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黄帝内経素問 刺瘧篇 第三十六 第五節 語句の意味 3-3

2014-04-15 07:00:00 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

黄帝内経素問 刺瘧篇 第三十六

第五節

 瘧發身方熱、刺跗上動脈、開其空、出其血、立寒。

 瘧方欲寒、刺手陽明太陰、足陽明太陰。

 瘧脈滿大急、刺背兪。用中鍼傍伍胠兪各一、適肥瘦、出其血也。

 瘧脈小實急、灸脛少陰、刺指井。

瘧脈滿大急。刺背兪。用五胠兪。背兪各一、適行至於血也。

 瘧脈緩大虚、便宜用藥、不宜用鍼。

 凡治瘧、先發如食頃、乃可以治。過之則失時也。

 諸瘧而脈不見、刺十指間出血。血去必已。先視身之赤如小豆者、盡取之。

 

語句の意味 3-3

瘧脈滿大急。刺背兪。用五胠兪。背兪各一、適行至於血也。

鍼灸医学体系(語句の解)

*新校正には「詳するに此の条。瘧脈滿大というより此の注の終りに至って文と注と共に五十五字当に刪削すべし。經の文と前に次する經文と重複す。王氏随って之を注す。別に義例なし。士安の之を精審して復び出さざるに如かざるなり」とある。

 全くその通りであろう。

 

緩脈=かんみゃく。脈象の一種である。生理的と病理的なものがある。脈来が緩和であり平均していれば正常な人の脈象であり、脈来が弛緩して不均一であれば病脈であって、湿証や脾胃虚弱のものにみられる。

 

虚脈=きょみゃく。脈象の1つ。無力の脈

虚脈=①脈象の一種。広く大きな脈で触れ方が柔らかで力がなく、これを押すと空虚な感じがするもの。<脈経>「虚脈は遅大にして軟、これを按じて不足し、指を隠するに豁豁然として空なり。」<脈訣匯辨・みゃくけつかい(い)べん>「虚は四形に合す、浮、大、遅、軟なり。」②実熱証で刺絡を用いて血を瀉し、その熱を泄すること。<素問長刺節論>「これを刺して脈を虚す。」③充盈度不足の絡脈をさす。<霊枢刺節真邪篇>「其の虚脈を視て、これ経絡に陥するものこれを取る。」

 

便宜用藥不宜用鍼。

鍼灸医学体系 (訓読)

瘧して脈緩・大・虚なるものは、藥を用うるを便宜とし、鍼を用うるは宜しからず。

東洋学術出版社素問 読み

瘧の脈 緩・大・虚なれば、便ち藥を用うるに宜しく、鍼を用うるに宜しからず。

 

便宜=べんぎ。つごうがよい。便利。場合を見はからう。適当な処置。ねだんが安い。

 

先發如食頃乃可以治

鍼灸医学体系(語句の解)

・・・・・

そこで本文の「先発如食頃乃可以治」は

「先ず発して食頃の如くならば乃ち以て治すべし」

と訓じ、それは「発したらすぐ治療すればなおらないこともない」という程度の意味である。

王冰、馬蒔、張志聡の解はおかしいとしている。東洋学術出版社素問の訳は王冰等の説を採っている。

確かに、発病する前に治療するということは不可能に近い。

 

東洋学術出版社素問の読み

発するに先んずること 食頃の如くして、乃ち以て治すべし。

【現代語訳】

その発作の前、食事を取るほどの時に先んじて刺鍼すると、・・・・

 

食頃=しょくけい。食事をする位の時間。わずかな間。しばらく。<霊枢終始篇>「車に乗りて来る者、臥して之に休み、食頃の如きに之を刺す。」

 

漢方用語大辞典、明解漢和辞典、鍼灸医学体系、東洋学術出版社素問

 

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