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柴崎保三著・鍼灸医学大系 ⑥ 黄帝内経素問 気厥論篇 第三十七
第一節
(原文)
黄帝問曰。五藏六府寒熱相移者何。
岐伯曰。腎移寒於(1)肝、廱腫少氣。脾移寒於肝、廱腫筋攣。肝移寒於心、狂隔中。心移寒於肺、肺消。肺消者飲一溲二。死不治。肺移寒於腎、爲涌水。涌水者按腹不堅、水氣客於大腸、疾行則鳴、濯濯如囊裹漿。水之病也。
(1) 肝 全元起本並に甲乙經に脾に作る。これに従う。
(東洋学術出版社素問【注釈】腎移寒於脾 王冰の注本は「肝」に作るが、誤りである。今は『甲乙経』に従って改める。)
(訓読)
黄帝問うて曰く「五藏六府の寒熱相移すは何ぞや」と。
岐伯曰く「腎寒を肝(脾)に移せば廱腫少氣す。脾寒を肝に移せば廱腫筋攣す。肝寒を心に移せば隔中に狂す。心寒を肺に移せば肺消す。肺消すとは飲むこと一たび溲すること二たびす。死して治せず。肺寒を腎に移せば涌水を爲す。涌水とは腹を按ずるも堅からず、水氣大腸に客し、疾行するときは則ち鳴り濯濯として囊に漿を裹(つつ)むが如し。水の病なり。
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