日々雑感

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夜行寝台バス

2014年05月20日 | Weblog
夜行寝台バス


 日本を出るときから、夜行寝台バスが走っているのを知っていた。生まれてこのかた、乗ったことがない。僕は旅の目的の1つはこれに乗ることにした。子供じみた目標である。
 麗江から大理までは200キロ、朝9時にのって3時頃に大理についた。大理から昆明までは330キロ、こちらに来るときは大型観光バスで約10時間かかったから、夜行バスもそのくらい掛かるだろうと推測した。
 大理からバスは4台出た。どれも満員である。僕は一番後ろの
バスにした。
 定員は33人。料金は一人分50元だと言う。寝台の広さは幅が50センチ、長さが180センチくらいで、1マスは二人用である。つまり1マスは100センチ掛ける180センチである。
 バスくらいは贅沢しなくちゃと思い、僕は1マスつまり二人分を一人で買い切り、ゆったりと寝ることにした。乗客は皆カップル、しかも皆若い。シングルは僕だけだった。
 交代要員の一人用ベットを除けば、皆二人用、真ん中を通路にして、両脇に上下4列に並んでいる。片側に8ベットだから16人、両側で32人。
 ところが僕の真後ろの二人組があられもない姿で抱き合い、絡みあっているのが目についた。
ええっ?バスの中で。公衆の面前で。おいおい、それはないよ。恥ずかしいとは思わないのか。他人事だけれども頭に血が上った。のぞき見したい気もあったが、恥ずかしいという気が先にったった。僕は息を凝らしながら彼らのあえぎ声に全神経を集中した。中国語だから意味はわから無かったが、こればかりは世界共通で中身はわかる。僕は一生懸命に気をそらした。
そういえば、中国のトイレには驚いた。日本のように一人一人が他から遮断されたブースにはなっていないのだ。囲いも仕切もなく
すけすけだから、お隣さんの顔を見ながら用を足すことになる。
それだけではない。ブースがないから、勿論前には扉もない。混み合うと、こちらがしゃがんでいる最中にも、前に人が立って待っているわけだ。これじゃ出るものも出ない。トイレを使う度に、こんな思いをした。
 旅行期間中ついぞ、僕はトイレになじめなかった。恐らく日本人は、こんなトイレにはなれていないから、恥ずかしいという思いが先立つだろう。
 しかし中国方式が悪いわけではない。思いが違うだけである。
つまり習慣、大きくいえば、トイレ文化が違うだけのことである。

後ろさんはますます激しく、大胆に愛し合っている。これはいかん。
 僕はズボンのポケットから睡眠薬を出して飲んだ。時計を見たら11時である。それ以後はなにも知らない。
 目が醒めたら昆明に着いていた。朝8時である。寝台夜行バスの旅はこうして終わった。
みなさん。お疲れさま。