WBC1次ラウンドのB組は、チャイニーズ台北、オランダ、韓国が2勝1敗で並んだが、得失点率の差でチャイニーズ台北とオランダが2ラウンド進出を決めた。
韓国は最終戦のチャイニーズ台北戦で勝利をあげたが、1次ラウンドで姿を消した。
試合開始時点で6点差以上の勝利が2次ラウンド進出の絶対条件だった韓国は8回表まで2対0とチャイニーズ台北にリードを許していたが、8回裏に3点を取り逆転し最終回を迎えた。
しかしその時点で韓国の1次ラウンド敗退が決まった。
後攻の韓国は、仮にチャイニーズ台北に追いつかれ9回裏に満塁ホームランでサヨナラ勝ちしたとしても4点差の勝利であり、6点差をつけての勝利は不可能だったからだ。
結果としては、9回表はチャイニーズ台北を0点に抑えて3対2と韓国が勝利したものの、韓国は「笑顔なき勝利」に終わっった。
しかし、場合によっては、もっととんでもない展開になる可能性もあった。
わざと負けた方が2次ラウンドに進出できるという展開である。
3チームが2勝1敗で並ぶ可能性があるということで、1次ラウンド進出のためのレギュレーションがクローズアップされた。
もし勝敗で並んだ場合は以下の形で順位が決められる。
(難しいかもしれないのでサラッと読んでください)。
A 得失点率のようなもの
数式で表すと、
(得点÷攻撃のイニング数)-(失点÷守備のイニング数)
その数字が高い方が上位になる。
但し全試合が対象ではなく、当該チーム同士の対戦のみが対象となる。今回に則して言えば、オーストラリア絡みの試合は除外された。
全試合対象だと、弱小チームから大量得点したチームが有利にならないように配慮したものだと思われる。
B (総被自責点数÷攻撃のイニング数)-(総自責点数÷守備のイニング数)
その数字が高い方が上位になる。
これは全試合が対象となる。
総被自責点数って何のこっちゃという感じですが、平たく言えば、相手投手の自責点の合計である。
ちなみに自責点とは、簡単に言えば投手の責任で失った得点。野手のエラーなどが絡むと自責点ではなかったりします。
C 打率の高い方
D コイントス
いろいろと知恵を絞って考えたんだと思います。
では、とんでもないことというのは何でしょう。
韓国とチャイニーズ台北の試合に則して説明します。
現実には韓国は6点差以上の勝利が必要だったわけですが、仮に2点差の勝利が必要だったとします。
そして8回を終えた時点で3対2と韓国がリードし、チャイニーズ台北の攻撃を迎えます。韓国としては5対3で勝てば2次ラウンドに進出できます。
しかしそのためには一度チャイニーズ台北に同点に追いついてもらわなくてはなりません。
ではわざと打たせるのか?4連続四球を出すのか?
チャイニーズ台北側からすれば、そのまま負ければ2次ラウンド進出が決定するものの、同点の追いつくと進出できなくなる可能性が出てくるわけです。
ですから理論的にはわざと負けた方が良いということになります。
全部、三振しちゃえばいいわけです。
しかし本当にそんなことをやってしまったら大きな問題になるでしょう。
でも、同点に追いついた後にサヨナラ2ランホームランを打たれたら2次ラウンド進出を逃してしまいます。
それはそれで物議を醸し出すでしょう。
サッカーの予選リーグの引き分け狙いは戦術の一つであって、むしろそうすべきだと思っていますが、野球でわざと負けたりすれば、いったいどういう意見が飛び交うのでしょう。
まあそういったとんでもない状況になりうる可能性もあったということですね。
韓国が後攻ではなく先攻であれば、そういった事態はまぬがれます。
最終戦は勝たなければいけない方を先攻にするのか、先攻後攻をコイントスで決めるのか、レギュレーションの再考が求められるところです。
で、今日のキューバ戦。
勝てば2次ラウンド初戦の相手はオランダ、負けると初戦の相手はチャイニーズ台北です。
2次ラウンドは2勝すれば準決勝進出決定です。一度は負けても大丈夫ですが2連勝するのがベストですね。
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