サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

聞こえるようになる手術って何?

2015年01月31日 | 手話・聴覚障害

さきほどたまたまテレビをつけたら手術で聞こえるようになった難聴の女性のことが取り上げられていました。
フジテレビの土曜プレミアム、TRUE STORY家族が歩んだ涙の結末という番組です。
まったくわけがわかりませんでした。

自分自身調べてみないとよくわからないこともありますので、ここから先はあくまでの私個人の感想ということになります。

まず番組全体(そのコーナーしか見ていませんが)としては、とても安易に作られているという印象を受けました。

内容は簡単に言えば、難聴で生まれてから音を“まったく”聞いたことがない女性が手術をして自分の子供の声が聞こえるようになったという“本当にあった感動物語”らしいのですが、あまりにも疑問点だらけで目が点になってしまいました。疑問点しかないと言ってもいいです。


手術は何かを頭蓋骨内に埋め込むのですが“人工内耳ではありません”。
説明を聞く限りにおいては、伝音性難聴にしか有効ではないという印象でもあったのですがどうなのでしょう?
電気信号に変えるといった説明がなかったような気がしたのですが。
それとも感音性難聴にも有効だが、番組スタッフの説明不足ということなのでしょうか?
(私の知る限りにおいては、中度重度難聴の方は概ね感音性難聴だという印象があります)
説明があまりにも大雑把というか、番組スタッフがそもそも理解していないのではないかという印象を受けました。
私の理解力が足りないのかもしれません。 
それとも脳幹を直接刺激する脳幹インプラントのことだったのでしょうか? 

その手術は海外でも費用が高く周囲の人々の善意でお金が集まり手術できたそうで、日本では認可されていないそうです。 

また彼女の実際の映像もあったのですが、彼女のしゃべる声は発音やイントネーションもしっかりしていました。
ある程度の聴覚活用(補聴器による)も含めて口話練習を積み重ねた人なのかなと瞬時に思ったのですが、番組の説明によるとそうではないということです。両親の方針として、彼女に手話を使わせないで読唇による口話練習を積み重ねた結果、流暢にしゃべれるようになったらしいということでした。見た瞬間に、絶対に違うのではないかと私は思いました。

また再現ドラマ風に番組は進んでいきますが、彼女は100%読唇で相手の内容を理解できる設定になっていました。時には見ていなくても理解していました。 

私自身もよくわかないことが多いのですが、あまりにも違和感を感じる番組だったため慌ててブログに書き込みました。

(追記)
その後調べてみたら、手術は埋め込み型骨伝導補聴器(baha補聴器)のことのように思えるのですが、だとすると感音性難聴には効果がないわけで、でも番組情報によると手術されたかたは感音性難聴ということになっているようで…????。
また既に保健適用になっているみたいで、その点もいい加減な情報だったのでしょうか。ただし片耳難聴の場合など適用されないケースも多いようです。

とにかく番組スタッフがいろんなことをまったく理解しないまま、オンエアしたということでしょうか。


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