北のとうさんの鉄道旅・アマチュア無線JA8HBO

札幌に住むおやじが北海道を中心に鉄道旅の話題や無線の話題も織り交ぜてぼやきます。アマチュア無線のコールサインJA8HBO

4路線の廃線は序章にしか過ぎない

2016年10月22日 | JR北海道 JR北
先般のブログで、以下の10路線の廃止による赤字の軽減を考察した。
留萌線、札沼線非電化部分、根室線(滝川~落合)、夕張支線、日高本線、室蘭線(岩見沢・沼ノ端)、宗谷本線(名寄以北)、釧網線、花咲線、函館本線(小樽・長万部)
 
この中で、夕張支線、日高本線、留萌線(留萌以南)、札沼線非電化部分の廃止がほぼ決定したようだが、この4線の赤字額を合計しても20億円ほどに留まる。
しかし、この金額ではJR北の目論みには遠く届かない。
今後、自治体の強い抵抗が無く廃止が決められるのではと推測できるのは留萌線の留萌・深川間位だろうが、それを入れても30億円に満たない。
今後見込まれる年間180億円の赤字額に近い額を埋めるためには、残る5路線についても思い切った対策が必要となる。
「思い切った対策」すなわち、維持費用の自治体負担または上下分離ということになろう。

しかし、日高本線などを見る限り、沿線自治体が維持費用の支援を拠出したり、上下分離に賛同することは、財政的にも不可能だし初めから協議にも応じないだろう。

ということを考えると、残る路線も廃線への道を歩むことになるのではないかと危惧する。
先日、政府与党はエアポートの増便や石勝線の復旧には前向きな対応(財政拠出)を約束したが、逆にひねくれた見方をすると他の路線は北海道民に任せますよといっているようにも感じる。

結論としては、残念だが、この5年ほどのうちに北海道から相当な長さの線路が消えていくのは、ほぼ間違いないのではと考えてしまう。
本当に、北海道民は真剣に知恵を出す時に来ていることを自覚しなければならない。

我々は国力が低下して富の分配には消極的にならざるを得ない国に暮らすことを自覚し、期待してはならないことを自覚すべきなのだ。
それに、国民全体の意識が、すでにそのようになっているのだから北海道だけ特別扱いは求めてはいけない。
さらに言えば、北海道の交通手段が鉄道でなければならないか、他の交通機関でも良いのか、それぞれの地域で考えるときに来ているのも確かなのだ。
インバウドによる観光も永遠に続くとは思えない・・・・

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留萌・夕張に続き日高線、札沼線も廃止へ

2016年10月22日 | JR北海道 JR北
台風等による被害で運休が続き、復旧費用と復旧後の維持費用負担について自治体とJRが協議を続けてきた日高線について、10月22日の北海道新聞は関係自治体がバス転換を前提に廃線を容認することで合意したと報じた。
11月に正式に表明し、その後は条件面での協議に入るとのことだ。
ただ、苫小牧から鵡川、さらに日高門別間までの一部路線維持を求める声もあり、廃線区間はさらに調整されるとのことだ。
鵡川―日高門別間は平取町内であり、現在運行されている苫小牧~鵡川間の沿線自治体である苫小牧市・厚真町・むかわ町と合わせて4市町村の対応が注目される。

この一部路線存続の場合はJRが維持費用を要求するか上下分離を提案してくるのは確実であり、4市町村の対応次第では一部路線維持の実現も難しく、日高線全線の廃止という形になるものと思われる。

すでに札沼線に関してはバス転換を新十津川と浦臼町にJRが打診しており、廃線へ向けて動き出している。
 
夕張支線は夕張市とJRが廃線で合意しており、留萌線の留萌・増毛間も間もなく廃線となる。

今後、どのような形で廃線が実施されていくかが注目されるが、非常に短期間で北海道から4路線が消滅することになり、他の路線への影響が危惧される。

特に、先般の台風により壊滅的な被害を受け、復旧の時期も明らかにされていない根室線の東鹿越・上落合間も日高線と同じような経過を辿ってしまう可能性は否定できない。

今般の災害の復旧の目処が立った時点でJRは自社単独では維持不能な路線を公表し、上下分離や運行費用の負担を提案してくる模様だが、今回の4路線の状況を見る限りは上下分離や運行費用の負担を自治体が受け入れることはないと思われ、今後、一気に廃線が進む恐れが現実味を帯びてきた。
もう、JR北海道という名称も使えないほどに鉄路が消えていくのではないかという冗談ともつかない悲鳴が聞こえてきている。


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JR北が札沼線の廃止を沿線自治体へ既に打診していた

2016年10月10日 | JR北海道 JR北

10月9日の北海道新聞に「札沼線バス転換 新十津川と浦臼町に打診」との記事が掲載された。
(札沼線の非電化区間はこの2両のキハ40で運行されています。40にしては珍しい2軸駆動で豪雪地帯の札沼線ならではのラッセル走行で空転を抑えています。)

記事の要旨を紹介すると
「JR北海道が札沼線新十津川、浦臼両町に、路線廃止を前提に並行する既存のバス路線を活用した代替交通の検討を促している。不採算路線見直しで札沼線の存廃が先行する可能性が高いが、沿線自治体の考え方には温度差があり、論議は難航しそうだ。数年前から定期的に両町を訪問。医療大学駅以北の乗客の少なさを指摘ていた
 JR函館線と近く、新十津川町内から函館線滝川駅まで10分、浦臼駅から函館線奈井江駅まで20分でバスで行けるため、函館線で札幌などに向かう町民が多い。
 月形町、石狩管内当別町とも調整を進めているもようだが、約3割の生徒が札沼線で通う月形高がある月形町は「高校の維持には鉄路が不可欠。廃止は容認できない」との立場。当別町は、「(廃止されても)影響は少ない」とする。」

以上が記事の概要だが、私は札沼線については札幌から月形高校へ通う生徒の通学手段確保が一番の問題と受け止めていた。
そのため、まずは石狩月形と新十津川の区間を廃止して、月形町に於いてスクールバス等への対応の目処がついてから他の区間を廃止すれば影響も少なくて済むのではと考える。 
さて、先日、訪れた浦臼駅の待合室にあった町議会の議事録要旨には廃線どころか、駅前にボランティア拠点を置くとかの議論をしていた。切迫感は全く感じられない。
数年前から打診があったにも関わらず、選挙への影響を意識して放置してきたのだろうか(+o+)。
駅舎に町営の歯科診療所もあるが、歯科診療所にはバスやマイカーで通う町民がほとんどではないだろうか。
 この春のダイヤ改正で設定された「朝9時台に日本一早く最終列車が出る駅」を逆手に取った町興しのイベントも開かれているが、もはや公共交通としては成り立っているとは思えない。この便はJR北の廃線への強い意志の表れなのだ。それを逆手にとるのも良いが、札沼線は公共交通機関の路線なのであるから、このようなダイヤは列車ダイヤではない。早晩路線が消えるというサインだ。
札沼線は新十津川にこの奇妙な形で1往復残した時点から結末は見えていた。
あとは夕張同様に条件闘争ということになっていくのであろう。

今回、新聞報道で外部に漏れてしまったわけだが、維持困難路線の公表を延期しながら裏でこそこそやるのは気に入らない。
やはり本音では早く公表して切ってしまいたいのだろう。バス転換もなにもせずに・・・・・
札沼線の非電化区間は開通当時から営業成績は振るわないお荷物路線だった。華やかな時期が全く無かった不運な路線である。今のJR北海道に営業を続けさせるのは酷といわざるを得ない。


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JR北海道の事業範囲の見直し公表延期

2016年10月08日 | JR北海道 JR北
JR北が台風被害の復旧を優先するために、維持困難路線の公表を当面は見送った。
一部メディアはこれを国土交通省と政府与党の意向だとしている。路線見直し、要するに廃線は年明けとも噂されている総選挙には逆風という理由だ。
この話からするとすると、JR北の公表する維持困難な路線は政府としては何らか支援もせずに廃線を承認するということだと受け止めて良いのかと考えてしまう。
すでに舞台裏では、そのように話が進んでいるのかもしれない。
(廃止が決まった夕張駅)

さらに報道によると、北海道庁は近くJR北の問題で有識者による作業部会を立ち上げる。
高橋知事はJR北の再生推進会議のメンバーであるが、その中では廃線に対して慎重姿勢だが必ずしも否定的ではない立場と見られる。
 なお、道庁内では作業部会が廃線を前提とすることになれば道が敗戦を追認したと受け取られると危惧している。
しかし、この問題は廃線の議論は避けられないとしていることから道庁の対応は相当に困難なものとなるだろう。

JR北は当面、根室本線の復旧に全力を挙げるだろうが、年内の復旧は難しいとの声もある。
小生が危惧するのは事業見直しの対象となるであろう東鹿越と上落合信号所間の復旧工事を後回しにして、石勝線と根室本線の復旧をとりあえず成し遂げ、路線見直しの議論を見ながら、さらに工事を進めるかどうかを判断するのではないかということだ。
今回の災害で根室本線の貨物列車の重要性が再認識された。道東と道央を結ぶ物流路線として根室本線には迂回路の存在の必要性が再認識されている。
単に乗客が少ないという理由だけで廃線にするならば、後世から恨まれることだろう。

さて、今回の見直し路線には当然に日高本線が含まれるだろうが、協議の進み方次第ではこのまま廃線という可能性が大きくなったと考える。
石北線復旧は昨年の災害に引き続いて、今回も迅速に行われたことや、流氷物語号の運行に関するプレスリリースを見ても、JR北の沿線自治体への気遣いを感じる。
これは、臨時貨物に5000万円支出するなど、平素沿線自治体が鉄道活用へ前向きな姿勢を示しているからではないかと推測する。ここが日高本線との大きな違いなのだ。


ここへ来て、宗谷本線がJR、国に対して存続の要請行動を行ったり、札沼線の非電化区間についてもイベントの開催などで、地元自治体が鉄道の活性化の動きを示し始めている。
JR北にすると、このような活動が活発になる前に、できるだけ早く事業見直しを公表してイニシアチブを取りたいと考えているのではないか。

小生の個人的な印象しては、現状の沿線自治体の反応や行動を見る限り、日高本線の鵡川以南、留萌線全線が大きな反発も無く廃線に向かって動いていくのではないかと考える。
他の路線は貨物と観光さらに対ロシアへの国防上の観点から簡単には廃止はできないし、するべきではない。

ところで、苫小牧・室蘭間の電化区間は果たして意味があるのであろうか、一日6往復の特急電車のためだけに?架線が張られているのだが、気動車特急に転換するべきではないだろうか。ただ、気動車に余裕がない現状ではやむを得ないのだろうが・・・。
新幹線札幌延伸後は確実に架線は撤去されて261系が走るだろう。
また、岩見沢・沼ノ端間の複線も早急に単線化するべきかもしれない。

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釧路、網走を代行バスで乗り継ぎながら一周

2016年10月04日 | JR北海道 JR北
8月下旬からの一連の台風被害で、石北線、根室本線、石勝線は大きな被害を被り、長期間の運休を余儀なくされています。
石北線は順調に応急の復旧工事が進み、10月1日に開通しましたが、石勝線と根室線はいまだに開通の目処が立たない状況です。
今年も、例年通り涼しくなる9月の中ごろに滝川発釧路行きの普通列車2427Dを利用しての乗り鉄旅を計画しておりました。
当初は18切符でと思いましたが、9月10日までの使用期間なので、今年はスケジュールと合わないために、北海道東日本パスを利用することにしました。
連続した7日間の利用期間なのですが、体調を考えて前半2日で一日休憩、後半は3日といった形で2度に分けて利用しました。1日分残りましたが、万一予定が狂ったときの予備日と考えました。
前半2日は釧路・網走方面を駆け足で?乗り歩いて札幌に戻りました。
9月22日は最寄り駅から9時過ぎの列車に乗って、札幌から千歳線で千歳まで行き、夕張行きに乗り換えて新夕張で下車。

新夕張からはトマム行きの臨時特急に乗り換えます。新夕張で乗り換えた理由は特急料金が不要だからです。平素は新夕張と新得の間がその特例区間ですが、トマム・帯広間の特急が運休になっているために新夕張・トマム間が特例の対象となっていました。







13時過ぎに新夕張から283系の臨時特急に乗車。
30分ほどでトマムに到着。車内アナウンスによりトマムリゾートを利用する方々が先に下車してバスでホテルに向かいます。
しばらくして駅前に3台ほどの大型バスが到着、乗車している臨時特急の号車ごとに順番にアナウンスがあり、バスへ誘導されます。列車2両にバス1台といった割り当てでしたが、面倒な乗換えを嫌って多くの方が都市間バスに流れているために驚くほど少ない乗客でした。

さて、横一列に並んだJR社員の皆さんの見送りと最敬礼を受けながら、バスは道東自動車道を帯広へと走ります。添乗員は財務部の方でした。大変ですね(*^_^*)
道路から見える川は、流されてきた倒木と大きい石がたくさん残っています。
道路から見える根室本線は、レールが無ければ線路だったとは気がつかないほどに流れてきた土で覆われていました。また、流された橋脚や橋桁があちこちに見られました。
果たして年内に復旧できるのでしょうか。間もなく冬がきます。どうも年を越すのは確実でしょうね((+_+))


道東と道央方面を効率的に結ぶ唯一の交通経路となった道東道は片側一車線。
かなりの混雑でした。このまま積雪期を迎えるとすると、小さな交通事故でも通行止めになるので、しばらくは綱渡りの状態が続きます。
バスは帯広駅に到着。
帯広から臨時快速列車キハ283の6連で釧路へ向かいます。所要時間と停車駅は特急と変りませんが、快速列車の扱いです。








17時半頃に釧路に到着。
1時間半ほどを駅で過ごして、ルパン3世のラッピング・キハ54などを見物しながら、19時前の網走行きのキハ54の車中の人となりました。








網走駅前のホテルには10時前にチェックイン。春に来たときは不整脈で予定を変更してスグに帰ったので、今回は薬をしっかり服用しました。歳には勝てません(´・ω・`)

(朝6時好きに網走を発つ遠軽行きの臨時快速です)

翌朝は10時過ぎの普通列車で遠軽に向かいました。

遠軽からは道北バスさんの代行バス。乗車人員は6名ほどと寂しいものですが、都市間バスの本数も多いですし、乗換えと所要時間を嫌って、皆さんバスに流れたのでしょう。バスの料金と乗り心地に満足した方々は今回のことで、かなりバスへ流れてしまうでしょう。
来春の特急オホーツクの区間短縮論議に大きな影響を与えるのは確実です。
バスは上川駅に到着。



1時間ほどの待ち時間の後、帰宅する高校生で込み合うキハ40で旭川へ、旭川からは721系のクロスシートに揺られて岩見沢へ。


岩見沢からは小樽行きの区間快速で最寄り駅へ戻りました。


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