サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

デフフットサル女子日本代表 W杯世界一!!!

2023年11月19日 | ろう者サッカー

デフフットサルW杯の女子決勝は、日本とブラジルの対戦。
前回大会で日本は準々決勝でブラジルに敗れ、5位に甘んじた。そのブラジルに勝ち、世界一になるために築き上げてきた4年間の集大成。

日本の先発はピヴォに中井香那、アラは岩渕亜依、阿部菜摘、フィクソに酒井藍莉。ゴレイロには國島佳純が入った。

ブラジルは予選リーグでの対戦とはさすがに異なり守備への集中力が高く、両チームの寄せも速く息詰まる試合状況が続く。
ブラジルのシュートにゴレイロ國島飛びだしゴールを防ぐが、どこか痛めたのか代わりに芹澤育代が入る。
どちらが出ても松原君守ゴレイロコーチは自信を持って送り出しているだろう。

ブラジルゴレイロVanezaは自陣ゴール前からでもロングボールでピヴォに当ててきたり、あるいはシュートも放つ。
しかし芹澤も体を張ってゴールを守り抜く。

前半残り時間の少ないなか、中央で岩渕からのパスを受けた阿部が左足を振り抜き日本が先制!
阿部は今大会初ゴール!
前半はそのまま終了、1-0で折り返した。
観客席からはニッポンコールの声も聞こえてきた。試合を終えた男子選手やスタッフが声を出しているようだ。

後半5分くらいだろうか、ブラジルは左CKからファーに浮き球のパスを送ると8番Cassiaのボレーシュートが決まり、同点に追いつかれる。

2分後、今度はブラジル右サイドから11番Stefanyのシュートでニアをぶち抜かれ、逆転を許してしまう。
しかしまだ時間は充分にある。
その後は球際の激しい攻防が続く。

日本は自陣から中井、酒井、岩渕と1タッチでパスをつなぎ、素早く駆け上がって4対2の状況を作り出し、最後は左サイドから酒井が決め2-2の同点に追いつく。
完璧な崩しだった。
酒井にとっては今大会、嬉しい初ゴール。初戦は体調不良で欠場したが、決勝では絶好調だ。

しかしブラジルは右サイドでボールを奪うと中央へ折り返し、7番Suzanaがゴールを決め再びブラジルがリードする。
残り時間の少なくなるなか、日本はパワープレーに出るかと思ったが通常の布陣で攻め続ける。
時計表示もなく、会場内の時計も写り込まないので、地球の裏側からはやきもきしながら祈るしかない。

そして左サイドで酒井がピヴォの中井にあてポストプレーから抜け出し、この試合2点目のゴールで日本が3-3の同点に追いつく。

試合はそのまま延長戦へ。
ブラジルがボール奪取、ループ気味のシュートは芹澤が止める。
その後ブラジルに第2PKが与えられたところで芹澤に代わって國島が入り、ゴレイロVanezaのキックに圧をかけシュートは枠を外れる。

延長後半ブラジルが再び第2PKを得ると、今度はVanezaが決めブラジルが勝ち越す。
残り時間はさほどないはずだ。
しかしあきらめている選手は一人もいない。
中井がボールを奪いロングシュートが決まり値千金のゴールで魂をふるわす。
まさに死闘。
土壇場で追いついて世界一になったなでしこジャパンを思い出し、勝利を勝手に確信する。

そして試合はPK戦へ。
先行はブラジル、8番Cassiaが決める。日本も阿部が決める。
そしてブラジルの2人目ゴレイロVanezaを國島が止めた! 
中島梨栄もきっりち決め、3人目の11番Stefanyも國島が止めた!
ブラジルはゴレイロが1番Fernanndaに交代、酒井は止められるが、7番Suzanaも外し、最後はキャプテン岩渕が決めて日本が世界一に輝いた!

嬉しさは半端ないが、驚きは何もない。世界一を獲るための4年間だったのだから。
もっと言えば山本典城監督就任以来、10年余りの歳月をかけて勝ち取った世界一だ。

デフフットサル女子日本代表選手、スタッフのみなさん。おめでとうございます。お疲れ様です。
誇らしいです。
ブラジルで世界一の瞬間に立ち会えなかったのだけは、とてもとても残念です。

追記
山本監督は最優秀監督賞を受賞。



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