鋼鉄の男「スーパーマン」も、これにははね返されそうだ。最新の研究によると、大質量の恒星が寿命を迎えて超新星爆発を起こし、重力崩壊により収縮したコア(中心核)が残ると、とてつもない強度の物質が生まれるという。残ったコアは「中性子星」と呼ばれる天体となる。最新のコンピューターモデルにより、中性子星の外殻が、宇宙で存在が確認されている物質の中で最大の強度を有することが判明した。
中性子星の外殻が持つ限界強度(破断点)を判定するため、研究チームは表面の小さな領域を想定し、磁場応力(磁場の内部で生じる力)と、それに伴う外殻変形に関するモデルを構築した。検証の結果、外殻の強度は、鋼鉄の破断強度(断ち切る圧力)の最大100億倍であることがわかった。チームのメンバーでアメリカにあるインディアナ大学のチャールズ・ホロヴィッツ氏は、「ある程度予想はしていたが、まさに圧倒的な数値だ」と話す。
中性子星は、ブラックホールに次いで宇宙で2番目に密度の高い天体である。中性子星の物質はティースプーン1杯ほどの量で、地球上では約1億トンの重さになる。その固体状の外殻の内部には、通常の星とは異なり超高密度の亜原子粒子の“スープ”がたまっていると考えられている。
外殻は信じられないほど頑丈だが、それでも中性子星自らの強力な磁場による応力により壊れることがあるという。研究チームは、そのような外殻の破断が「マグネターフレア」と呼ばれる現象を引き起こしているのではないかと考えている。マグネター(magnetar)とは中性子星の中でも特に磁場の強い星のことで、膨大なエネルギーのガンマ線バースト(マグネターフレア)を発生させることがある。
また、今回のコンピューターモデルでは、中性子星の表面に不規則に並んだ“山”のような盛り上がり部分についても新たな発見があった。このような表面の不規則性は重力波生成の一因と考えられている。
重力波は大質量の回転天体から光速で伝播する時空構造内の波動とされ、完全に球対称な運動では生じないと考えられている。最新モデルで計算を行ったところ、中性子星の表面にできる山は巨大な頂というよりも星の“鳥肌”のようなものであることがわかった。「このような山は幅数キロメートルにおよぶこともあるが、高さはわずか約1センチしかない」とホロヴィッツ氏は話す。
中性子星の外殻が持つ限界強度(破断点)を判定するため、研究チームは表面の小さな領域を想定し、磁場応力(磁場の内部で生じる力)と、それに伴う外殻変形に関するモデルを構築した。検証の結果、外殻の強度は、鋼鉄の破断強度(断ち切る圧力)の最大100億倍であることがわかった。チームのメンバーでアメリカにあるインディアナ大学のチャールズ・ホロヴィッツ氏は、「ある程度予想はしていたが、まさに圧倒的な数値だ」と話す。
中性子星は、ブラックホールに次いで宇宙で2番目に密度の高い天体である。中性子星の物質はティースプーン1杯ほどの量で、地球上では約1億トンの重さになる。その固体状の外殻の内部には、通常の星とは異なり超高密度の亜原子粒子の“スープ”がたまっていると考えられている。
外殻は信じられないほど頑丈だが、それでも中性子星自らの強力な磁場による応力により壊れることがあるという。研究チームは、そのような外殻の破断が「マグネターフレア」と呼ばれる現象を引き起こしているのではないかと考えている。マグネター(magnetar)とは中性子星の中でも特に磁場の強い星のことで、膨大なエネルギーのガンマ線バースト(マグネターフレア)を発生させることがある。
また、今回のコンピューターモデルでは、中性子星の表面に不規則に並んだ“山”のような盛り上がり部分についても新たな発見があった。このような表面の不規則性は重力波生成の一因と考えられている。
重力波は大質量の回転天体から光速で伝播する時空構造内の波動とされ、完全に球対称な運動では生じないと考えられている。最新モデルで計算を行ったところ、中性子星の表面にできる山は巨大な頂というよりも星の“鳥肌”のようなものであることがわかった。「このような山は幅数キロメートルにおよぶこともあるが、高さはわずか約1センチしかない」とホロヴィッツ氏は話す。