北のとうさんの鉄道旅・アマチュア無線JA8HBO

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56水害を越えるJR北海道設立以来最悪の自然災害

2016年09月10日 | JR北海道 JR北
最初に一言・・・この災害を理由にして運行休止からそのまま廃止などということは絶対に許してはならない。
また、心情的には理解できるものの他の沿線自治体は、良くない前例を作ってしまった夕張の鈴木市長の真似をしてはいけない。
国策に翻弄された夕張は観光地図から次第に消えていくかもしれない。そして美味しい「夕張メロン」だけにその名を残すことになるのかも。







 上の写真(十勝毎日新聞と北海道新聞の報道写真です)
は、台風に伴う大雨による根室本線の新得駅構内(上り・札幌方面方)及び十勝清水・羽帯間の橋梁の流失被害の写真であるが、ここ以外にも重大な被害が根室本線と石勝線を中心に相当数の個所で発生している。
この災害から遡ること一週間前にも、やはり台風の大雨で石北線の上川・中越信号所間の川沿いの線路が被災し、路盤の流出でモーターカーが脱線、作業員が重症を負うという事故が発生した。現在、数億円をかけて復旧工事が進められているが、仮復旧による開通は10月中頃となるといわれている。おそらく本格的工事は来年の雪解けを待ってのこととなるだろうし、春の融雪で増水した川に阻まれて、本格的な復旧はさらに来年の夏を過ぎた頃になるのではないだろうか。
また、融雪での増水によって仮復旧の箇所が再度被災する可能性や、頻繁に災害予防運休が発生することも懸念される。

 大きな被害を被った根室本線・石勝線の復旧は、まだ目処も立っていない様子で、復旧費用は数十億円と見込まれる上に、開通は早くて12月といわれているが、石北線同様に冬季は施工できないので仮復旧という不安定な状態で年を越すことになるだろう。
上落合と富良野の間の復旧はさらに後回しになるかもしれないし、場合によっては、そのまま休止・廃止の可能性もある。
復旧費用は石北線と合わせると50億円に届くくらいの相当な額になるだろうと思われる。これに日高本線の復旧費用を合わせると100億円という数字も、あながち大袈裟とはいえないのではないか。
とてもJR北海道が単独で負担できるはずも無い状況だ。

根室線は日本の食糧基地でもある道東と札幌さらに本州を結ぶ重要な路線であり、このまま廃線などという選択肢は間違ってもありえないとは思うが、大袈裟に言えば、新幹線工事での工事車両や作業員をこちらに回すくらいのことをしてでも早急な手当てが望まれる。
工事費用は東日本大震災の例からすると二分の一を国と道、残りをJR負担ということになるが、日高線でも同様な被災状態であることから、河川、海岸の治水、護岸に関わる工事は公共事業として全て公費で賄い、JR北は軌道に係る復旧工事にのみに専念させるなどして、極力JRの負担を軽減させることを考えなければならないだろう。

交渉が暗礁に乗り上げたままの日高本線とあわせて高橋知事のリーダーシップが問われる事態となってる。少し前に、JR北が上下分離などを提案したとき、JR北に対して人件費の削減などということを真顔で語ったのには驚いた。乾いた雑巾をまだ絞れというのか。鉄道は人的資源に頼らざるを得ない事業だ。そこには限界があり、すでに限界を超えたために各種の問題を惹起したことを忘れたとは言わせない。
(日高線大狩部付近の被災現場、ここ以外にも橋桁の流失など大規模な被害が生じている)

さて、日高線どうするのか。いつまで小田原評定を続けるのか。沿線住民の意思は?当事者不在の様相も呈してきた。沿線の首長は無い袖は振れないのは確か。地方交付税でやっと息をしている自治体が、JRから提示された年間13億円の路線維持費用を負担できるわけは無い。
それを承知で要求するJRは要求する相手を勘違いしていないだろうか。
残念だが、このまま休止廃止への道を進んでいくのかもしれない(´・ω・`)

日高線が被災したとき、JRは1億円を投じて復旧工事の為の道路を整備した。その時点では間違いなく復旧するつもりだった。しかし、その後の自治体の態度は予想外だったのだろう。JRは一気に態度を硬化させた。これほどまでに自治体か財政的支援を拒むとは思わなかったのか、沿線自治体が打ち出の小槌でも持っていると思っていたのか・・・。
(石北線不通により旭川・札幌間をオホーツク車両で運行されている臨時特急)


それにしても新幹線開通相前後して合理化の話が出てきて、その年に大災害まで起きたタイミングはあまりに悪すぎる。北海道開拓に散った屯田兵のご英霊がお怒りになっているかなどと考えたくもなる(+o+)。
日高線の復旧については、道の幹部は道が自治体を財政的に支援する考えはないとしている。
今回のJRの問題は単に鉄道の問題ではなく北海道の交通体系と物流全てにかかわる問題なのだから、いつまでも財布の紐を締めてばかりでは経済が干上がってしまう。
高橋知事は、一定の成果を挙げてきた財政改善問題ばかりを前面に出してばかりで、今回の状況に対する切迫感と危機感が感じられない。
現在の北海道は農業大国であると同時に、観光が経済の中心となりつつあり、鉄道は観光を支える重要な役割を担っている。
その北海道の存在意義が問われる状況なのだが。

涙ながらに牛の救出を石井国交大臣に訴えた南富良野町長が涙する相手は高橋知事であるはずだった。
(日高線専用車両が室蘭本線を走る。岩見沢駅にて)

さて、私は先日のブログで営業密度500人未満の赤字額の大きい路線から廃止を進めるとした、いささか短絡的な提案をUPした。
本音で言うと、廃線はせずに、なんとか残したいというところだ。鉄道は北海道の開拓と共に歩んできた、北海道民だけではなく日本全体の財産である。
 開拓を進め、人と物を未開の地に運ぶためには、ひたすら線路を敷くこと自体が重要であった。
また、当時の土木技術との兼ね合いから、北海道の鉄路の多くは沢沿いや海岸近くに敷設された。
乗り鉄を楽しむとき、キハ40が樹木をかきわけ、小さな川をいくつも跨いで走る。まさに先人の苦労が伝わってくるのだ。
しかし、土木技術も進歩した今、自然災害に強い線路に生まれ変わらせることも大切かと思う。これについては石勝線が好例だ。
経済効果と目先の利益にばかり目を奪われ、百年の計を忘れて、安易な廃線と応急的な復旧工事でお茶を濁すのではなく、これからも子々孫々の代まで使っていけるような交通インフラを形成すべきだろう。新幹線は都市間交通であるし、バスという乗り物は必ずしもエネルギー効率が良くない。
まさに鉄道を再認識すべきときかと考える。
これらは国の仕事である。
JR北海道の問題は、最終的には国が判断するところまで来ていると考える。
以上、考えがまとまらないで書いてしまった。論旨が不明瞭かと思うが、いろいろと考えが頭に浮かんでは消える状態なのでご容赦願いたい。

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