川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

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千住明聖地を行く?

2011-02-13 09:04:51 | 美の番組紹介
千住明聖地を行く?


NHKの某番組(極める)から少々語ります。


出羽羽黒山、羽黒山・月山・湯殿山の3つを合わせて
出羽三山という。
冬季は、月山・湯殿山が閉山しますので、羽黒山詣で
で3つの山を詣でたこととする。


とはいえ、2時間の雪山登山です。
千住明さんがこの詣でにチャレンジしました。


まず、第一門を潜り、結界の中へ。
そこは神域です。
深々と降る雪の中、足跡なき雪道を下ります。
そう、地獄への下り坂。
訪問者は一度、地獄へ落ちる体験をする。


静寂と雪の中、
どんどん下り、突いた先が三途の川?
祓川は、雪中にとうとうと流れる水、滝。
まるで、山水の絵巻の中。
この世とあの世の境。


昔は、この祓川で禊を行い、山頂を目指した。
江戸時代の人々の精神性を垣間見る。


<聖地の条件1:水は生命の元>


水の音と水の流れは、豊かな心、清らかな心を
生むという。
水は生命の源であると同時に、浄化力をも示します。
心身ともに清らかな状態にして、聖なるものに会う。



さて、聖なる水に讃えられた時間を過ごし、
次に出会うのは、大きな巨木たち。



<聖地の条件2:巨木>


天に向かってすくっと立つ樹木。
巨木は天と地を結ぶ柱と考えられています。


日本は山岳75%、四方を海に囲まれた自然に恵まれた
世界です。
山、川、海がキーワード。
歴史的にも、祖霊信仰が盛んで、人の手が届かない山は
天に近いと考えられています。
聳え立つ巨木には、聖なるエネルギーが宿る。



<聖地の条件3:天に近い山>


幽谷深山に立ち入れば、そこは普段の世界から
別の世界にいたる。

まさに、雪の中の静寂と深々とした身を切る寒さの中、
道なき道を無心で歩くとき、大自然と向かい合う
小さな自分を悟ります。



<聖地の条件4:異次元への回路>


深い自然の中に身をおくことで、
感覚が研ぎ澄まされ、
日常の垢を脱ぎ捨て、
新たな体験をする。
それは、異次元への新たな旅立ち。



聖地の魅力がここにあります。
大自然の力を借りて、
自分をもう一度活性化させて、
生まれ変わります。
言葉だけではなく、
体で体験することで、
自分自身の小ささを見届け、
自分の位置を正しく認識する。
山での修行は、
自らの活性化を促します。


山篭り
山岳修験道
験力(げんりき)

さて、あなたはこのような体験で何を見出しますか。


私は、昔の剣豪が大自然の中で
修行を行い
剣の道に目覚め、
自らを高めた経験を
書物で読んだことがあります。


聖地も日常の修行も目指すところは同じでは?
それはただ一つ。
自らの内部を活性化し、
自らの心を鍛え、体を開放し、
欲や恐れから離脱し自らを俯瞰する。
大自然を愛することは、自分以外の存在を愛する
ことにつながる。
そう気が付けるかどうか。


方法は、一つではない。
「自らの方法でためしてみなはれ」ですね。


聖地感覚
鎌田 東二
角川学芸出版