初めに・・・
日高線について、JR北海道は本気で復旧させようとしている。にもかかわらず北海道と沿線自治体の連携が悪く、復旧への熱意が伝わってこない。そのため、被災当初よりJR側が頑なな態度になっているように感じる。
さらに行政の足下を見るように見積額を増額させている。
これ以上、JR北にいる東日本からの腰掛派遣組に牛耳られないように事を急ぐべきだろう。
私は恵庭市(千歳の北隣の街)の学校で非常勤講師をしているが、私の担当する科目の講義に、1年以上も一部区間運休している日高本線の鵡川駅から通っている女子学生がいる。
鵡川までは開通しているから問題はなさそうに考えられるかもしれないが、実際は大幅に便数が減らされているため、苫小牧駅での乗り換えの待ち時間が、彼女には大きな負担となっている。
朝は自宅を6時半に出てJR鵡川駅から苫小牧行きに乗り、学校には9時過ぎに滑り込む。16時40分の学校の終業後、17時頃に学校を出て最寄駅から苫小牧行きに乗り、苫小牧で1時間近い待ち時間を過ごしてから鵡川行きに乗る。帰宅は20時頃になるという、まるで首都圏のサラリーマンのような生活を続けている。
地元では、日高本線が復旧するとは、誰も思っていないそうで、半ばあきらめているとの事だった。
彼女曰く
「学生しか乗らないからね」
「新幹線にお金がかかるから仕方ないよね」
この言葉、JR他の関係者に聞かせたいものだ。
多くの若者が、高校や大学、専門学校進学のために日高本線沿線から離れて一人暮らしを余儀なくされているか、この春からそのように予定しているそうだ。子供たちへの仕送りができない親を持つ場合はどうするのか。進学をあきらめることになるのだろうか・・・(+o+)。
かなり、引用が長いが、今年に入ってからの日高本線の復旧をめぐる様々な報道(北海道新聞を中心に)を時系列に沿って見ていきたいと思う。
1.道運輸局・川勝敏弘局長は8日の記者会見で、日高線の復旧に向け(JRが)沿線自治体による財政支援を求めていることについて「路線を持続的に運行する仕組みの一つと考えられる」と述べ、協議を見守る考えを示した。
2.JR北の島田修社長は14日の定例記者会見で、昨年9月、高波により盛り土が流出した2カ所の復旧工事に約8億円かかると発表。
昨年1月の被災箇所と合わせた総額は約38億円となる。
3.JR北が、高波被害の復旧費として新たに約8億円がかかるとの試算を出した14日、日高管内では、変わらぬ復旧要望の声が上がった一方で、運行再開後の見通しが立たない中での高額費用負担に慎重な考えも示された。
4.小竹国昭・新冠町長は「費用がどんどん膨らめば、JRが復旧に慎重になる可能性がある」と危惧しながらも「協議を再開したい思いは変わらない」と強調。坂下一幸・様似町長は「自治体が復旧費を負担できないという姿勢は変わらない」と話した。
5.JR北は18日、日高線鵡川―様似間について、道が海岸を保全するための離岸堤を一部被災箇所の沖に整備することを、復旧の条件とする方針を固めた。JRは近く道に意向を伝える。総額38億円の復旧工事の費用分担に加え、道が数億円規模の離岸堤整備を受け入れるかどうかが、復旧に向けた協議の焦点。
6.JRの島田修社長は記者会見で、海岸保全事業はJRのような民間企業ではなく、道など行政機関が行うべきだとの認識を示していた。
7.昨年1月と9月の被災箇所の復旧工事費は総額38億円で、道と国、JRが3分の1ずつ負担する案が浮上している。JRは復旧後の運行維持経費についても「(膨大な赤字路線の経費を)当社単独では負担しきれない」(島田社長)と沿線自治体に一定の財政負担を求めている。
8.JR北海道と道、国土交通省北海道運輸局は21日、JR日高線検討会議を札幌市内で開いた。JRと道は海岸を保全するための離岸堤の整備が必要とする認識で一致。
JR内部では早期の離岸堤設置を道に引き続き求める方針で、整備を中長期的な課題と位置付けている道の思惑とはずれが生じており、曲折が予想される。
だが、JRは線路を守る高波対策は緊急の課題と位置付け、復旧後の安全運行に整備は不可欠とする。
しかし、会議で道との決裂を避け、今後の話し合いの余地を残すため、復旧への条件にしなかったとみられる。同社幹部は「離岸堤着工のめどが立たなければ、復旧工事は始められない。道の対応次第」といい、今後条件として求める可能性があるとしている。
9.高橋はるみ知事は20日の記者会見で、道内の他地域でも海岸整備の要望が多いことや、多額の事業費が予想されることを挙げ「全道的な枠の中でやっていくことにならざるを得ない」と述べた。道議会に離岸堤整備に関する予算案を提出して可決されるためには、与党会派を中心にした合意形成に時間がかかりそうだ。
10.日高町村会長の小竹国昭新冠町長は「復旧に必要とされる整備がJR北海道から次々と出てきて、先送りにならないか疑心暗鬼になる」と述べ、JRに復旧への条件を明確化するよう求めている。
・・・・・引用終わり。
総額38億円にも上る復旧費用に離岸堤などの海岸保全の費用をあわせると40億円を越える事になった日高本線の復旧。このまま、さらに時間が過ぎれば塩害や風雨で軌道や信号や駅の施設に様々な問題が生じてきて、さらに費用がかさむことも考えられる。
北海道、JR、国が各々3分の1づつ負担すると言うのは、すでにコンセンサスができているようだが、離岸堤や波消しブロックなど、海岸保全工事の費用負担の問題が生じてきた。これは知事の今後のイニシアチブの問題であろうし、来年度から道の公共事業の削減を緩和すると明言しているわけだからタイミングは良いのではないか。
ただ、他の地域とのバランス云々と言う発言を聞くと、知事自身は鉄道の復旧には、熱心ではないと感じるのは私だけだろうか。
また、復旧後の費用負担の問題は自治体の首長、特に様似町長が、いまだに鉄道運用は国か鉄道会社が行うという古い感覚なのが心配されるところだ。
さて、結局は利用者の中心である若者と高齢者を犠牲にしていると言うことなのだ。
JRはともかく、為政者には地方から若者が消えていくことへの危機感があまり感じられない。若者を元気にとか、地方創生とか、お題目を唱えながら今現在中心となっている年齢層の生活さえ守られれば良いと考えているのかなと受け取らざるを得ない。
私は、単純に日高線を復旧しろとは言わない。
早急に、日高沿線の交通体系の有り方を今後どうするのかを議論して欲しいということだ。
結果としてパスが望ましいのであれば、安心して通勤通学や生活に利用できる便利なバスダイヤを組んで運行して欲しい。
苫小牧駅でJRに接続する中型バスを走らせるのも良いだろう。若い世代は鉄道にはこだわらない。
とにかく、早急に結論を出して欲しいのだ。
復旧するにしても、完全復旧までは、現在の苫小牧・鵡川間のダイヤでは利用者には不便なだけなので、早急に見直すべきだろう。
この際、思い切って苫小牧・鵡川も運休して、小型の代行バスを高頻度で運行するべきかもしれない。
復旧は静内か、浦河までが現実的だろう。様似町民が選んだ首長は必要と感じていないようだから
復旧後も単純に「キハ」がまばらに走るような形ではなく、新しい交通体系(車両)での復旧ができなければ、単に多額の赤字を垂れ流すだけだと考える。
15年後に生まれるかもしれない函館・小樽間の第3セクターの参考、お手本になるような地方鉄道を構築する機会でもあるとも考える。
そのような大きなプランを描ける人材がいるのかは疑問だが、ここは転換点と考えるべきだ。
さらに廃線するにしても鵡川まで残して不便なダイヤで運行しても意味がないから、すっきり全線廃線で良いだろう。
この場合、BRTなどという時間にルーズな交通機関は論外だ。東北では一時の高い評価は声を潜めているようだし、山田線の復旧は鉄路と言うことになった。
一部、バスファンを兼ねる鉄道ファンには興味本位でBRTを賞賛する向きがあるが、自分が毎日使うことを考えてみて欲しい。
日高線について、JR北海道は本気で復旧させようとしている。にもかかわらず北海道と沿線自治体の連携が悪く、復旧への熱意が伝わってこない。そのため、被災当初よりJR側が頑なな態度になっているように感じる。
さらに行政の足下を見るように見積額を増額させている。
これ以上、JR北にいる東日本からの腰掛派遣組に牛耳られないように事を急ぐべきだろう。
私は恵庭市(千歳の北隣の街)の学校で非常勤講師をしているが、私の担当する科目の講義に、1年以上も一部区間運休している日高本線の鵡川駅から通っている女子学生がいる。
鵡川までは開通しているから問題はなさそうに考えられるかもしれないが、実際は大幅に便数が減らされているため、苫小牧駅での乗り換えの待ち時間が、彼女には大きな負担となっている。
朝は自宅を6時半に出てJR鵡川駅から苫小牧行きに乗り、学校には9時過ぎに滑り込む。16時40分の学校の終業後、17時頃に学校を出て最寄駅から苫小牧行きに乗り、苫小牧で1時間近い待ち時間を過ごしてから鵡川行きに乗る。帰宅は20時頃になるという、まるで首都圏のサラリーマンのような生活を続けている。
地元では、日高本線が復旧するとは、誰も思っていないそうで、半ばあきらめているとの事だった。
彼女曰く
「学生しか乗らないからね」
「新幹線にお金がかかるから仕方ないよね」
この言葉、JR他の関係者に聞かせたいものだ。
多くの若者が、高校や大学、専門学校進学のために日高本線沿線から離れて一人暮らしを余儀なくされているか、この春からそのように予定しているそうだ。子供たちへの仕送りができない親を持つ場合はどうするのか。進学をあきらめることになるのだろうか・・・(+o+)。
かなり、引用が長いが、今年に入ってからの日高本線の復旧をめぐる様々な報道(北海道新聞を中心に)を時系列に沿って見ていきたいと思う。
1.道運輸局・川勝敏弘局長は8日の記者会見で、日高線の復旧に向け(JRが)沿線自治体による財政支援を求めていることについて「路線を持続的に運行する仕組みの一つと考えられる」と述べ、協議を見守る考えを示した。
2.JR北の島田修社長は14日の定例記者会見で、昨年9月、高波により盛り土が流出した2カ所の復旧工事に約8億円かかると発表。
昨年1月の被災箇所と合わせた総額は約38億円となる。
3.JR北が、高波被害の復旧費として新たに約8億円がかかるとの試算を出した14日、日高管内では、変わらぬ復旧要望の声が上がった一方で、運行再開後の見通しが立たない中での高額費用負担に慎重な考えも示された。
4.小竹国昭・新冠町長は「費用がどんどん膨らめば、JRが復旧に慎重になる可能性がある」と危惧しながらも「協議を再開したい思いは変わらない」と強調。坂下一幸・様似町長は「自治体が復旧費を負担できないという姿勢は変わらない」と話した。
5.JR北は18日、日高線鵡川―様似間について、道が海岸を保全するための離岸堤を一部被災箇所の沖に整備することを、復旧の条件とする方針を固めた。JRは近く道に意向を伝える。総額38億円の復旧工事の費用分担に加え、道が数億円規模の離岸堤整備を受け入れるかどうかが、復旧に向けた協議の焦点。
6.JRの島田修社長は記者会見で、海岸保全事業はJRのような民間企業ではなく、道など行政機関が行うべきだとの認識を示していた。
7.昨年1月と9月の被災箇所の復旧工事費は総額38億円で、道と国、JRが3分の1ずつ負担する案が浮上している。JRは復旧後の運行維持経費についても「(膨大な赤字路線の経費を)当社単独では負担しきれない」(島田社長)と沿線自治体に一定の財政負担を求めている。
8.JR北海道と道、国土交通省北海道運輸局は21日、JR日高線検討会議を札幌市内で開いた。JRと道は海岸を保全するための離岸堤の整備が必要とする認識で一致。
JR内部では早期の離岸堤設置を道に引き続き求める方針で、整備を中長期的な課題と位置付けている道の思惑とはずれが生じており、曲折が予想される。
だが、JRは線路を守る高波対策は緊急の課題と位置付け、復旧後の安全運行に整備は不可欠とする。
しかし、会議で道との決裂を避け、今後の話し合いの余地を残すため、復旧への条件にしなかったとみられる。同社幹部は「離岸堤着工のめどが立たなければ、復旧工事は始められない。道の対応次第」といい、今後条件として求める可能性があるとしている。
9.高橋はるみ知事は20日の記者会見で、道内の他地域でも海岸整備の要望が多いことや、多額の事業費が予想されることを挙げ「全道的な枠の中でやっていくことにならざるを得ない」と述べた。道議会に離岸堤整備に関する予算案を提出して可決されるためには、与党会派を中心にした合意形成に時間がかかりそうだ。
10.日高町村会長の小竹国昭新冠町長は「復旧に必要とされる整備がJR北海道から次々と出てきて、先送りにならないか疑心暗鬼になる」と述べ、JRに復旧への条件を明確化するよう求めている。
・・・・・引用終わり。
総額38億円にも上る復旧費用に離岸堤などの海岸保全の費用をあわせると40億円を越える事になった日高本線の復旧。このまま、さらに時間が過ぎれば塩害や風雨で軌道や信号や駅の施設に様々な問題が生じてきて、さらに費用がかさむことも考えられる。
北海道、JR、国が各々3分の1づつ負担すると言うのは、すでにコンセンサスができているようだが、離岸堤や波消しブロックなど、海岸保全工事の費用負担の問題が生じてきた。これは知事の今後のイニシアチブの問題であろうし、来年度から道の公共事業の削減を緩和すると明言しているわけだからタイミングは良いのではないか。
ただ、他の地域とのバランス云々と言う発言を聞くと、知事自身は鉄道の復旧には、熱心ではないと感じるのは私だけだろうか。
また、復旧後の費用負担の問題は自治体の首長、特に様似町長が、いまだに鉄道運用は国か鉄道会社が行うという古い感覚なのが心配されるところだ。
さて、結局は利用者の中心である若者と高齢者を犠牲にしていると言うことなのだ。
JRはともかく、為政者には地方から若者が消えていくことへの危機感があまり感じられない。若者を元気にとか、地方創生とか、お題目を唱えながら今現在中心となっている年齢層の生活さえ守られれば良いと考えているのかなと受け取らざるを得ない。
私は、単純に日高線を復旧しろとは言わない。
早急に、日高沿線の交通体系の有り方を今後どうするのかを議論して欲しいということだ。
結果としてパスが望ましいのであれば、安心して通勤通学や生活に利用できる便利なバスダイヤを組んで運行して欲しい。
苫小牧駅でJRに接続する中型バスを走らせるのも良いだろう。若い世代は鉄道にはこだわらない。
とにかく、早急に結論を出して欲しいのだ。
復旧するにしても、完全復旧までは、現在の苫小牧・鵡川間のダイヤでは利用者には不便なだけなので、早急に見直すべきだろう。
この際、思い切って苫小牧・鵡川も運休して、小型の代行バスを高頻度で運行するべきかもしれない。
復旧は静内か、浦河までが現実的だろう。様似町民が選んだ首長は必要と感じていないようだから
復旧後も単純に「キハ」がまばらに走るような形ではなく、新しい交通体系(車両)での復旧ができなければ、単に多額の赤字を垂れ流すだけだと考える。
15年後に生まれるかもしれない函館・小樽間の第3セクターの参考、お手本になるような地方鉄道を構築する機会でもあるとも考える。
そのような大きなプランを描ける人材がいるのかは疑問だが、ここは転換点と考えるべきだ。
さらに廃線するにしても鵡川まで残して不便なダイヤで運行しても意味がないから、すっきり全線廃線で良いだろう。
この場合、BRTなどという時間にルーズな交通機関は論外だ。東北では一時の高い評価は声を潜めているようだし、山田線の復旧は鉄路と言うことになった。
一部、バスファンを兼ねる鉄道ファンには興味本位でBRTを賞賛する向きがあるが、自分が毎日使うことを考えてみて欲しい。