本ブログに「二兎を追うなかれ!」(20.11.21)を掲載しています。コロナ禍の中、命と経済(Go Toキャンペーン)の二兎を追うのでなく、先ず(国民の)命を優先すべしとの論旨でした。今回はその続編の位置づけで、命と東京五輪・パラリンピック(政権維持)の二兎を追うのでなく、先ず(世界の)命を優先すべしとの趣旨です。
この25日から東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に緊急事態が宣言されました。ただし期間は5月11日までの17日間です。折しも5月中旬に国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長の来日が予定されていて、それまでに宣言を解除しておかないと五輪開催が危うくなるとの思惑が感じられます。
しかし現在の第4波コロナ禍はこれまでと異なり、英国型変異株が多くを占めています。この変異種は感染力も重症化力も強く、とてもこの短期間で収まりそうもありません。それどころか最近はインド型二重変異株が我が国に上陸して既に5人ほど感染者が出ています。更にはインドで三重変異株が発見されたと報道されました。一方で頼みのワクチンですが、現在の接種者は総人口の1%程度で甚だ心もとなく、7月23日の五輪開会式までの3か月間でどれほどの人数に接種出来るか、全く読めていません。加えて二重・三重変異株を含め、南アフリカ型、ブラジル型などの新たな変異株の中にはワクチンの効きが悪いものもあります。
この状況の中で五輪・パラリンピック開催を強行することは我が国を含む世界各国からの選手、役員と国内ボランティア、国内観客を東京という坩堝に入れて感染の危険に晒すことになります。その坩堝の中で世界中のウィルスも入り混じってそれぞれの国に持ち帰らせることになるのです。菅政権は何としても五輪・パラリンピックを実施する意向です。そしてその実績を元に秋の衆院選で勝ちたいのです。そうすれば自民党総裁選での自身の続投も見えてくるのでしょう。しかしそれは世界中の人々の命と引き換えにすべきものではありません。
今五輪・パラリンピックを中止すれば放映権などの莫大な補償要求があるかも知れません。我が国の苦しい財政は益々逼迫することでしょう。また世界の代表選手の皆さん、更には観戦や放送を楽しみにしていた世界中の人々を落胆させることでしょう。しかし、それでも世界中の多くの命は救われるのです。我々はここで決して二兎を追ってはいけません。「命どぅ宝(命こそ宝)」なのです。
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