ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

兼題は〝爽やか〟

2019年10月09日 | 俳句

 今日は水曜日、健康体操の日でした。とてもいい天気でしたが、昨夜の寒かったこと、見ると最低気温16度だったんですって。ああ、こうやって一日一日と秋が深まっていくのだなあと…でも、その前に台風19号ですよ。

 台風情報によると、明日10日(木)朝の時点でも猛烈な勢力を維持する予想で、このあとは進路を少しずつ北寄りに変えて、12日(土)から13日(日)早朝に東海から関東にかなり近づき、上陸するおそれがあるとか。その段階でも中心付近の最大風速は40m/s前後、最大瞬間風速は60m/s近いらしく、暴風域が広いため、接近前から暴風が吹き荒れますなどと、恐ろしいことを言っています。

 その進路を見ると、以前の予想より少し西寄りで北上するようすなので、九州や山口は進路から外れそう…ウレシイ!と思う反面、また関東方面、特に千葉の方に被害が出るのではと思うと、とても気の毒になります。まだ復旧してないところがたくさんあるのでしょうに。

 ところで、昨日は俳句教室でした。兼題は〝爽やか〟で、秋の季語。これは基本的には大気が澄み切って、遠くの山々などがくっきり見える秋という時候の特色を表す季語です。しかし、気持ちがよくてすがすがしいという気分的なものにもよく使われます。

  爽やかに山近寄せよ遠眼鏡         日野草城

  夕方の顔が爽やか吉野の子         波多野爽波

 前句は、山がくっきり見えるという大気の爽やかさです。何もしなくても秋はくっきり見えるのですが、この句は更に望遠鏡で見て、もっともっと山を近寄せて見せてくれと…遠眼鏡を擬人化して詠んでいます。それほど良く澄み渡っていたということでしょうか。後句は、夕方の下校の時かしら。とても爽やかな表情をしていた子の様子を詠んだ句でしょう。その解放感にあふれた様子は、「吉野」という土地柄のもつ爽快感でもあるのです。春の吉野は桜でにぎわいますが、今は秋の吉野。静かで落ちついた山のたたずまいも爽やかに感じられてきます。

 では、句会に出た句をみてみましょうか。やはり〝子らの挨拶〟〝見守り隊〟〝通学路〟などの定番の句材が何句も出ましたね。こういう朝の登校風景を詠もうとすれば、どうしてもありきたりになります。絶対いけないというのではありませんが、2、3年も経てば、「朝→登校→挨拶=爽やか」、即ち「1+1=2」というお決まりの句を詠むのは、そろそろ卒業してもいいのではと思うのですが…

 中におもしろい句がありました。〈爽やかや飲み薬なく満ち足りぬ〉という句。十分に言い得ていないのでやや理解しにくいですが、でも何となく興味の湧く句です。

 〝今までどこか悪くて薬を飲んでたのが、治ったから飲まなくていいの?それで満足したということ?〟と聞くと、〝いいえ、治りませんよ。飲んでも飲まなくても同じだから止めたんです〟と作者。〝エエッ、それじゃあ自分勝手に止めたの?〟すると、横から薬剤師のMさんが、〝それは、よくないですよ!ホントよ…〟と。

 聞くところによると、そのお医者様は毎月レントゲンを撮り血液検査をし、何種類も薬をくれるんですって。〝どうしてこんなに毎月しないといけないのですか?〟と聞いても納得いく説明をしてくれなかったらしいのです。そこで先生が替わるというきりのいいところで、行くのを止め薬も止めたんですって。それで、それ以後はなんともないの?と聞くと、ほら、このとおり元気ですよ…と。一体何の病気だったの???

 確かに町医者ではそういうところがありますね。私も、1週間前に医大で検査したのでと、その結果を持って行っても検査項目が違うからと言って、また血液を採られます。やっぱりいい気はしませんが、お医者様にはそれなりの理由があるのでしょうから…仕方なくです。さて、この句〈すつぱりと薬やめたり爽やかや〉と直しましたが、これではまるで麻薬か何かのような感じになりますね。まだ酒とか煙草ならいざ知らず、薬はいけません。ではと、〈すつぱりと薬断り爽やかや〉としてみましたが、どうでしょう? ウウン、まだまだですか。こういうのって難しい!また、考えてみます。
 
 写真は、昨日帰る時の〝鰯(いわし)雲〟。秋の季語で、〝鱗(うろこ)雲〟や〝鯖(さば)雲〟とも言います。
 
 
   
 

 

コメント (2)
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