サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

デフサッカー日本代表 アルゼンチン相手に執念の引き分け(追記有)

2017年07月21日 | デフリンピック

トルコの都市サムスンで開催中のデフリンピック。サッカー男子日本代表がグループリーグ第2戦でアルゼンチンと対戦した。

先発は第1戦から右MFが岡田拓也から吉野に代わった以外は初戦と同じ。
GK千葉。ディフェンスは右サイドバックに河野。センターバックは、竹内と仲井。左に岡田侑也。
中盤はボランチに中島と東海林。2列目左はキャプテン古島。右は初戦途中出場でゴールを決めた吉野。2トップは林、塩田。

日本は序盤から相手陣内に攻め込みチャンスを作り出す。
しかし、前半5分アルゼンチンにPKを与えてしまう。
粘り強く守っていた日本だったが後方から15番の選手の飛び出しにセンターバックの竹内と仲井が交錯してしまい、GK千葉との1対1の局面となる。千葉が飛び出したもののPKを与えてしまった。
前半6分、アルゼンチンは10番が強いボールを蹴り込み先制。日本は早い時間帯から追う展開となった。

その後日本はアルゼンチン陣内に古島や岡田が攻め込み、FKやCKのチャンスを得るものの得点にはいたらない。
アルゼンチンは攻め込まれはしても要所はやらせない、というようにも見えた。
疲れもあり先制点も早い時間に取ったためか、出来るだけ省エネで勝ちたいという感じにも。

日本の守備陣も竹内の好守備など追加点を許さない。
 
前半22分、日本の左サイドでアルゼンチンにFKを与える。自陣深いわけでもなくそれほど危険な位置には見えなかったが、これが失点につながってしまう。
アルゼンチンの11番が左足でキックしたボールはゴール前でワンバウンドしてアルゼンチンの10番へ。10番がヘディングでそらしてアルゼンチンが2点目をあげた。
中島がマークしていた10番を離してしまった。センターバック竹内は相手選手をきっちりと押さえ込んでいたができればボールに触っておきたかっただろう。

時間はまだかなり残されていたが、日本は2点のビハインドを背負うことになった。 

25分、 アルゼンチンのコーナキックからのヘディングシュートは千葉が好セーブ。その後のピンチも岡田がうまく対応。 竹内も粘り強い守備を見せる。
絶対に追加点は許さない。

40分過ぎには、林のクロスに古島がヘディングで会わせるがサイドネット。

日本は、2点ビハインドで前半を終えた。

そして後半、日本が粘りを見せる。
序盤、右サイドバック河野が上がって強烈なミドルシュートを放つ。
8分には吉野の粘りでCKをもぎ取る。これまで単調になっていたコーナーキックだったが、古島がグラウンダーのボールで変化をつける。
しかしゴールは遠い。 

日本は塩田に代え、大西を投入。大西は左サイドバックへ。岡田が1列上がり、古島はFWに入った。
合宿で試行錯誤を重ねてきているので、こういったポジションチェンジはスムーズだ。 

そして15分くらいだっただろうか、中盤の底、中島が素晴らしい寄せでアルゼンチンボールを奪い東海林へ、東海林は素早く古島へ、そして古島から吉野へとパスが渡る。このつなぎは本当に素晴らしかった。
右サイドでパスを受けた吉野は一度切り返して左足でのシュート。ファーサイドネットをぶち抜くゴール。
日本は1点を返し、反撃の狼煙をあげた。
ゴールを決めた後、吉野の「まだまだ」という手話がとても印象的だった。

それにしてもゴールネットが破れていたので一瞬外れたのかと思った。 

日本はその後も粘り強い守備を見せ、アルゼンチンにシュートを打たせない。
26分には中島に代え、松本が入る。

日本はなんとか1点をもぎとろうとアルゼンチン陣内に迫る。
1列上がった岡田は個人技でディフェンス2人を抜き去りシュートを放つ。 

何とか1点がほしい日本は3人目の交代。
吉野に代えて西が入る。いったいどこのポジションに入るのかと思いきや左サイドバックに入ったようだ。左サイドの大西は右サイドへ。
右サイドバックの河野は2列目へ上がる。西が上がったスペースは松本がカバー。
攻撃的にシフトした日本がさらにアルゼンチン陣内に攻め込む。
 
そして残り時間も少なくなってきたなか、今度は日本がPKを得た。
古島がペナルティエリア内で執念のプレス、アルゼンチンの反則を呼び込んだ。
キッカーは西。
緊張する場面だったが西がきっちりと決め、ついに日本が同点に追いついた!

勝ち越し点は奪えなかったものの2点のビハインドを跳ね返した日本は、グループ首位の座を保った。 

イエローカードが乱れ飛ぶ激しい試合。
気持ちで手繰り寄せた勝ち点1。
彼らのこれからの試合も目が離せない!

イエローカードを千葉、竹内、松本が受けてしまい、このあたりをどうするかも考えなくてはならない、

次戦は日本時間の日曜日夜の12時というか、24日月曜0時。次回も中継を見たいところだが、おそらくないのではないか?
今日の試合会場には中継設備があるようだが次戦の会場にはないようだ。
また中継の画質はよくなかったが、カメラは7台は入っていたようだ。その点は素晴らしかった。

(追記)
グループリーグ、2試合終わった時点での勝ち点を整理してみた。
1位 日本       勝ち点4  得失点差 +1
2位 アルゼンチン  勝ち点2  得失点差   0  得点3
3位 イタリア    勝ち点2  得失点差 0 得点2
4位 ウクライナ   勝ち点1  得失点差 −1

次戦で日本が勝つと1位、引き分けでも2位以上は確定。
負けてグループリーグ突破の可能性があるのは、ウクライナがアルゼンチンに勝っての得失点次第。
仮に日本が0−1で負けても、ウクライナ1−0アルゼンチンだったら日本の突破。

まあ、そんな面倒くさいことを考えなくていいようにすっきりと勝ってください。

それから少し気が早いがグループリーグを突破した場合の準々決勝の対戦相手は、おそらく1位抜けの場合はイギリス、2位抜けの場合はロシアになるのではないだろうか。
ロシアは前回優勝国。イギリスはイングランドではなくUKです。デフリンピックはオリンピックの一つでもあるので国でないと出場出来ません。 



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1 コメント

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集中した戦いなんだ (吉井)
2017-07-22 11:51:36
レポートに感謝です。28日の昼あたり、銀座に顔を出せませんか。知人のサッカーファンに、障害者サッカーを伝えるんですが、時間あれば、電動をはじめ、諸々を教えていただきたく。
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