サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

ICU

2020年04月19日 | 日記

ICUということばを聞くと、いつもドキリとします。

16才の時に交通事故で腎臓破裂、緊急手術後、目覚めた場所がICUでした。その時はICUに一人だけでした。
翌日か翌々日、他の患者がキャスターで運ばれてきました。
その数時間後だったでしょうか翌日だったでしょうか、医師、看護士、親族らしき人が周りを取り囲んでいる風景がチラリと見えました。寝返りも打てないので、横目で視界に入る程度です。
そして音が一瞬無くなりました。その後、漏れ聞こえてくる嗚咽の声。

「死んだんだ」少年の俺は思いました。

その翌日か翌々日、また患者が運び込まれてきます。同じような光景が繰り広げられ、一瞬の静寂がおとずれます。
そしてまた3人目が…。
静寂の瞬間、息をしているのは俺だけでした。
1週間ほどの間に、3人の方がICUに運び込まれ、命を落としました。
「なんて人間の命ははかないんだろう」

そしてやっと生き延びて、ICUを脱出することが出来ました。
ICUが死へと向かう場所でないことを願います。
生き抜く場所であることを。
ICUにも入れず、その前に息絶えるとしたら、あまりにも無念です。


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