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黄帝内経素問 太陰陽明論篇 第二十九 第一節 語句の意味

2013-09-12 09:00:00 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

黄帝内経素問 太陰陽明論篇 第二十九

第一節

 黄帝問曰。太陰陽明爲表裏、脾胃脈也。生病而異者何也。

 岐伯對曰。陰陽異位。更虚、更實。更逆、更從、或從内、或從外。所從不同。故病異名也。

 帝曰。願聞其異状也。

 岐伯曰。陽者天氣也。主外。陰者地氣也。主内。故陽道實、陰道虚。故犯賊風虚邪者、陽受之。食欲不節、起居不時者、陰受之。陽受之則入六府、陰受之則入五藏。入六府身熱、不時臥、上爲喘呼。入五藏則 (月に眞)満閉塞、下爲飧泄、久爲腸澼。故喉主天氣、咽主地氣。故陽受風氣、陰受濕氣。故陰氣從足上行、至頭而下行、循臂至指端。陽氣從手上行、至頭而下行、至足。故曰。陽病者上行、極而下、陰病者下行、極而上。故傷於風者上先受之、傷於濕者下先受之。

 

語句の意味

太陰=経脈の名称の一つ、脾肺両経の代名詞であり、陰気旺盛の意味がある。三陰経の最も表層にあるので、「太陰を開と為す」ともいわれる。

<霊枢根結篇>「太陰隠白に根ざし、太倉に結す。」

<霊枢九鍼論>「太陰多血少気なり、太陰出血悪気を刺す。」

<素問陰陽離合論>「中身より上、名づけて広明という、広明の下、名づけて太陰という。」

太陰経=手太陰肺経(てのたいいんはいけい)、足太陰脾経(あしのたいいんひけい)

この篇での太陰は脾胃をいっているので足太陰脾経をいう。

 

陽明=①経脈の名称の一つで、足陽明胃経と手陽明大腸経のこと。陽気の最も盛んなもの。

<素問陰陽離合論>「太陰の前を名づけて陽明という。」

<素問至真要大論>「陽明とは何ぞや。両陽合明なり。」

<霊枢根結篇>「陽明は兌に根ざし、顙大に結す。」

<霊枢九針篇>「陽明は多血多気なり。」「陽明を刺せば気血を出だす。」

②陽気が充満し光輝いている意味。

<素問血気形志篇>黄帝内経素問 血氣形志篇 第二十四 第一節 語句の意味

この篇では脾胃を言っているので足陽明胃経をいう。

 

表裏=黄帝内経素問 血氣形志篇 第二十四 第二節 語句の意味

 

陰陽・いんよう。中国古代の哲学理論で、古人の自然界の事物の性質及びその発展・変化の規則に対する認識である。

医学における陰陽学説は、古代の素朴唯物自然弁証の思想方法と医学的実践を結合した産物である。

すなわち陰陽の対立と統一、消長と転化という観点で人と自然界の関係を説明し、さらに医学領域における一連の問題を説明している。

1)解剖:人体の臓腑組織の属性を帰納する。たとえば

<霊枢寿夭剛柔篇>「是れが故に内に陰陽有り、外にまた陰陽有り。内に在りては五蔵を陰となし、六府を陽となす。外に在りては筋骨を陰となし、皮膚を陽となす。」

2)生理:人体の生理機能を分析する。たとえば陰は物質の貯蔵を代表し、陽気のエネルギーの源である。

陽は機能活動を代表し、外を衛って陰精を固守する作用を有する。

<素問生気通天論>「陰は精を蔵して起こること亟(すみ)やかたり。陽は外を衛り固むるをなすなり。」

3)病理:病理変化の基本的規律を説明する。

<素問陰陽応象大論>「陰勝れば則ち陽病み、陽勝れば則ち陰病む。陽勝れば則ち熱し、陰勝れば則ち寒える。」

<素問調経論>「陽虚すれば則ち外寒え、陰虚すれば則ち内熱す。陽盛んなれば則ち外熱し、陰盛んなれば則ち内寒える。」

4)診断:病証の属性にしたがって、陰証と陽証とに分ける。

<素問陰陽応象大論>「よく診する者は色を察し脈を按じて先ず陰陽をわかつ。」

5)治療:有余は瀉し、不足は補い、陰陽の相対的平衡を調整する原則を確定する。

<素問至真要大論>「寒は之を熱し、熱は之を寒す。」

<素問陰陽応象大論>「陽病は陰を治し、陰病は陽を治す。」

このほかに薬物の性能や針灸の手法などにも、相応する陰陽の属性がある。

臨床上では必ず、証の陰陽と治の陰陽の関係に注意しなければならない。

総合すると、陰陽は基礎理論の重要な部分であり、さらにまた臨床実践経験を総括する手段でもある。漢方用語大辞典

 

陰陽(いんよう)

 中国古代哲学理論を構成する要素の1つ。

(<素問>生気通天論、陰陽応象大論、<霊枢>論疾診尺篇) 最初の陰陽の概念は大変素朴なもので、日光に対して向かい合うか背を向けるかの違いで陰陽が決定された。

日光に向かい合うものが陽、背を向けるものが陰とされた。

古代中国人は、まずすべての事物・現象には正・反という2つの側面(陰陽)があることを観察した。

すなわち気候の寒暖、方位の上下・左右・内外、運動状態における動静などである。

そして、その観察結果から得られた陰陽の概念をもって、自然界のすべての現象を分類し、万物が流転・変化する自然界の法則を、陰と陽が相互に対立し、また消長するシステムとして示したのである。

すなわち、陰陽とは、自然界に存在する事物と現象が相互に対立しながらも統一されている様相を説明する概念であるといえる。

さらに陰と陽とは事物間の対立を代表するだけではなく、1つの事物に内在する相互対立をも示す。

このように万物は無限に陰陽に分割されていき、その様相を固定的にとらえることはできない。

一般的に、「陽」は軽清・機能・亢進・運動・上昇あるいは熱性の性質といった側面を、「陰」は重濁・形態・衰退・静止・下降あるいは寒性の性質といった側面を代表する。

例えば、1日の中では昼が陽であり夜が陰、また季節では炎熱の夏季が陽であり寒冷の冬季が陰である。東洋学術出版社中医基本用語辞典

 

位=イ。クライ。朝廷での臣の席順。官位。天子の地位。身分。境遇。順序次第。席。事物のあるところ。方向。しるし。位どり。クライする。位置をしめる。=人。人を数える敬語。一位。各位。

 

鍼灸医学大系 語句の解

そこで本文の「陰陽は位を異にす」とは「陰と陽とは、その居る場所も、行動する方向も違って居る」ということである。

*更虚・更実・更逆・更従 これを「こもごも虚し、こもごも実し、こもごも逆し、こもごも従い」と訓読して置いたが「こもごも」という日本語は「たがいに」又は「かわるがわる」という意味であるが更の意味はそれとは少し違っている。

・・・・・

 そこで「更虚」とは、「或る時になるとシャンと虚の状態になる」という意で、つまり平易に申せば、「虚になったり、実になったり、逆になったり、従になったり」という意である。

 

或從内

内=〔ない〕

①内部の意味。外に対して言う。

<素問調経論>「陽虚すれば外寒し、陰虚すれば内熱す。」。この篇では陰を意味する。陰者地氣也主内

或從外

外=がい。病位用語。内(ない)に対していい、身体浅表部をいう。表よりは内部でやや含む部位が広い。この篇では陽を意味する。陽者天氣主外

 

陽=陰と相対する一類の事物あるいは性質をいう。

中国の古代哲学家は、すべての事物を陰と陽という二つの対立する面でとらえている。

陽は一般に、軽清的・機能的・亢進的・運動的・上昇的・熱性的な一面を代表し、

陰は重濁的・形態的・衰退的・静止的・下降的・寒性的な一面を代表している。

いいかえると以下のようである。

①気質が流動的で温熱なもの。

<素問陰陽応象大論>「陽は気なり。」

<素問陰陽応象大論>「気厚きものは陽なり。」

<素問陰陽応象大論>「陽気上竅に出づ。」

<素問陰陽応象大論>「気味辛甘、発散を陽となす。」

<素問陰陽応象大論>「陽勝れば熱し、陽勝れば陰病む。」

②人体の外側および四肢をいう。

<素問金匱真言論>「背は陽なり。」

<素問陽明脈解篇>「四肢は陽なり。陽盛んなれば四肢熱す。」

③人体の陽脈および六腑をいう。

<素問金匱真言論>「胆、胃、大腸、小腸、三焦、膀胱六府は皆陽なり。」

 

天気=

①陽気をさす。<素問天元紀大論><素問五常政大論><素問六元正紀大論>

②天の寒暑燥湿風火の六気をいう。

③人が天より受けた生気をいう。

<霊枢玉板篇>「此れいわゆる其の天気を奪するものなり。」

 

陰=

①気質が寒涼沈滞のもの。

<素問陰陽応象大論>「陰は味と為す。」

<素問陰陽応象大論>「味厚きは陰と為す。」

<素問陰陽応象大論>「陰味は下竅に出づ。」

<素問陰陽応象大論>「陰はその精下に併する、下に併すれば則ち下盛にして上虚す。」

<素問陰陽応象大論>「気味、酸苦、湧泄は陰と為す。」

<素問陰陽応象大論>「陰勝れば則ち寒し、陰勝れば則ち陽病む。」

②人体の内側及び五臓のこと。

<霊枢邪気蔵府病形篇>「それ臂と胻、その陰、皮薄く、その肉、淖沢、故に倶に風を受けて独りその陰傷る。」

<素問金匱真言論>「腹を陰と為す。」

<素問金匱真言論>「肝心脾肺腎五蔵皆陰と為す。」

③人体の生殖器のこと。

<霊枢五味篇>「陰は積筋の終るところなり。」

<霊枢五癃津液別論>「陰陽和せざれば液をして溢せしめて下りて陰に流る。」

 

地気=陰気(いんき)に同じ。<素問六元正紀大論>

 

賊風=人身を侵襲する外来不正の邪気。新・東洋医学辞書ソフトH25・9・12

賊風=ぞくふう

①単に風邪のこと。悪しき風のこと。また「虚邪賊風」の簡称。四時の正常でない気候をいい、それらは有害な性質をもっていて、人に病をおこすのでこの名がある。

<素問移精変気論>「賊風数至る。」

<素問上古天真論>「夫れ上古聖人の下を数えるや、虚邪賊風、これを避くるに時あり。」

②痛痹のこと。

<霊枢賊風篇>「賊風邪気は離さずに非ず・・・故に邪相襲うときは、寒痹を為す。」

虚邪賊風=一切の異状を引きおこす気候をいう。<素問上古天真論>

 

鍼灸医学大系語句の解

不時臥=・・・これは張志聡の註の如く、「時を以て臥することを得ず」の意に解すべきではあるまいか。つまり「胃の調子がおかしいので安眠できない」ことを意味するものと思うのである。

 

喘=ゼン。アエぐ。せく。せかせかする。ササヤく。いびき。

喘=ぜん。病証名。呼吸が急促なこと。

<説文>に「喘は疾息なり」とある。疾とは快速のことであり、息とは一呼一吸のことであるので、疾息とは、呼吸回数が正常な人と比べて速いことをさしている。

⇒喘証(ぜんしょう)。

<傷寒論釈解>「喘とは、気液、邪の為に壅がりて宣通するを得ず、胸中に逆し湊まりて呼吸を阻礙し、喉下に声を作すの称なり。」

<素問逆調論>「臥するを得ず、臥すれば喘する者は、是れ水気の客なり。」

腎主納気=じんはのうきをつかさどる。腎は吸気の働きと関係がある。

<素問評熱病論>「諸諸の水病は故に臥することを得ず。臥するときは則ち驚す。驚するときは則ち欬甚だしきなり。」

 

呼=こ。

①息をはき出すこと。刺針時に針を穴中に留めおく時間を、古法では呼気の回数を基準とした。

<素問離合真邪篇>「呼を候いて鍼を引く。」

<黄帝内経素問王冰注>「呼は気出るを謂う。」

<霊枢経水篇>

②五声の一つ。五行の木に配当される。

常に人を呼び、怒ったり命令ばかりする状態をいう。

 

鍼灸医学大系語句の解

 (月に眞)=・・・つまり充填の填の原字で、空隙なくいっぱいに、つまったことを意味するものである。

填満=「藏器の中がいっぱいに充満すること」であるが、・・・・

 

飧泄・飱泄=そんせつ・病名。飧瀉、水穀利ともいう。不消化便の下痢をいう。

これは脾胃の気虚陽弱により、あるいは風・寒・湿・熱の諸邪が腸胃を犯して発するものである。

多くは腸鳴・腹痛・脈弦緩などをともなう。

<霊枢師伝篇>「寒に中れば、腸鳴飧泄す。」

 

腸澼=病名。

①痢病の古称。澼とは垢膩粘滑で涕や膿に似ている液体をさす。

②便血をいう。

<古今医鑑>「それ腸澼は、大便下血なり。」

腸澼=痢疾の古称で、澼は脂垢のようにべとべとした液体のこと

 

故=「・・・であるが故に」という場合の「故」とは少々意味を異にし「既定の事実として」という意である。鍼灸医学大系

 

喉=コウ。ノド。のどもと。咽喉。喉頭。のどぶえ。要所。急所。

 

鍼灸医学大系語句の解

喉=・・・従って喉とは現代医学にいう「気管の入り口」を意味するもので、従って天気を主るというのである。

 

咽=イン。ノド。咽喉。口の奥。急所。エツ。ムセぶ。のどにつかえる。悲しみが胸にせまり、声がつまる。風や水流などが物にあたり、さまたげられてたてる音の形容。ふさがる。エン。ノむ。のみ込む。嚥下。咽下。

 

鍼灸医学大系語句の解

咽=従って咽とは「食道の入り口」であり、又地気を主るものである。

 

陰気=いんき。陽気に対していわれる。

広くはこれらに代表される事物の二つの対立面の一方をさす。

たとえば、機能と物質でいえば陰気は物質をさし、臓腑の機能では五藏の気が陰気であり、営衛の気では営気が陰気である。

運動の方向と性質では、内を行り、向下的、抑制的、減弱的、重濁的なものが陰気である。

例えば:

1)身中の営気。

<素問至真要大論>「陰気多くして陽気少なければ、その発する日遠し、陽気多く陰気少なければ、其の発する日近し。」

2)足の厥陰の気。

<霊枢経筋篇>「治は水を行らすにあり、陰気を清す。」

3)水のこと。

<素問脈解篇>「水は陰気なり。」

4)生殖器のこと。

<霊枢経脈篇>「筋は陰気に聚まりて、脈は舌本を絡うなり。」

 

臂=ひ。ひじ。うで。かいな。

臂=ひ。前腕部。肘から腕(手首)にかけての部分。下膊に同じ。

 

指端=手指の端、先端

 

陽氣=ようき。陰気と相対しているもの。

一般的には、二つの対立する事物の一側面をさす。

たとえば、機能と物質でいえば陽気は機能をさし、臓腑の機能についていえば六腑の気が陽気であり、営衛の気では衛気が陽気である。運動の方向と性質では、外表を行り、向上的・亢盛的・増強的・軽清的なものが陽気である。

<素問生気通天論>「陽気は、天と日の若く、その所を失えば、折寿して、彰ならず。」「故に陽気は、一日にして外を主る、平旦に人気を生じ、日中にして陽気隆なり、日西にして陽気すでに虚し、気門すなわち閉ず。」「陽気は、精なれば神を養い、柔なれば筋を養う。」

 

極=キョク。コク。キワめる。つくす。おしつめる。キワまる。つきる。極端に達する。キワめ。かぎり。鑑定。キワみ。キワまり。きわまるところ。キワめて。この上もなく。南北両極。極上。屋根の棟。天子の位。イタる→至。遠いはて。中正の道。疲れる。北極星。

 

漢方用語大辞典、明解漢和辞典、 参考・鍼灸医学大系、東洋学術出版社素問

 

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黄帝内経素問 太陰陽明論篇 第二十九 第一節

2013-09-11 09:28:49 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

柴崎保三著・鍼灸医学大系 ⑤ 黄帝内経素問 太陰陽明論篇 第二十九

第一節

(原文)

 黄帝問曰。太陰陽明爲表裏、脾胃脈也。生病而異者何也。

 岐伯對曰。陰陽異位。更虚、更實。更逆、更從、或從内、或從外。所從不同。故病異名也。

 帝曰。願聞其異状也。

 岐伯曰。陽者天氣也。主外。陰者地氣也。主内。故陽道實、陰道虚。故犯賊風虚邪者、陽受之。食欲不節、起居不時者、陰受之。陽受之則入六府、陰受之則入五藏。入六府身熱、不時臥、上爲喘呼。入五藏則 (月に眞)満閉塞、下爲飧泄、久爲腸澼。故喉主天氣、咽主地氣。故陽受風氣、陰受濕氣。故陰氣從足上行、至頭而下行、循臂至指端。陽氣從手上行、至頭而下行、至足。故曰。陽病者上行、極而下、陰病者下行、極而上。故傷於風者上先受之、傷於濕者下先受之。

(訓読)

 黄帝問うて曰く「太陰陽明は表裏を爲して脾胃の脈なり。病を生じて而かも異なるは何ぞや」と。

 岐伯對えて曰く「陰陽は位を異にす。更々虚し、更々實す。更々逆し、更々從う。或は内に從い、或は外に從う。從うところ同じからず。故に病、名を異にするなり」と。

 帝曰く「願くば、其の異なる状を聞かん」と。

岐伯曰く「陽は天の氣なり。外を主る。陰は地の氣なり。内を主る。故に陽道は實し陰道は虚す。故に賊風虚邪の犯す者は、陽之を受く。食欲節ならず、起居時ならざる者は、陰之を受く。陽之を受くるときは則ち六府に入り、陰之を受くるときは則ち五藏に入る。六府に入るときは則ち身熱し、時ならずして臥し、上(かみ)喘呼を爲す。五藏に入るときは則ち○(月に眞)満閉塞し、下(しも)飧泄を爲し、久しきは腸澼を爲す。故に喉は天氣を主り、咽は地氣を主る。故に陽は風氣を受け、陰は濕氣を受く。故に陰氣は足より上行し、頭に至って下行し、臂に從って指端に至る。陽氣は手より上行し、頭に至って下行し、足に至る。故に曰く。陽病は上行し、極って下り、陰病は下行し、極って上ると。故に風に傷られる者は上先づ之を受け、濕に傷られる者は下先づ之を受く」と。

 

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黄帝内経素問 通評虚実論篇 第二十八 第八節 訳

2013-09-10 09:20:26 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

黄帝内経素問 通評虚実論篇 第二十八

第八節

 霍亂刺兪傍五、足陽明及上傍三。

 刺癇驚、脈五、鍼手太陰各五、刺經太陽五、刺手少陰經絡傍者一、足陽明一、上踝五寸刺三鍼。

 凡治消癉、仆撃、偏枯、痿厥、氣滿、發逆、肥貴人則高梁之疾也。隔塞閉絶、上下不通、則暴憂之病也。暴厥而聾、偏塞閉不通、内氣暴薄也。不従内、外中風之病。故瘦留著也。蹠跛寒風濕之病也。

 黄帝曰。黄疸、暴痛、癲疾、厥狂、久逆之所生也。五藏不平、六府閉塞之所生也。頭痛、耳鳴、九竅不利、腸胃之所生也。

 

霍亂刺兪傍五、足陽明及上傍三。

 

刺癇驚、脈五、鍼手太陰各五、刺經太陽五、刺手少陰經絡傍者一、足陽明一、上踝五寸刺三鍼。霍乱の場合には以下は訳せないので割愛します。

刺癇驚・・・。王冰の注、新校正、馬蒔の註、張志聡の註があり、柴崎先生は以上三氏の註を見るに、三氏三様であってその若れが是であるかは、にわかに断定することはできない。臨床的な追試と相俟って将来の研究によらねばなるまい。

 

 一般的に申して、消癉、仆撃、偏枯、痿厥、気満、発逆を治療するにあたり、その人がセデブであれば、それはうまい物の食いすぎで、現代の日本人も今の病気のものとは食べすぎ(飲食のしすぎ)であり、つかえて塞がり閉じてしまい上下が通じなくなる、それは則ちにわかにおこる憂いによる病である。

 突然に気が上逆して陰陽の失調をおこし、軽い場合四肢寒冷して重ければ人事不省となって耳が聞こえなくなり、片方だけつまり上竅が閉じて通じなくなるのは、内にある気が急にせまってくるのである。内の原因ではなく外の風にあたった病であれば、ヤセてからだが細くなるのは明らかである。びっこをひく病は風寒湿の病である。

 黄帝が申されました。

 黄疸、急な痛み、癲疾、厥狂は、経脈の気が上に逆して下に行らないために生じたものである。五臓が各臓器の無意識であればよいのであるが、これが、臓器があるのがわかるのは、六腑の機能が閉ざされて生じたものである。頭痛、耳鳴り、九竅(眼舌口鼻耳肛門尿道)の働きが悪く、例えば夏の水分の摂り過ぎが鼻水になる、のは胃腸、つまり水分の飲みすぎや食べすぎにより、負担がかかり生じたものである。

 

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黄帝内経素問 通評虚実論篇 第二十八 第八節 語句の意味 5

2013-09-09 09:25:24 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

黄帝内経素問 通評虚実論篇 第二十八

第八節

 霍亂刺兪傍五、足陽明及上傍三。

 刺癇驚、脈五、鍼手太陰各五、刺經太陽五、刺手少陰經絡傍者一、足陽明一、上踝五寸刺三鍼。

 凡治消癉、仆撃、偏枯、痿厥、氣滿、發逆、肥貴人則高梁之疾也。隔塞閉絶、上下不通、則暴憂之病也。暴厥而聾、偏塞閉不通、内氣暴薄也。不従内、外中風之病。故瘦留著也。蹠跛寒風濕之病也。

 黄帝曰。黄疸、暴痛、癲疾、厥狂、久逆之所生也。五藏不平、六府閉塞之所生也。頭痛、耳鳴、九竅不利、腸胃之所生也。

 

語句の意味 5

 

黄疸=病証名。身体、目、小便が黄色となるのが三大症候である。病因は脾胃に湿邪が内鬱し、胃腸が失調し、胆汁が外に溢れておこる。臨床上、陽黄と陰黄に大別し、また黄疸、穀疸、酒疸、女労疸、黒疸を五疸という。<素問平人気象論>

 

癲疾・巓疾=てんかん発作。新・東洋医学辞書ソフト

巓疾=<素問著至教論>参照。巓とは頭頂のこと。巓疾とは一般的に頭部の疾病をさすが、多くは各種の頭痛をいう。頭は諸陽の会する所で、臓腑の血気は皆頭部に会する。六淫の外感、臓腑の内傷は巓疾を生ずる因となる。

 

厥狂=けっきょう。病名。陽気が偏勝し五臓の気が厥逆することによっておこる。狂言妄語し、ほぼ癲疾に似ている。癲疾は普通陰に属するが、これは陽に属する。<素問通評虚実論>「厥狂は久逆の生ずる所なり。」

 

久逆=きゅうぎゃく。経脈の気が上に逆して下に行らないこと。<素問通評虚実論>「黄疸、暴痛、癲狂、厥狂は久逆の生ずる所也。」

 

不平=不公平。不満足。心中に満足しない。

不=フ。ブ。ホツ・ホチ。ズ。アラズ。・・・ない。打消しのことば。ない。ザれ、なかれの意。禁止の辞。未の意。はずれる。イナや→否。疑問の辞。薄い。

平=①平常・平和・平衡の意味。

<素問平人気象論><霊枢平人絶穀篇>の平人は正常で病気の無い人をさす。

<霊枢終始篇>に「いわゆる平人は病まず」とあり、

<素問湯液醪醴論>に「巨気はすなわち平なり」とるのは正気が正常で平和であるということ。

<素問至真要大論>の「平を以って期と為す」とは平和・平衡を目的とするということ。

<素問至真要大論>の「其の気を調うれば其をして平ならしむ」とは気血を調和すれば陰陽を平衡に保つことができるということ。また平脈とは正常な脈のことである。②~⑤略。

 

六腑=①六腑とは胆・胃・大腸・小腸・膀胱・三焦をいう。腑は一般に胸腹腔中にあって中空で腔のある器官で、出納、転輸、水穀を伝化する機能があり、「物を伝化して蔵せず」と規定されている。

腑と臓の配合は「互いに表裏を為す」と称し、腑は表と為し、臓は裏と為す。

すなわち

(四角は腑・○は臓)胆は肝、

胃は脾、

大腸は肺、

小腸は心、

膀胱は腎、

三焦は心包絡に合する。<霊枢本蔵篇>「六腑は水穀を化して津液を行らすゆえんのものなり。」

 

漢方用語大辞典、明解漢和辞典

 

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黄帝内経素問 通評虚実論篇 第二十八 第八節 語句の意味 4

2013-09-07 10:00:44 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

黄帝内経素問 通評虚実論篇 第二十八

第八節

 霍亂刺兪傍五、足陽明及上傍三。

 刺癇驚、脈五、鍼手太陰各五、刺經太陽五、刺手少陰經絡傍者一、足陽明一、上踝五寸刺三鍼。

 凡治消癉、仆撃、偏枯、痿厥、氣滿、發逆、肥貴人則高梁之疾也。隔塞閉絶、上下不通、則暴憂之病也。暴厥而聾、偏塞閉不通、内氣暴薄也。不従内、外中風之病。故瘦留著也。蹠跛寒風濕之病也。

 黄帝曰。黄疸、暴痛、癲疾、厥狂、久逆之所生也。五藏不平、六府閉塞之所生也。頭痛、耳鳴、九竅不利、腸胃之所生也。

 

語句の意味 4

薄=はく。

①味のうすいこと。たとえば「滋薄きを味う」とは、すなわち淡薄で油っこくない食物を食べること。

②迫害すること。<素問至真要大論>の「これに薄り、これを劫す」とは病邪を外に追い出すこと。

③戦うこと、衝突すること。<素問至真要大論>の「此れ勝復と相薄す」とは正気と負気(邪気)とが互いに戦うこと。

④侵入・侵犯の意味。<素問六節蔵象論>の「勝たざる所を薄す」とは、自己の勝たざるものを侵犯するということ。

薄=はく・せまる。ハク。ウスい。厚みが少ない。少ない。浅い。こくない。軽い。軽薄な。よわい。地味がやせた。そまつな。つまらない。不幸な。人情がない。ウスめる。暑さを少なくする。少なくする。こさを〉濃度を低くする。かろんずる。きらう。ウスらぐ。少なくなる。浅くなる。

この項では・セマる→迫る。近づく。接近する。

すだれ。よしを編んで作った、蚕を飼うむしろ。イササか。発語の辞。草むら。

 

不従内、外中風之病

内よりでなく、外の風に中った病

内=〔ない〕

①内部の意味。外に対して言う。

<素問調経論>「陽虚すれば外寒し、陰虚すれば内熱す。」

②内傷のこと。七情飲食労倦の過度のものをいう。

③納の意味。

1)受納、納入の意味。

<霊枢営気>「営気の道は穀を内れるを宝となす。」

2)刺入の意味。

<素問八正神明論>「息まさに吸うを以て針を内れる。」

<素問調経論>「呼を候いて針を内れる。」

3)房事、性交の意味。

<霊枢終始>「新に内せしは刺すなかれ、新に刺して内するなかれ。」

<霊枢淫邪発夢>「厥気・・・陰器に客すれば内に接するを夢みる。」

外=がい。病位用語。内(ない)に対していい、身体浅表部をいう。表よりは内部でやや含む部位が広い。⇒内外(ないがい)。

 

内外=病の位置で内位、外位のこと。

その位置する所から外方をすべて外と呼び、内方を内という。

一般には、外は表よりもその指す所は広く、内は裏よりもその指す所は広いといわれる。

→内(ない)、外(がい)。<素問至真要大論第七十四第二十節>漢方用語大辞典

岐伯曰く「内より外に之く者は其の内を調う。外より内に之くものは其の外を治す。内より外に之きて外盛んなる者は、先づ其の内を調へて而る後に其の外を治す。外より内に之きて内に盛んなる者は、先づ其の外を治して而る後に其の内を調う。内外及ばざるときは則ち其の主病を治す。」鍼灸医学大系

<金匱臓腑経絡先後病>第十二条

問曰、脉脱入臓即死、入腑即愈、何謂也。師曰、非爲一病、百病皆然。譬如浸淫瘡、從口起流向四肢者、可治。從四肢流來入口者、不可治、病在外者、可治。入裏者、即死。

問うて曰く脉脱して臓に入れば即ち死し腑に入れば即ち愈ゆとは何の謂ぞや、師の曰く一病たるのみに非ず百病皆然り譬へば浸淫瘡の口より起り流れて四肢に向う者は治すべく四肢より流れ來り口に入る者は治すべからざるが如し病外に在る者は治すべし裏に入る者は即ち死す。方術説話

<素問宝命全形論第二十五第四節>この節の内外相得とは、形つまり肉体と、内即ち気がよくバランスがとれていること・鍼灸医学大系

 

風=

①病因。

六淫(風・寒・暑・湿・燥・火)の一つ。

陽邪に属し、外感疾病の先導となる。

ゆえに外感の多くは風証であり、他の病邪と結びついて病となる。

風寒・風熱・風湿・風燥などはこの例である。症状は、悪風寒、発熱があり、遊走性で変化しやすい特性がある。

<素問風論>「故に風は百病の長なり。其の変化するに至りて、乃ち他病と為るなり。常方無く、然るに風気あるを致すなり。」「風は善く行きて数(しばしば)変ず。腠理開けば、則ち洒然として寒え、閉ずれば、則ち熱して悶す。」

②病証の一つ。内風、風気内動。漢方用語大辞典

 

瘦=ソウ。シュウ。ヤセる。からだが細くなる。地味が悪くなる。書体が細くなる。

留=リュウ。ル。トまる。トドまる。とどこおる。遅れる。宿る。あとに残る。動かない。中止する。あとに残す。遅れさせる。よそへ行かないようにする。やめさせる。おさえる。注意を与える。ルーブル、ロシアの貨幣単位。

 

著=チョ。アラわす。書物を作る。著述する。イチジルしい。明らかである。アラわれる。目だつ。着の正字。

 

蹠跛=跖跛・せきは。跖とは足底であり、跛とはびっこをひくという意味である。故に跖跛とは足底の病変によってびっこをひくということをさしている。<素問通評虚実論>

 

寒風濕=

風寒湿=風・寒・湿の三邪気の結合をいう。<素問痺論>「風寒湿、三気雑(まじわ)るに至り、合して痹と為るなり。」

 

漢方用語大辞典、明解漢和辞典

 

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