おじいちゃんの小さな疑問集(旧:おもりぽ)

「おじいちゃんがふと抱いた小さな疑問」を、載せさせていただきます。答えや共感や異論があればぜひコメントを!

片田舎町内会リポート.3

2006年11月22日 | Weblog
【リポート3.自治会総会模様】
 待ちに待ったとは反対の、ウザがるうえにもウザガっていた3月19日(日)、「あけぼのA丁目自治会総会」の当日が、とうとうやってまいりました。

 事前に届けられた「総会議案書」にあるとおり、この日はH17年度の活動報告をかねた決算報告。H18年度の主な活動と、予算案の審議。新旧役員と班長の紹介と交代。これらを一気に報告し、審議し、承認してしまおう!という、そんな盛りだくさんな会合であります。

 強制的な順番とはいえ、今回の総会より初登場の新班長としては、いくらシブシブでも遅刻はマズイだろうと、少し早めの定刻10時10分前に着くように、15分前に家をでました。徒歩2分の「あけぼの東公民館」へ向かう道程、同じ目的で公民館に向かう人は、この時間はまだまばら。

 公民館は1戸建の平屋で、玄関で靴を脱いでスリッパに履き替えて上がり、左は広い板の間、右は畳敷きの間という構造になっています。この度の年度代わりの総会は、左手の板の間にて行われます。会場に入って見てみると、司会等旧役員は議事次第が書かれた黒板を背後に、デスクがあります。そして、参加者はそれに向かい合った形で、パイプ椅子のみが並べられている形式で、参加人数的には、1年の会合のうちで最も多いのであろうことが、うかがえます。

 前から数えて真ん中あたりの左端の椅子に、とりあえずという感じでぼくが腰掛けたのは、開始予定時刻までまだ10分以上ある時刻。1/5程度の人数が、会場内のどの位置の椅子に座ろうか、思いあぐねている様子でした。時間が経つうちに次第に集まって来た人々が、思い思いの場所の椅子に座りはじめます。

 年齢的には、ぼくが予想していたよりも高齢の方が、比率としては結構高い感じ。男女比でいうと、男性が6割で、女性が4割というところでしょうか。年度替わりの節目の総会ということもあり、以降の細かい会合では、女性(奥さん連中)比が高まるのだろうなぁ、と思われます。

 そんな全体の様子をチラチラと観察しつつ、資料を眺めていたぼくの斜め右後ろで、痩せ型の50代とおぼしき男性が、彼の隣に座った知り合いと思われる男性に、何か熱心に語っています。どうも、H17年度決算報告文内の、ある項目について、「どうもこれは怪しい」との主張をしていて、「自分はこれを質問してみるので、賛同と支援を!」と頼んでいる様子。知り合いと思われる男性は「うん、うん」と相槌は打つものの、彼の主張に同意しているのかほとんど聞いていないのか、なんだか解らない反応です。

 一方役員席側には、白髪に毛糸の帽子をかぶり、ダウンベストを着た老人が登場しました。彼は現れるなり「今日はぼくはゲストなんだから、中央の席は変だ。端っこにしてくれ!」と、自分の肩書きの表示を、勝手に端の席に置きなおし、席を入れ替えてしまいました。

 置き直した肩書きを見ると、「あけぼの東区長」とあります。「あけぼのA丁目」の上位組織である「あけぼの東区」の区長だったのですね。区長は白髪で、相当高齢に見えましたが、席を替えてしまうときは随分と大声でした。しかしその後、彼は知り合いをみつけては、そばに寄っていって相手の耳元でコソコソと、内緒風の話をします。その声は小さくて、到底ぼくには聞こえません。なんだか、よく国会模様のニュースなどで見かける、根回しをする派閥の幹部議員といった風に見えなくもありません…。

 ここら辺からぼくは、「かつて住んでいた団地とは、随分様子が違うな」と、思い始めていました。前に住んでいた団地は開発された団地で、集まってきたもとの地域は色々ではあるものの、おおよそ同じ時期に、おおよそ同じ世代の人達が買い、おおよそ同じような時期に子供が生まれ、同じような時期に幼稚園、小学校と進む、同期生比率の高い団地でした。だからとても話しも合い、無駄を嫌い、効率を優先する風潮のなかで、予定調和が取れていたのです。

 ところがここは何か、プンプンときな臭さが漂っています。いよいよ時刻になって、
1.旧役員が開会を宣言
2.旧会長が挨拶
3.ゲストのあけぼの区長も挨拶
4.集合人数チェックの結果より、総会成立の資格がある会合であることの宣言
5.前もって決められていた様子の、議長の選出
 そして、議長の司会のも、と議事が進行し始めます。

 冒頭、議事内容をおおまかに案内はしましたが、あらためて議事を紹介すると以下です。
6.平成成17年度 事業報告
7.平成17年度 会計決算報告
8.決算の監査役員による審査報告
9.平成18年度 事業活動案 審議
10.平成18年度 予算案 審議
11.新役員紹介ならびに連絡事項
12.閉会

 何と驚いたことに! 議事内容では、たくさんの質問が出ました。やはり7.8.あたりでの、お金にまつわるところに第1波の質問が集中。主には、金額が比較的大きい項目の、内訳の説明を求める質問でした。例の、痩せ型50代男性もここぞとばかり、質問。「渉外費(区費)は40万以上と金額も大きいが、どういう内容のものか?」という質問。回答は、「上位組織である<あけぼの東区>の活動費として、毎年支払っているもの」という内容。

 質問者は、「上納金を払う必要があるのかどうか?」の論調で食い下がりましたが、「では上位組織は何を原資に活動するのか?」という反論にあい、頼みの事前根回しの隣の男性からも助け船は入らず、この議論はちょん。なんか張り切っていたわりには空振りで、「あけぼの東区の決算報告内容に注意し、無駄使いされないよう、よく監査していく必要がありますね」と、尻すぼみに終わりました。

 9.10.の議事あたりの、平成18年度事業活動案や、予算のところでは、「活動内容に新鮮味がない」という指摘がでました。しかしこれは、「旧役員下で新年度の活動案がつくられるから、当然前年踏襲の活動内容になる道理だ」的な方向に、議論は流れていきました。当たり前といえは、当たり前。そんで結論は、「H19年度案は、H18年度の新班長であり、H19年度には役員になる人達が活動案を活発に議論されることに期待し、H18年度案はこれで承認」という、得意の先送り的結論。結局H18年度の班長=ぼくらに、頼むねと言われたカッコです。ジャンジャン!

 それにしてもぼくは、「気の持ちようで、町内会も結構楽しめるな」と、しきりに心の中で感心していました。根回しまでした質問に失敗して、中途半端に終ったり。しょぼい服装ながら、雰囲気だけは政治家然とした区長が来ていたり。しごくもっともな質問で議論噴出するも、結局先送りの結論に落ちついたり。紆余曲折、波乱万丈、とても面白い! この時はまだブログでも面リポ企画を考えてませんでしたが、まさに「おもりぽ」にふさわしいネタが拾えるなと…。
―――
 次回「リポート4.4月の活動」につづく…。いよいいよ班長としてのお仕事の始まりです。
コメント
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