川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

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ドン・ジョーン原作のタッポーチョ「敵ながら天晴」を見たいものだ!

2011-02-01 21:00:36 | 日記
ドン・ジョーン原作のタッポーチョ「敵ながら天晴」の映画化
・封切直前!


2月11日から封切されるこの映画
あの「太平洋の奇跡」フォックスと呼ばれた男の映画版です。
ぜひ、観に行きたいですね。


戦争とは悲惨で、人間性を喪失するもの。
人は極限的な状態で、本来の姿をあらわにする。
戦争という極限状態で、その人間性が問われる。
しかし、かつての敵から「天晴れ」と言われる人物は
そう多くはない。


日本人が豊かさの代償として失ったものがあるとすれば、
「何か」
これを考えさせられる本である。
映像で、表現されるこの機会に、ぜひ足を運びたい。


話は、現実の政治と社会にいたりますが、
極限状態から程遠いのが、現在の政治家先生ではない
だろうか。


理由は簡単です。
国民の声という割には、本当の声から程遠い行動に始終
しているとしか思われない。


今回の小沢前民主党代表の起訴問題です。
私は小沢氏は好きではありません。
しかし、今回の起訴については、反対です。
理由は、2つあります。


1、現在一政治家の出処進退問題に政治の全精力を傾ける
  時ではない。
  日本が成長鈍化し、諸外国から疎んじられ、
  近隣諸国から侵犯され、企業も政治家も金に狂い、
  本当に重要な日本の資産である「国民」を疎んじている。
  いま、やるべき緊急の課題は、小沢問題ではない。


2、民主党も自民党も、あまつさえ諸小政党も皆同じ。
  それは、今の状態に対する切迫感がない。
  平和ボケ極まり、ついに老人性の変革拒否症に
  陥っている。
  人は年齢を重ねると、保守的・非変革的となる。
  正に、今の政治は恵まれた階層による変革拒否では
  ないだろうか。
  気が付かないフリ、変革をめざすフリ、
  フリとは、意思にかける行為をいう。
  今の政治家を見ていると、自分達の世界が大事。
  国を憂いている心が微塵も見られない。


海外の人々から「天晴れ」と呼ばれる政治家が現れるの
だろうか。


高度成長期によく言われた話ですが、
日本は中間層がすごい。
トップの能力は低いお神輿タイプ。
その代わり、中間層が汗と涙と気概で頑張っている。
経営者の皆様は、「自分は別だ」と言うかもしれない。
しかし、海外の経営者から比較して、自分をベターだと
言い切れるだろうか。
ましてや、政治家の皆様においては。


我々は、太平洋の奇跡を見て、涙し、
現実の政治を見て、嘆くだけであろうか。
いや、変革は独り独りの意思から生まれる。
エジプトのデモ同意。

過激な変革が音連れないことを祈りたい。


平成23年2月2日 川越芋太郎 


タッポーチョ 太平洋の奇跡 「敵ながら天晴」玉砕の島サイパンで本当にあった感動の物語 (祥伝社黄金文庫)
ドン・ジョーンズ
祥伝社



太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男 (小学館文庫)
大石 直紀
小学館



2月度推薦図書

2011-02-01 20:57:25 | 知恵庫先生の講座
2月度推薦図書


1、チボの狂宴 著者:マリオ・バルガス・リョサ
  出版社:作品社


  人はなぜに、夢を抱き、そして夢が悪夢になるの
  だろうか。
  1960年代のドミニカ共和国が舞台である。
  主人公は、国の独立を守り近代化したいという
  夢を持つ。
  その夢は、いつしか、正当な欲望を超える。

  独裁者と傍から揶揄され、自らも猜疑心や歪んだ
  愛情を抱え、牢獄と死の世界を作り出す。
  得体の知れない魔物をもつ、人間の性。
  
  ただ、国民の為を思い行動する男が正気なのか。
  正気を失っているのはどちらののか。
  
  彼を倒すことを決意する人々もまた、権力に塗れ
  次から次への舞台を変える。

  我々の中に眠る得体の知れない怪物。
  
  一人の異形の者を表現した作品ではない。
  私たちの心底にある何かに触れる作品である。

チボの狂宴
マリオ・バルガス=リョサ
作品社




2、地のはてから 著者:乃南アサ 出版社:講談社
  人が夢に生き、夢に飲まれる人生がある一方で
  懸命に生きることのみを追う人生がある。
  そこにも、人生の深淵さがある。

  「人はまず舞い降りた場所で、
   まるで違ってします。」
  
  舞い降りた場所の過酷さに、対して次の言葉が
  印象的だ。
  「自分の人生は荒波に晒され流氷に覆われる岩
   のようなものだ」
  「何が何でも生きのびなきゃいけない」

  さて、あなたはこの言葉をどう感じますか。

  他方、舞い降りた過酷な流れから飛び出そうと
  地面から足を離し、結局流れの淵に沈む男。
  これも、また人生。
 
  本書は人生を考えながら、国や文明まで考えさえ
  られる深い本である。
  上下巻であるが、読んでみていただきたい。


地のはてから(上) (100周年書き下ろし)
乃南 アサ
講談社