安倍総理の「侵略の定義」発言、橋下大阪市長の「慰安婦・風俗活用」発言、猪瀬都知事の「五輪競合地批判」発言が国内のみならず国連や各国の人々から批判されています。また昨年来尖閣国有化問題で日中関係が戦後最悪の状態にありますが、このそもそもの原因を作ったのは「暴走老人」を自称する石原前都知事の尖閣都有化行動でした。更に彼は以前から中国を「シナ」と蔑称したり、「高齢女性は無駄」などと侮辱して来ました。最近流行の「ヘイトスピーチ」にも一部似たところがありますが、他人の嫌がるのを承知で侮辱を繰り返す根性はいじめっ子中学生のそれと何ら変わりません。親や教師(有権者)は決して視て見ぬ振りをしてはならないのです。
彼らに投票してきた有権者の皆さん、恥ずかしくありませんか。今世界の人々は日本国民の大多数が「侵略の定義」について安倍総理と、「慰安婦・風俗活用」について橋下大阪市長と、「五輪競合地」について猪瀬都知事と同じ考えを持っていると見ていることでしょう。
日本の首相、大阪市長、都知事といえば英国首相やパリ市長などに匹敵する日本のリーダーですが、後者のリーダーたちが世界中から批判を受けるような発言をしたという記憶はありません。いったい何が違うのでしょうか。
「国民はその民度相応の政治しか得られない」という言葉があります。つまり彼我の差は「民度」の差なのです。政治家は「言葉」を使って最善の道徳を実現する職業です。彼らに投票してきた有権者は真に政治家として相応しい人を選んでこなかったのではないでしょうか。
勝ち馬に乗ったり、利害や縁故で選んだり、組織が推しているとか、テレビで人気があったとか、言動が面白いとかで安易に投票してきませんでしたか。これらは全て真の政治家を選ぶ行為ではありません。候補者の言動を吟味し、思想を調べ、真に自分の理想に最も近い考えの人を選ぶべきなのです。かなり労力を要しますが、それが有権者の責務です。もっと政治に関心を持ち、労力を費やし、真剣に選び、そして必ず投票しましょう。棄権は最も民度を落とす行為です。
5月中旬まで沸きに沸いたアベノミクスは急速に萎み、今は逆に日本経済の破綻を早めそうな事態になっています。一方最近の新聞各紙の世論調査では有権者の大多数が脱原発を望んでいます。同じく大多数の人が現憲法の9条を始めとする平和条項と基本的人権を守ろうとしています。
このたびの都議選と参院選挙で大多数の有権者がアベノミクスでなく、「脱原発と護憲」のポイントで候補者を吟味し、投票すれば先の世論調査に現れた有権者の総意と大差ない選挙結果が得られることでしょう。よもや国民の総意と正反対の政治が行われることはありません。
そして、このようにして有権者がその「民度」を上げていくならば、例に挙げたような政治家不適格者を日本のリーダーとして選び出すような愚を避けることが出来るのです。