川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

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美の壺:益子焼

2011-02-12 20:54:55 | 美の番組紹介
美の壺:益子焼



本日の美の壺はあの益子焼!
あのとは、濱田庄司氏とハーナード・リーチ氏のこと。
私の知識の中では、濱田26歳の時、リーチと共に
英国に渡りアーツ&クラフツ運動に携わり
帰国後、民芸運動を推進しながら、益子で作陶を
継続した。
濱田の自宅が益子参考館として開放されていたはず。



では、番組に戻り美の壺を3つ程、おさらいしよう。



<美の壺1:益子焼の土の香り>

田舎の土の香りが益子の魅力


益子焼きは、栃木県という田舎の素朴な風情を
思い出す。
日常使いの食器に代表される日本の民芸
日々の食卓を飾る食器
そこには、気取らない田舎の香りがする。


それは、益子と言う土地の「土」に原因がある。
益子の土は、砂っぽく、荒い土である。
それゆえに、洗練さとは縁遠い分厚いつくり。
厚いとは、手ごたえのある重量感とも言える。


粘り気のない、砂質の土が生んだ益子の魅力


そこには、さらに陶家の工夫が不可欠であった。



<美の壺2:器を彩る柿の色>


柿色の釉薬に思いあり


柿の色を彷彿させる釉薬
それは、日本の秋の色、土地の色。


従来赤粉と言われる防水性に富むことで知られた
独特の釉薬。
屋根瓦や瓶に利用された。


この赤粉に手を入れて柿色の釉薬を生み出したのが
あの濱田庄司である。
配分や配合物を工夫して、
深みのある黒やあめ色を生み出した。
実りの秋が代名詞の釉薬となる。



<美の壺3:流し掛けに益子焼きの真髄をみよ>


濱田の益子焼に絵が帰れた文様は、ひしゃくによる
流し掛けに特徴がある。
それは、筆で描く方法と異なり、
自在な線、生き生きとした躍動美が特徴である。



鼓動が聞こえる

「つくったものではなく、生まれてくるもの」

という表現をされることがある。
計算で生まれない無意識の伸び
躍動感や生命力を見るものに感じさせる魅力がある。



番組の後半は濱田の話になってしまいましたが、
益子焼は濱田の前にも脈々と息づいていました。
江戸後期から日常雑器の生産で有名です。
その職人技も伝統技術として残っていた。
濱田庄司を生み出す土壌がそこにあったようだ。


焼物の里を訪ねて 益子・笠間 (エイムック 1816)
クリエーター情報なし
エイ出版社