ブログを書き始めてから、あーもっと早くからしておけばよかったなあと思うことしきりです。
いろいろと残しておきたいこと、もちろん俳句もそうですが、それらの思い出の記憶がどんどん曖昧になり、当時の感動はすっかり色を失いつつあります。やはり生の感動を残すにはすぐに書くことですね。
今ここに一つ是非書き残しておきたいことがありますので、書きます。
先日、稀勢の里のことを書いていて思い出したことですが、
それはもう1年以上前のことです。
一度でいいから相撲を観たいと、ずうーと思っていたんですが、なかなかチャンスがなくて、また、そんなに無理して観なくってもテレビで十分だわという思いもありました。
ところが、九州場所後の地方巡業ツアーが山口から出るという広告が目に留まりました。
「あ、行きたい!」と、忘れていた欲望がむらむらっと突き上げてくる。
でも、一人じゃね~ウーン~誰か行く人いないかしら…旦那に聞くと、「ダメ、ダメ、忙しい!」娘も「ダメいね~用があるものー」……ああ、やっぱり縁がないのかなあと、一度は諦めました。
でも、ダメモトで最後のあがき‼ 息子に恐る恐るそーっと、「相撲観に行かん?」と。
「いつ?どこであるんかね?」「誰もいかんって?ふーん…」「行っちゃげてもいいけど、お金は出してよね。」 うん、うん、もちろん出しますとも…
と、大人になってからの息子との初めてのバス旅行、と相成ったのでした。
行く先は福岡県の直方市体育館。平成27年12月10日、冬巡業「もち吉場所」です。
相撲初観戦と息子との初旅(?)、一生に一度の忘れられない思い出となりました。
このときばかりは晴女に似合わない雨が、会場近くなるにつれてザアーザアーと…、
これはきっと感激の涙だったんでしょうね。
いつもは憎らしいのが、やはり若いだけあって、とろとろしている私をみかねては、てきぱきと何でも処理してくれて、頼もしい息子でした。
席を確保したらまず弁当。おお、これぞまさしく幕の内弁当だ!と食べました。3500人の満員です。
いよいよ、力士たちの入場。その前に、人気力士とちびっこたちの稽古。かわいい!
琴奨菊も出てたかな?と思うのですが…彼はこの近くの柳川市出身ですもの、出場する度に拍手。
次の初場所では日本人力士として約10年ぶりの優勝をするし、さらに結婚と、当時は話題の中心でしたから…
順番忘れたけど、ここ直方市出身の懐かしい元大関魁皇へ、小学生からの感謝状授与もありましたね。
お笑い芸人の「たか&とし」も来ていて、たかさんが子供相撲に出ていたっけ。
会場中が笑いでひとしきり盛り上がって、いよいよ本番です。
序二段、3段目、幕下の取組みが済み、「相撲甚句」「初切」「櫓太鼓打分」と初めてのものばかり。
いよいよ十両の土俵入り、髪結の実演もありました。
中入後、幕内土俵入りと横綱土俵入りも始まります。
その入場を待って並んでいる中に、あ、稀勢の里、あ、日馬富士、ああ、白鵬も…もう感激です。
見ると、フアンがみんな駆けつけてはサインを求めたりしています。写真も撮っていますよ。
私も、しばらくは大人げないと我慢をしていましたが、でも羨ましい!
とうとう堪えきれずに、「私もサイン貰ってくるね」と、…やっぱり私にもミーハーの気があったんですね。
息子が「いいおばさんが恥ずかしいからやめろよ」というのも聞かず、飛び出したのでした。
すると、みんな賢いんですね、ちゃんと色紙とサインペンを用意して…と思いきや、入り口で売ってたそうな、残念。
でも、パンフに稀勢の里と豊響のサインはちゃんと貰ったんですよ。あまりよく見えないけど…
がんばってくださいと握手もしましたが、ホント稀勢の里は照れ屋さんですね。
豊響は山口県出身だから…わたし、山口から応援に来たんですよ、頑張ってーと言うと、笑ってくれました。
白鵬は最後に登場、さすが他の力士とは貫禄が違いました。
入場の時間が迫ってきているのに、私がまだもたもたしていると、「写真撮って来ちゃるよ」と、さっと前の方へ出て行って、撮ってきてくれました。感謝!感謝! (全ての写真は息子撮影です)
取組みは大したことなかったけど、地方巡業とは、まあこんなもんなのでしょうね。
でもやっと念願が叶い、もう思い残すことはありません。もちろん相撲に関してですよ。めでたし、めでたし。
ところで、今回私が一番感動したもの、何だったと思いますか?
実は鬢付け油の匂いなんです。会場に入って力士(もちろん下っ端の)と擦れ違ったとき、この甘~い匂い、何だろうと不思議でしたので、聞いてみました。
「この匂いは、もしかしたら鬢付け油ですか?」「ええ、そうですよ」と、逆に不審がられてしまいましたが。
でも、こんな匂いだったなんて…これ芸者さんと同じなんだろうななどと変なこと考えてしまいました。
体育館を出るときには、もう雨もやんで…あの「もち吉」のおかきのお土産を貰ってバスへ。
これで今回の話はおしまい、チョン!チョン!