラが乱獲され、絶滅寸前まで追いやられた。そのため過去50年間、この海域ではわずか2頭しかその姿が目撃されていない。セミクジラは世界的にも約350頭しか生息が確認されておらず、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは絶滅危惧種に指定されている。

 メルリンガー氏の研究チームがフェアウェル岬沖に設置した水中録音機は、2007年7月から2008年7月までの間にセミクジラの鳴き声を約2000回記録した。研究チームは少なくとも3頭以上の個体が鳴き声を発したと推測している。

「タイセイヨウセミクジラは通常、夏季にはアメリカのニューイングランド沖やカナダのノバ・スコシア沖でプランクトンを食べているため、今回のフェアウェル岬沖のクジラは未知の種ということも考えられる。この海域に移住してきたのか、以前からずっと生息していたのかは不明だ」と同氏は解説する。

 現在、フェアウェル岬沖で捕鯨は行われていないが、それとは別の危機がこの海域の生物を脅かす恐れもある。例えば、今後数十年のうちに北極から氷が消失するとの予測を立てている気候モデルがある。

 予測通り氷がなくなればセミクジラの回遊ルートを横切る新航路が創設される可能性がある。メルリンガー氏によると、人間の関与によってセミクジラが命を落とす事故の中では船舶との衝突が多いという。「そのような航路ができると、冬に備えて南下するセミクジラの回遊ルートと重なることになってしまう」と同氏は指摘した。

 今回の研究成果は先週、アメリカのオレゴン州ポートランドで開催されたアメリカ音響学会の年次会合で発表された。

太陽表面で宙返りする炎

2009年05月27日 18時38分09秒 | Weblog
 太陽表面から上層大気に向けて噴き上がる紅炎(プロミネンス)。自ら宙返りをしているようだ。5月15日にNASAの太陽調査プロジェクト「STEREO」の探査機が撮影したビデオからの珍しい1コマである。

 紅炎は太陽表面から噴出する比較的低温の高密度ガスで、写真のように輪を描くこともあるが直線的に立ち上ることも多い。巨大なサイズになると宇宙空間に向け数十万キロの高さに達する場合もある。現在のところ、紅炎の発生要因について確かなことはわかっていないが、おそらく太陽の磁気活動によるものと考えられている。

細胞内に直接“注入”、ナノテク注射針

2009年05月27日 18時37分22秒 | Weblog
注射嫌いの人に朗報だ。いずれ医者が「まったくチクっとしませんよ」と言う日が来るかもしれない。最新の研究によると、人間の毛髪の1000分の1の細さしかないナノレベルの新しい注射針が開発された。金メッキが施されたこのナノ注射針により、薬剤成分の微粒子を各細胞内の小器官にピンポイントで送達することが可能になるという。

 薬物療法においてもっとも重要で難しいのは、対象となる細胞やその内部小器官(オルガネラ)だけが、血液中に放出された薬剤成分に対して適切に吸収・作用するよう、薬を投与することである。

 新しく開発されたナノ注射針では、対象の細胞小器官に薬剤成分を直接“注入”するため、この問題が回避できると期待されている。

 研究チームの一員でアメリカにあるイリノイ大学の分子生物学者、ユ・ミンフェン氏は次のように話す。「微量の薬剤成分を正確に細胞に送り届ける強力なツールが手に入った。まず問題の細胞組織を一度体内から摘出し、ナノ注射針で注射を行った後、再び体内に収める。この方法により、病状に応じた適切な経過観察・診断・処方を行うことができる」。

 ナノレベルの注射針という発想は決して新しいものではない。過去数十年にわたり、何人もの専門家が極小の注射器による細胞への直接注射を実現しようと試みてきた。しかし、これまでの注射針はまだまだ作りが粗く、注射の際に細胞に損傷を与えてしまっていた。

 そこでユ氏の研究チームは、薬剤を噴出してしまう注射筒ではなく、空洞のない高強度の注射針を設計した。通常の注射器とは異なり、ナノ注射針は空洞を必要としない。この方式を採用したことにより、直径50ナノメートル(1ナノメートル=10億分の1メートル)という“細胞に優しい”医療器具の開発に成功したのである。従来のナノ注射器が数百ナノメートルの直径であったことを考えれば、今回の技術の革新性が伝わるだろう。

 注射筒を使わない最新ナノ注射針では、薬剤成分の微粒子は、連結用粒子の働きにより金でできた針の薄い外層に添加される。そして針が細胞小器官に入り込むと、薬剤粒子が解き放たれる。

 細胞よりも小さい内部小器官を“狙い撃ち”にするとなると、途方もない精度の射撃技術が必要に聞こえるかもしれない。たしかに現在のところ、ナノ注射針を使いこなせるのは、高性能顕微鏡を巧みに操る技術者だけだ。

 しかし、ユ氏の研究チームはプログラミング可能な次世代のナノ注射針の開発に取り組んでいる。複数の細胞を標的にして同時かつ自動的に薬剤を注入できるようになるという。ナノ注射針がごく一部の専門技術者の手から解放され、身近になる日も近いだろう。

ホモ接合型の有機EL素子で3原色発光

2009年05月27日 18時34分02秒 | Weblog
現在、研究開発が進むヘテロ接合と異なるホモ接合型の有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を東京大学と科学技術振興機構のチームが開発した。

低コストで作れ、電力消費量も小さくてすむディススプレーや照明器具の実現が期待できる成果、と研究チームは言っている。

科学技術振興機構・戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ERATO)の研究総括を務める中村 栄一・東京大学大学院理学系研究科教授と、辻 勇人・同准教授、佐藤 佳晴・科学技術振興機構研究員らが開発した素子は、構造が簡単であるのが特徴。現在、開発の主流となっているヘテロ接合と呼ばれる有機EL材料が、異なる種類の有機多層薄膜を重ねた構造であるのに対し、ベンゾジフランにカルバゾールという原子団を結合させた非晶質材料薄膜をインジウムスズ酸化物(陽極)とアルミニウム金属(陰極)で挟んだ形をしている。

非晶質材料としては世界最高レベルの電荷移動度を示し、蛍光、リン光それぞれのEL発光と青・緑・赤の3原色EL発光に成功した。

~以下、詳細~

東京大学大学院理学系研究科化学専攻および科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ERATO)中村活性炭素クラスタープロジェクトの研究総括である中村栄一教授と東京大学の辻勇人准教授、中村活性炭素クラスタープロジェクトのグループリーダーである佐藤佳晴研究員らの研究グループは、2007年に亜鉛を用いた分子内環化を鍵反応として、酸素原子を含む縮環π電子共役系化合物である「ベンゾジフラン」を母核とする多様な誘導体の新しい合成法を開発するとともに、ベンゾジフラン誘導体の非晶質薄膜が高い正孔(正電荷)移動度を持つ新規p型半導体材料となることを発見・報告した。

今回、ベンゾジフランに「カルバゾール」という含窒素縮環π電子共役系原子団を結合させることで、非晶質材料としては世界最高レベルの電荷移動度(正孔: 3.7 x 10-3 cm2/Vs、電子:4.4 x 10-3 cm2/Vs.飛行時間法による値)を示す両極性材料(略称:CZBDF)を開発し、この材料を用いて「ホモ接合」と呼ばれる簡単な構造を持つ有機EL素子を作製し、蛍光およびリン光色素による青・緑・赤の三原色EL(エレクトロルミネッセンス)発光に成功した。

CZBDFは,発表者らが開発した亜鉛を用いた分子内環化反応に基づき合成した.この新規両極性材料CZBDFを用いて、ホモ接合型有機EL素子を真空蒸着法により作成した。
すなわち、ガラス基板上のインジウムスズ酸化物(ITO)透明電極を陽極とし、その上に順次、厚さ150~200ナノメートルの有機薄膜、アルミニウム金属(陰極)を真空蒸着により形成した。

この有機薄膜は、CZBDFを単一のマトリックス(ホスト)として、陽極から30ナノメートルの範囲は無機酸化剤(五酸化バナジウム)との共蒸着によるp型ドーピング、陰極から20ナノメートルの範囲は還元剤(金属セシウム)との共蒸着によるn型ドーピングが施されている。
これにより、電極からCZBDFへの電荷注入ならびに電荷輸送を容易にしている。また、酸化剤・還元剤がドープされていない中間層(厚さ50~100 nm)には、青色・緑色蛍光色素、または赤色リン光色素を各々ドープすることで、三原色発光を実現した。特に緑色蛍光素子は6万カンデラ/m2という高輝度において外部量子効率4.2%と、蛍光有機EL素子効率の理論限界(5%)に迫る効率を示した。

このような今回の成果は、新材料CZBDFがもつ以下の性質に依るものであると考えられる。すなわち、(1)高バランスかつ高移動度を持つ両極性であること、(2)HOMO/LUMOエネルギー差が十分大きい(3電子ボルト程度)ワイドギャップ材料であること、(3)発光色素に効果的に電荷を閉じこめることが可能なこと、である。

現在主流の有機EL素子は、5~6種類の異なる材料の有機薄膜を積層したヘテロ接合構造を持つのに対し、今回のような単純なホモ接合型有機EL素子により三原色発光ならびに高効率発光が実現できたことから、今後さらなる新しい材料の開発や素子構造の最適化検討により、低コスト・高効率有機ELディスプレイや照明の開発につながると期待される。
また、有機発光ダイオードと同様の多層構造をもつ有機薄膜太陽電池等への展開も期待され、有機半導体デバイスの構造のパラダイムシフトが加速するものと予想される。