川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

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美の壺:香水瓶の美

2011-02-19 17:58:18 | 美の番組紹介
美の壺:香水瓶の美


魅惑の香水瓶―コティとラリックの物語
遠藤 賢朗
里文出版




香水は毎日の入欲習慣がない西欧の人々から
生まれた。体臭を隠す方法として。
フランス18世紀頃、オシャレで繊細で金細工
が施された香水瓶が生まれた。


19世紀になると瓶は香りが住む家として時代
の先端を行く香水瓶が生まれる。



<美の壺1:香りと美を封じ込める栓>


香水瓶に欠かせない機能といえば、栓(せん)
です。
形の制約を逆手にとり、多くのおもしろい
栓が生まれた。
栓は瓶の要。
内容物がこぼれず、漏れず、それでいて
ファッション性と夢をもたらす。


香水は非常に貴重なものであり、何千本の
花から作られた。
しっかりした機能とデザインのポイントが
大きな比重を占めている。


そんな訳で香水瓶の美術館すら出来ている
くらい多くの香水瓶が誕生した。
当初の瓶は水晶をくりぬいた豪華なものであ
り、その後ガラスが登場し、大いに発展した。


一時期、平凡な瓶とラベルに陥った時代も
あったが。



<美の壺2:香りをアピールする彫刻>


庶民への普及とともに、パリの上流階級で
人気を博していた宝石デザイナーのラリック
が香水瓶の世界に登場した。


ラリックは草花や果実、昆虫なでのデザイン
をあしらい、ジュエリーの造形美を瓶の世界
に取り込んだ。
時にエキゾチックな香りを彷彿さえる瓶。


形で表す香り。
まさに、香りを目で見てイナージさせる
ラリックのデザイン。


ラリックをご存知ない方は、ぜひ箱根に足を
運びましょう。
ラリックの美を堪能する美術館がありますよ。



<美の壺3:言葉と香りが響きあう場所>


香水の名前
現代の合成香料は手軽さと名前の妙で売れて
いる?
1985年、覚えている方も多いでしょう。
あのプワゾン(毒)という命名の香水。
かなりエキセントリックできつい香り。
一世を風靡しました。


プワゾンの流れである命名の妙は、今も
引き継がれています。
木の女らしさ
私の秘め事
ピンウタイフーン
なんとなく興味が出てしまいますね。


あのラリックの5連作もその一つです。
1、真夜中に
2、夜明け前に
3、さよならは言わない
4、私は戻ってくる
5、君の元へ

まさに、香水によるラブレターでしょうか。
一遍のポエム

「私は戻ってくる」は、戦時中の男性から
女性へ送る愛の瓶、そのものでした。
平和な世界になったら、君と夜のビル
ディングで語り過ごしたい。
ビルディング型の香水瓶がなんとなく、
わかる気がします。


香水瓶一つにも、物語があります。
いや、物語性を追求したのが香水瓶でしょうか。
あなたの特別な物語。